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NIPPO・ヴィーニファンティーニがコロンビアのジュリアン・アレドンドと契約

レース
2017年、NIPPO・ヴィーニファンティーニに、コロンビア人クライマーのジュリアン・アレドンド(トレック・セガフレード)が新戦力として加入する。

 


現在、28歳のアレドンドは、2012、2013年に現チームの前身となるチームNIPPO(日本籍コンチネンタルチーム)に所属。2013年に、ツール・ド・ランカウイ(マレーシア、UCI2.HC)総合優勝、ツアー・オブ・ジャパン(日本、UCI2.1)新人賞、ツール・ド・熊野(日本、UCI2.2)総合優勝などの好成績を残し、シーズン末にはUCIアジアツアー個人総合ランキングリーダーも獲得した。

その成績をもって、翌2014年にワールドツアーチームであるトレックファクトリーレーシング(現トレック・セガフレード)に移籍し、初出場となるジロ・デ・イタリアでは、抜群の登坂力を武器にステージ優勝、山岳賞を獲得しました。またアレドンドが世界のトップシーンで活躍する姿は、チームNIPPO時代にともに活動した若い日本人選手にとって、非常に良い刺激となった。

2015年、2016年は、腰から背中にかけての故障を抱え、成績に恵まれず、厳しいシーズンを過ごしていたが、2017年は、信頼する大門宏監督、また2013年はともに戦い、頼れるチームキャプテンであった福島晋一監督ら、懐かしい顔ぶれに歓迎される形で、UCIプロコンチネンタルチーム(イタリア籍)へとステップアップを遂げたNIPPO・ヴィーニファンティーニとともに、世界のトップレースへの再起を誓う。

 
現在監督を務める福島晋一らに支えられ、2013年のツール・ド・ランカウイで総合優勝を果たした
現在監督を務める福島晋一らに支えられ、2013年のツール・ド・ランカウイで総合優勝を果たした


ジュリアン・アレドンドのコメント
2012年、2013年、チームNIPPOで活動できたことが、自分にとって大きなチャンスとなり、その後、ワールドツアーチームに移籍する引き金となりました。当時は、チームとのあいだに信頼関係が満ちていて、たくさんのファンにも支えられました。

この2年間は成績に恵まれず、背中の故障の状況も悪くなる一方で苦境に立たされ、自分の選手人生のなかでもっとも辛い時期だと言えますが、それでも自分の可能性を信じ、NIPPO・ヴィーニファンティーニが手を差し伸べてくれたことは、自分にとって非常に重要なチャンスだと感じました。一時は選手を辞めることを真剣に考えていましたが、結果的に2017年の契約に至ったことを、今は大変うれしく思っています。

再び、このイタリアと日本、両国のカラーをもつチームに戻れることを幸せに思います。この2つの国は、いつも自分に対してオープンで、手を差し伸べてくれました。また再び、チャンスを与えてくれた大門宏監督にも感謝の気持ちでいっぱいです。彼は常に父親のような存在であり、成績のない自分を、躊躇なく、素晴らしいチームに歓迎してくれました。

 
2013年のツアー・オブ・ジャパンで新人賞を獲得。純朴で人懐っこい性格もあり、多くの日本人ファンに支えられた
2013年のツアー・オブ・ジャパンで新人賞を獲得。純朴で人懐っこい性格もあり、多くの日本人ファンに支えられた


大門宏マネージャー/監督のコメント
ジュリアンにはできれば、ワールドツアーチームで続けてもらいたかった。昨年から複数の要因で背中や腰に故障を抱えていたことは知っていたので、なんとかならないものか時々、本人とも会いながら自分なりに考えていた。

チームNIPPOから移籍した翌年、シーズン開幕早々いきなりツール・ド・サンルイスで2勝し、レベルが高いと評判のティレーノ〜アドリアティコでも総合5位に食い込み、その勢いはジロでもいかんなく発揮され、ステージ優勝、山岳賞に輝いた。

その直後にエース候補並みの破格の条件で、契約更新を果たした頃の彼はじつに頼もしかった。ツール・ド・フランスを含めて、グランツールのエース格として、チームからの期待も相当だっただけに、翌年から今日にかけて、成績不振に対する首脳陣からの風当たりがキツかったことは、理屈抜きに大変だったと思う。首脳陣が打算した成績が出せないジュリアンに、チーム内では“給料泥棒”と陰口も叩かれていたようだ。

彼は決して特別なプロジェクトや英才教育を受けて育ってきたタイプではなく、チームNIPPOからワールドツアーチーム、ジロの山岳賞に至るまで、ハングリー精神だけで駆け上がってきた印象が強い。ただし天才や強豪がひしめくトッププロの世界で、ハングリー精神だけで、真のエースに登りつめることは簡単ではなかった。

「そのうち痛みはなくなる、こんなはずじゃない」と、本格的に故障を治すことに先延ばしし、治療やリハビリに専念せずに悪化させてしまったことを、今年に入って彼も強く反省していた。さっそく、この秋から我々の推奨する医療機関で治療、リハビリに入る予定だ。

これからはこういった故障とも真剣に向き合い、二度と同じ過ちを繰り返さないように頑張ってほしいと思っている。そして厳しいトレーニングにも耐える新たな身体でレースに臨み、山岳で活躍する彼の勇姿を今から楽しみにしている。


NIPPO・ヴィーニファンティーニの国内公式戦は、10月23日に栃木県宇都宮市で開催されるジャパンカップサイクルロードレース(UCI1.HC)となる。
http://teamnippo.jp