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ブルーノ「若者よ旅に出よ!」旅レポートVol.1 スペイン・バルセロナ~フランス・セート

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2016年8月、「BRUNO(ブルーノ)が応援する「旅」 〜世界の自転車旅をサポート〜 若者よ旅に出よ」キャンペーンで選ばれた、愛知県在住の大学生、溝口哲也さん。8月24日に日本を飛び立った溝口さんから今回、旅レポート Vol.1が届いた。ヨーロッパ周遊5000kmの旅は、スペイン・バルセロナからスタート!

ブルーノ「若者よ旅に出よ!」キャンペーン チャレンジャー決定! http://www.cyclesports.jp/depot/detail/67414
 

8月24日にスペインに向けて出発!



いよいよ、初めての海外自転車旅行へと出発です。
一体どんな旅になるのだろう、希望や不安に胸を膨らませながら出国しました。
 

8月25日 56km

スペインのバルセロナ空港に着陸すると、周りの人は何語とも分からない言語で話しているし、独特な臭いや雰囲気は8年前に父親の転勤で連れられてタイのバンコクに入国した時を思い出す。

当時と違う点といえば、僕は一人で、そして自転車という移動手段を持っていること。バンコクでの中学時代はマンションに閉じ籠る退屈な日々であった。しかし、今回は空港を一歩外に出ればとてつもなく広い大陸を前に完全な自由だ。

こういう状況を待ち焦がれていた。もちろん不安もたくさんあるが、精一杯走って、感じて、これから起こりうる全てを楽しんでやると意気込みペダルを踏み出した。

 


スペインのバルセロナには自転車道があり、快適に走りながら初めて見る町並みや人々に興味津々だ。おそらく、それは荷物満載の自転車に乗る私に対して相手も同じなんだろう。顔を合わせお互い笑顔で「ブエノスディアス」と挨拶する。

旅行初日ということで、はしゃいで走り回っていたら寝床も見つかっていないのに日が暮れてしまった。ふと休憩がてら道沿いのベンチに座ったら、疲労と時差ボケが相重なって猛烈な眠気に襲われた。街中に野宿できそうな場所は無いので、うたた寝したふりして夜を越そうと企みそのままベンチで就寝。気が付いたら朝になっていたが、今思えば半ば自暴自棄な行為であったと反省している…

 

8月26日 188km

よく自転車で世界を旅した人が高速道路を誤って走行してしまったと失敗談を語る。その都度そんなドジ踏むもんかと思っていたのだが、旅行二日目にして私も無事に彼らの仲間入りを果たした。バルセロナから北のピレネー山脈に向けて走行していたのだが、いつの間にか高速道路を走行していたようだ。気を付けよう。

フランスとスペインの間のピレネー山脈にアンドラという小さな国がある。そこには今年のツール・ド・フランスでは最高標高地点になっている峠があり、海沿いのバルセロナからひたすら登りが続いた。それでも、走っていくと海が見える町から草原の丘や連なる山々へ、そしてダムや絶壁の岩山が待ち受ける山岳地帯へと目まぐるしく景色が変化するので退屈することは無かった。

この日も初めての国境越えにはしゃぎすぎて、夜になってしまった。観光地なのでホテルは高そうと思い野宿を決行。私は日本でもたくさん野宿を経験してきたが、見つからなければ大丈夫という経験則に従い、暗闇の森に進入。テントは張らずマットと寝袋だけで野宿を敢行した。

 

8月27日 137km


ピレネー山脈に位置するアンドラでの野宿は、気温が低く肌寒かった。ウィンドブレーカーを羽織り今旅最高標高のアンヴァリラ峠を目指す。サイクリストも数多く走っていて、お互いを励まし合いながら登っていった。言語や人種は違えど、同じように自転車で同じ場所を目指すのだから、自然と仲間意識が生まれる。自転車という道具にそれだけの力があることに驚かされつつ、頂上に着いた瞬間は彼らと祝福しあった。

海外で私が最も危惧したことは、食料や飲料水が入手困難な地域でそれらを切らすことだ。スペインでは意識して多めに水を積んでいたが、フランスに来て油断してしまった。周りに建物は無く水は底を尽き途方に暮れていた時、たまたま通りかかったご夫婦が心配して下さりたくさんの水を頂いた。一気に自転車が重たくなったが、優しさの重みの感謝している。

夜はキャンプ場でキャンプした。

 

8月28日 85km

フランスのカルカッソンヌの要塞都市に到着すると、スイス人のご夫婦が声をかけてくれた。彼らも自転車で旅をした経験があるそうで、旅の話が膨らんだ。特にBROOKSのサドルやパニアバッグに興味を持ったようだ。一緒に食事をし、支払いしようと財布を取り出すと、「今夜は私たちがあなたのスポンサーだ」と言いご馳走になってしまった。これから彼らの住むスイスへと自転車を走らせていく。そこでまた会うことができるといいな。

カルカッソンヌ要塞内部のユースホステルの宿泊した。 

 

8月30日 140km

フランスのベジエという町でフランスパンをかじっていると、ロードバイクに乗ったおじいさんと出会った。彼は私が日本人だと分かると、競輪の中野浩一選手のファンだと言ってきた。私も自転車競技をしてきた身なので、中野選手はよく知っており、話が弾んだ。まさか、海外で外国人とこんな話ができるなんて中野選手の偉大さに驚きだ。 

日が暮れた後、フランスの地中海に面するセートという町に到着した。あいにく観光地で野宿が難しそうだし、インターネットを使いたいので、24時間営業(と書いてあった)のマクドナルドで居眠りしてしまった体で朝を迎えようと画策した。 夜11時、追い出される。その後物陰に隠れながらWi-Fiを拾おうと試みる。深夜12時、Wi-Fi切断される、それが野宿実行の決め手となる。 蚊の大群に貧血になりそうなほど吸血され、翌朝は顔がアンパンマンになっていた。浅はかな考えで行動すれば、必ず失敗することを身をもって学んだ。 

その夜は、キャンプ場で床に就いた。


 


翌日は次の目的地、フランスの要塞都市カルカッソンヌにハンドルを向けた溝口さん。
次回のレポートもお楽しみに!

問 ダイアテックプロダクツ(ブルーノ)http://brunobike.jp