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日向涼子さんによるイベントレポート! 台湾で、カペルミュール&ライオントラベル主催「日向涼子さんファンライドイベント」開催

イベント
ウエイブワンがプロデュースするアパレルブランド「カペルミュール」が、10月に台湾にて「カペルミュール&ライオントラベル主催 日向涼子さんファンライドイベント」を開催した。
今、台湾では日向さんの影響を受け、自転車に乗る女性が増えてきているそう。短い募集期間ながら多くのファンが集まり、にぎやかなイベントとなった。台湾ファンとの交流や自転車事情を描く、日向さんのレポートをお届け。

 

台湾のファンと太魯閣に挑戦!

「坂バカ」にとって、台湾は憧れの地でもあります。
なぜなら、海抜ゼロから標高3275.4mまで上り続ける『太魯閣ヒルクライム』の開催地だから! 上るにつれ変化する天気、気温、湿度、気圧、酸素量に対応しなくてはならず、世界最難関のヒルクライムレースと言っても過言ではありません。
「太魯閣を走らずしてヒルクライムを語るべからず」という人もいるほどで、私も坂バカのはしくれとして、「いつかは台湾で走るだろう」と思っていましたが、ついにその機会に恵まれました。
なんと、日本のサイクリストに人気のウエアブランド「カペルミュール」の担当者から、「台湾のカペルミュールファンと一緒に走りませんか?」とお声かけいただいたのです。
 
台湾は親日家が多いことで有名ですが、それはサイクリングにもあらわれています。日本のサイクリングイベントでは、台湾からの参加者から声をかけられることが少なくありません。彼らはテレビや雑誌、ウェブ媒体など、日本の自転車メディアをよく見ているのです。

到着した日は、台湾初上陸という私のためにプチ台湾観光をすることになりました。
移動には地下鉄が便利ですが、ひとつ、「これは日本でも取り入れて欲しい!」というものがありました。
それは、車内に自転車をそのまま持ち込めるというもの。日本でも出来るところはありますが、中心となる駅でこのようなサービスを受けられる点はとても羨ましく感じました。

そうそう、台湾は女性サイクリストの割合が多いそうですよ。日本だと女性のスポーツバイク人口は1~2割という感覚ですが、台湾では積極的に活動しているのは女性が多いとのことその日は観光と美味しい台湾グルメとともに、「おなかいっぱい!」の状態で眠りについたのでした。

 

台湾のサイクリスト事情

さて、本番の2日目は集合時間よりも少し早めに参加者を待ちました。
すると次第に雲行きが…。小雨が本格的な雨になり、風も強まってきました。こんな天気では誰も来ないんじゃ……。
寒さと不安から全員の顔色が悪くなってきました。言葉数も少なくなり、沈黙に堪え切れない…と思ったその時、道を挟んだ先にサイクリストの姿が見えました。
「彼が参加者でありますように…」
強く願っていると、こちらに近づいてきました。そう、彼は待ちに待った参加者だったのです。
そのあとは、ひとりどころか絶え間なくサイクリストが集まってきました。中には遠方のため、前泊してまで参加してくれた人まで。寒さも忘れちゃいそうなほどうれしい!

喜びとともに、気づいたことが。台湾の人達は写真が大好き! 一人来ては大盛りあがりで、男女問わず、まるで女子高生のように写真を撮りまくる姿は久しぶりに開催されたクラス会のよう。南国だから陽気な人が多いと聞いていましたが、その楽しそうな姿に、雨なんて吹き飛んじゃいます。
…と、言いたいところではありますが、さすがに雨風が強くなり下山も厳しそうなので、当初予定していた「距離132km・累積獲得標高3500m超!」のコースはあきらめ、カフェを目指す強度低めのコースを走ることになりました。
 
「カフェを目指す強度低め」コースに変更となり安心したのもつかの間、スタートしてすぐに山岳がスタート。路面状況や緩急のつき具合は、日本の旧道に似ているように感じました。ある意味、玄人向けです。「台湾の人はヒルクライムが得意なんだろうなあ」と思いながら走っていると、「頑張ってー!」と私の横を抜ける車が。

「ん?」

後続車は窓を開けて私を撮影しています。

「んん??」

集まった全員が走ったわけではなく、半数は雨なので自転車はやめて車で移動することにしたみたい(笑)
私にとっては、“めったに上れない山”ですが、台湾の人にとっては“いつもの山”ですから、当然かもしれません。私は自宅から山まで、自走すると片道2時間以上かかるところに住んでいるので、思わず、「羨ましい~!」と走りながら叫んでしまいました。
 
山頂に到着すると大きな車が待機していました。「あの車は旅行会社のものですか?」と尋ねると、「台湾では個人でサイクリング用の配車サービスをしている人が少なくないんですよ」とのこと。
例えば、仲間同士でヒルクライムをして帰りは車に載せて下山するなど、ちょっとしたイベントでも気軽に利用することが多いそうで、そういったビジネスが成り立つそうです。日本でもライドシェアは規制緩和の動きを見せていますし、サイクリストに優しいビジネスが出てくることを願います。

到着したお店は、イチゴとワッフルがウリのカフェ。お店の端でカペルミュールの商品を並べた途端、まるでバーゲン会場かのような盛り上がり! カペルミュールは台湾でも人気のブランドで、私が着用していた台湾限定ジャージも多くの注文が入ったそうです。
 
昼が近づくと、皆…特に男性がそわそわしだします。台湾では午後は家族サービスのために時間を使うらしく、帰宅時間が気になっていたのですね。(「休日も家のことをほったらかして!」と言われている日本のお父様方は耳が痛い話でしょうか?)参加者全員に限定キャップを配布、記念撮影をして解散しました。


結局、翌日に予定していた朝ライドも雨で中止となり、走りだけで見れば物足りないですが、その分、台湾の人達やグルメ、交通事情やサービスを知る時間がえられたのは、初回にしては上出来かもしれません。台湾グルメは満腹を超えた量が出てくるけれど、日本人の感覚としては、腹八分目。物足りないくらいの方が、「また行きたい!」ってなりますしね。案の定、「自転車を持って台湾に行こうよ」と仲間に声をかけているところです(笑)