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アルプス頂上ゴールのツール第17ステージはロシアのザカリンが区間初優勝!
レース
2016.07.21
第103回ツール・ド・フランス(UCIワールドツアー)は、2度目の休養日が明けた7月20日に、スイス国内でカテゴリー超級のフィノー・エモッソン山頂にゴールするアルプス山岳区間の第17ステージを競い、ロシアのイルヌール・ザカリン(カチューシャ)が独走で区間初優勝を果たした。
ロシア出身の選手がツールで区間優勝したのは、2009年のセルゲイ・イワノフ以来だった。
マイヨ・ジョーヌは英国のクリストファー・フルーム(スカイ)が守った。
今大会で区間4勝した英国のマーク・カヴェンディッシュ(ディメンションデータ)と、オーストラリアのローハン・デニス(BMC)は、8月のリオデジャネイロ・オリンピックに出場するため、厳しいアルプス山岳区間が始まる最終週を避けるため、第17ステージは出走しなかった。
そして第17ステージ終了後に、トレック・セガフレードはファビアン・カンチェッラーラ(スイス)もオリンピックの準備でツールを棄権すると発表。彼も第18ステージには出走しないことになった。
スイスでアルプス山岳ステージがスタート!
ベルンをスタートし、スイス国内だけを走る第17ステージは181選手が出走。オフィシャルスタートしてすぐにスペインのゴルカ・イサギレ(モビスター)、スロベニアのボルット・ボズィッチ(コフィディス)、フランスのワレン・バルギル(ジャイアント・アルペシン)が落車。イサギレは鎖骨骨折の疑いがあり、レースを棄権した。
スタートからアタックが繰り返されたが、なかなか抜け出せる選手は出ず、最初の1時間の平均時速は51.8km/hという高速レースになった。
70kmを消化し、カテゴリー3のザーネンメーザー峠の登坂が始まってやっと集団からタネル・カンゲルト(アスタナ)、ステフ・クレメント(IAM)、クリスティヤン・ドゥラセク(ランプレ・メリダ)、トニ・ガロパン(ロット・ソウダル)が抜け出すことに成功した。
そこにマイヨ・ベールのペーテル・サガン(ティンコフ)、ドメニコ・ポッゾビーボ(AG2R・ラモンディアル)、ハーリンソン・パンタノ(IAM)、ラファウ・マイカ(ティンコフ)、ステーベ・モラビト(FDJ)、ブリス・フェイユー(フォルチュネオ・ビタルコンセプト)、ザカリンの7人が合流し、先頭は11人になった。
72.5kmのザーネンメーザー峠山頂はマイヨ・アポワを着たマイカが先頭で通過し、2ポイントを獲得。2位通過はマイヨ・ベールのサガンだった。
メイン集団からはさらに8人が飛び出し、先頭を逃げ集団を追走した。88km地点で11人の先頭集団と8人の追走集団のタイム差は1分10秒、メイン集団は6分10秒後方だった。
8人の追走グループからはアレクセイ・ルツェンコ(アスタナ)、グレッグ・バンアーベルマート(BMC)、トーマ・ボークレール(ディレクトエネルジー)の3人がアタックし、先頭グループを追い上げた。
105km地点のカテゴリー3のモス峠もマイカが先頭で通過。チームスカイがコントロールするメイン集団はここで11分遅れていた。逃げ集団で最も総合成績が上位だったのはクレメントで、36分17秒遅れの総合24位だった。
モス峠を下りきった残り63km地点で、追走の4人が11人に追いつき、先頭は14人になった。メイン集団ではモス峠の下りでボズィッチがこの日2度目の落車に見舞われ、レースを棄権した。3時間が経過し、平均時速は46.7km/hだった。
ゴールまで34.59kmの中間スプリント地点は、マイヨ・ベールのサガンが先頭で通過し、20ポイントを獲得した。ここでサガンは仕事を終え、フォルクラ峠の登坂が始まると同時に逃げ集団に別れを告げた。
フォルクラ峠で最初にアタックしたのはガロパンだったが、すぐルツェンコに追いつかれた。そしてゴールまで残り24kmでルツェンコが独走を開始したが、そのまま逃げ切ることはできず、山頂まで残り2kmで捕まってしまった。
11分遅れのメイン集団はアスタナが先頭を引き、脱落する選手が続出。その中には総合8位につけていた米国のティージェイ・バンガーデレン(BMC)も含まれていた。
スタートからアタックが繰り返されたが、なかなか抜け出せる選手は出ず、最初の1時間の平均時速は51.8km/hという高速レースになった。
70kmを消化し、カテゴリー3のザーネンメーザー峠の登坂が始まってやっと集団からタネル・カンゲルト(アスタナ)、ステフ・クレメント(IAM)、クリスティヤン・ドゥラセク(ランプレ・メリダ)、トニ・ガロパン(ロット・ソウダル)が抜け出すことに成功した。
そこにマイヨ・ベールのペーテル・サガン(ティンコフ)、ドメニコ・ポッゾビーボ(AG2R・ラモンディアル)、ハーリンソン・パンタノ(IAM)、ラファウ・マイカ(ティンコフ)、ステーベ・モラビト(FDJ)、ブリス・フェイユー(フォルチュネオ・ビタルコンセプト)、ザカリンの7人が合流し、先頭は11人になった。
72.5kmのザーネンメーザー峠山頂はマイヨ・アポワを着たマイカが先頭で通過し、2ポイントを獲得。2位通過はマイヨ・ベールのサガンだった。
メイン集団からはさらに8人が飛び出し、先頭を逃げ集団を追走した。88km地点で11人の先頭集団と8人の追走集団のタイム差は1分10秒、メイン集団は6分10秒後方だった。
8人の追走グループからはアレクセイ・ルツェンコ(アスタナ)、グレッグ・バンアーベルマート(BMC)、トーマ・ボークレール(ディレクトエネルジー)の3人がアタックし、先頭グループを追い上げた。
105km地点のカテゴリー3のモス峠もマイカが先頭で通過。チームスカイがコントロールするメイン集団はここで11分遅れていた。逃げ集団で最も総合成績が上位だったのはクレメントで、36分17秒遅れの総合24位だった。
モス峠を下りきった残り63km地点で、追走の4人が11人に追いつき、先頭は14人になった。メイン集団ではモス峠の下りでボズィッチがこの日2度目の落車に見舞われ、レースを棄権した。3時間が経過し、平均時速は46.7km/hだった。
ゴールまで34.59kmの中間スプリント地点は、マイヨ・ベールのサガンが先頭で通過し、20ポイントを獲得した。ここでサガンは仕事を終え、フォルクラ峠の登坂が始まると同時に逃げ集団に別れを告げた。
フォルクラ峠で最初にアタックしたのはガロパンだったが、すぐルツェンコに追いつかれた。そしてゴールまで残り24kmでルツェンコが独走を開始したが、そのまま逃げ切ることはできず、山頂まで残り2kmで捕まってしまった。
11分遅れのメイン集団はアスタナが先頭を引き、脱落する選手が続出。その中には総合8位につけていた米国のティージェイ・バンガーデレン(BMC)も含まれていた。
そこから残り6.5kmでザカリンがアタック。パンタノは反応したが、マイヨ・アポワのマイカは追えなかった。ザカリンはすぐにパンタノを蹴落とすと、標高1960メートルの山頂を目指して独走を始めた。
アスタナのビンチェンツォ・ニーバリが引くマイヨ・ジョーヌ集団は最後の登坂で20人ほどに絞られていた。ザカリンがゴールまで残り3km地点を独走している頃、マイヨ・ジョーヌ集団はアスタナに代わってチームスカイが引き始めた。
ザカリンはそのまま逃げ切り、ツールで初の区間優勝を成し遂げた。昨年ルスベロからカチューシャに移籍したザカリンは、UCIワールドツアーのツール・ド・ロマンディで総合優勝した後、ジロ・デ・イタリアでも区間優勝していて、これでジロとツールの両方で区間優勝した選手になった。
マイヨ・ジョーヌ集団では終盤にアレハンドロ・バルベルデ(モビスター)が加速を試みた後、ダニエル・マーティン(エティックス・クイックステップ)が攻撃したが、すぐに鎮圧された。
しかし、ゴールまで残り2kmでオーストラリアのリッチー・ポート(BMC)がアタックすると、マイヨ・ジョーヌ集団は分解し、総合2位のバウケ・モレマ(トレック・セガフレード)が遅れてしまった。
快走するポートに合流したのはマイヨ・ジョーヌのフルームだけだった。ポートはそのままフルームを後方に従えて、区間10位でゴール。総合成績を1つ上げた。ポートと一緒にゴールしたフルームは、総合のライバルたちとのタイム差はわずかに広げることができた。
フォルクラ峠で遅れたバンガルデレンは結局26分15秒遅れでゴールし、総合8位から総合17位まで陥落してしまった。
■ツールで初区間優勝したザカリンのコメント「ジロを残り2日で落車した後、僕はすごく失望したが、すぐに手術を受けた。リハビリに時間を費やさなかったから、ツールに参加する計画に執着することができた。最初の2週間は何の目標も持っていなかったが、トラブルを回避してクリストフのために働いた。
目標は3週目に区間1勝することだった。それを成し遂げられて僕たちはとても幸せだよ。将来はグランツールで勝ちたいし、ツールは最優先される。1年で最も重要なレースだからだ。まず今シーズンを分析し、それから来年はどのグランツールを僕がターゲットにするべきかを決めるだろう」
7月21日の第18ステージは、サランシュからメジェーブまでの17kmで、アップヒルの個人タイムトライアルが行われる。ツールでアップヒルの個人タイムトライアルが行われるのは2004年のラルプデュエズ以来で、1934年に初めて導入されて以来、まだ17回しか行われていない。
しかし今回のコースは上りきってゴールではなく、14.5km地点で標高1219メートルまで上りきった後、2.5km下るレイアウトだ。
■第17ステージ結果[7月20日/ベルン(スイス)~フィノー・エモッソン(スイス)/184.5km]
1 イルヌール・ザカリン(カチューシャ/ロシア)4時間36分33秒
2 ハーリンソン・パンタノ(IAM/コロンビア)+55秒
3 ラファウ・マイカ(ティンコフ/ポーランド)+1分26秒
4 クリスティヤン・ドゥラセク(ランプレ・メリダ/クロアチア)+1分32秒
5 ブリス・フェイユー(フォルチュネオ・ビタルコンセプト/フランス)+2分33秒
6 トーマ・ボークレール(ディレクトエネルジー/フランス)+2分46秒
7 ドメニコ・ポッゾビーボ(AG2R・ラモンディアル/イタリア)+2分50秒
8 ステフ・クレメント(IAM/オランダ)+2分57秒
9 ステーベ・モラビト(FDJ/スイス)4分38秒
10 リッチー・ポート(BMC/オーストラリア)+7分59秒
11 クリストファー・フルーム(スカイ/英国)+7分59秒
12 アダム・イエーツ(オリカ・バイクエクスチェンジ/英国)+8分07秒
13 ロマン・バルデ(AG2R・ラモンディアル/フランス)+8分10秒
14 ファビオ・アルー(アスタナ/イタリア)+8分18秒
15 ルイ・メインティス(ランプレ・メリダ/南アフリカ)+8分18秒
16 ナイロ・キンタナ(モビスター/コロンビア)+8分27秒
17 ウォートル・プールス(スカイ/オランダ)+8分39秒
18 バウケ・モレマ(トレック・セガフレード/オランダ)+8分39秒
19 ダニエル・マーティン(エティックス・クイックステップ/アイルランド)+8分46秒
64 ティージェイ・バンガルデレン(BMC/米国)+26分15秒
67 新城幸也(ランプレ・メリダ/日本)+26分15秒
■第17ステージまでの総合成績
1 クリストファー・フルーム(スカイ/英国)77時間25分10秒
2 バウケ・モレマ(トレック・セガフレード/オランダ)+2分27秒
3 アダム・イエーツ(オリカ・バイクエクスチェンジ/英国)+2分53秒
4 ナイロ・キンタナ(モビスター/コロンビア)+3分27秒
5 ロマン・バルデ(AG2R・ラモンディアル/フランス)+4分15秒
6 リッチー・ポート(BMC/オーストラリア)+4分27秒
7 アレハンドロ・バルベルデ(モビスター/スペイン)+5分19秒
8 ファビオ・アルー(アスタナ/イタリア)+5分35秒
9 ダニエル・マーティン(エティックス・クイックステップ/アイルランド)+5分50秒
10 ルイ・メインティス(ランプレ・メリダ/南アフリカ)+6分07秒
17 ティージェイ・バンガルデレン(BMC/米国)+23分03秒
115 新城幸也(ランプレ・メリダ/日本)+2時間55分23秒
[各賞]
■ポイント賞(マイヨ・ベール):ペーテル・サガン(ティンコフ/スロバキア)
■山岳賞(マイヨ・アポワ):ラファウ・マイカ(ティンコフ/ポーランド)
■新人賞(マイヨ・ブラン):アダム・イエーツ(オリカ・バイクエクスチェンジ/英国)
■チーム成績(黄ゼッケン):モビスターチーム(スペイン)
■敢闘賞(赤ゼッケン):ハーリンソン・パンタノ(IAM/コロンビア)
(http://www.letour.fr/us/)
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