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ゆるゆる遠州ガイドライド2016秋に ヤマハの新型電動アシスト車YPJ-Cで参加!

イベント
静岡県中東部遠州地方を走るガイド付き自転車ツアー“ゆるゆる遠州ガイドライド2016秋2days”が、10月29、30日に開催された。4月に開催された春のライドに加え、今年2度目の開催となる。

 
掛川市菊川河口の潮騒橋(しおさいばし)。浜松御前崎自転車歩行者専用道路の橋。アーチが下に付く“連続上路式吊床版橋”
掛川市菊川河口の潮騒橋(しおさいばし)。浜松御前崎自転車歩行者専用道路の橋。アーチが下に付く“連続上路式吊床版橋”


掛川市役所駐車場を発着として各日、下記の7コースを設定。参加料金は1コース5,000円だが、2日連続で参加すると1,000円が割引になる。レンタサイクルは、提携している“サイクルランドちゃりんこ”のロードバイクとクロスバイクが1日2,500円で利用できる。

29日に67人、30日に72人の延べ139人が秋の遠州路サイクリングを満喫した。参加者の69%が男性で31%が女性で、自転車イベントはの女性参加率は通常10%程度なので女性の参加率か高かったといえる。県外からの参加者は53%と県内の参加者47%を上回った。最も参加者が多かったコースは29日・30日とも、天竜浜名湖鉄道へ自転車ごと乗車する磐田市のCコースだった。

30日に、最長距離71㎞の御前崎市へ向かうDコース・に、10月27日に発売されたばかりの電動アシストクロスバイク、ヤマハYPJ-Cの試乗を兼ねて参加した。その模様をお伝えしよう。

 
コースごとにサポートカーが伴走し、手荷物や買った土産物を運んでくれるのは身軽な格好で走れる
コースごとにサポートカーが伴走し、手荷物や買った土産物を運んでくれるのは身軽な格好で走れる


参加したDコース“遠州灘の潮騒とフルーツを味わう自転車旅”の行程は次のとおり。自転車に乗るガイドが4人と、伴走車1台の運転手の計5人が随行した。

●Dコース<御前崎>の行程
掛川市役所駐車場-名倉メロン(袋井市)-遠州横須賀街道(掛川市)-潮騒橋(掛川市)-桜ヶ池(御前崎市)-浜岡砂丘(御前崎市)-松乃寿司(御前崎市、ランチ)-キウイフルーツ・カントリー(掛川市)-掛川市役所駐車場

 


■距離70.7㎞・最大標高差101m・平均斜度上り:3.4%/下り:3.1%・獲得標高上り421m/下り433m・自転車での想定所要時間4時間42分

スタートして、丘の上に広がる運動公園、エコパ(小笠山総合運動公園)へ。たどってきた方面の景色が眼下に広がる。いわゆるトイレ休憩。走行1時間以内に1回は休憩が設定され、その場所には必ずトイレがあるので安心。

丘を越えて、遠州三山の古刹、法多山(はったさん)尊永寺の脇を抜けて少し上ると、一面が整然と刈り込まれた緑の茶畑。まさにザ・遠州という景色。海に近づき平野の真ん中を走る。水田に、白い温室が島のように建つ。名村メロン農園に到着。カットメロンが供される。あまりのうまさに、女性陣がメロンパフェ880円を追加注文。時間があれば、メロンのフルコース1100円を試したかった。

土日祝日のみ営業(平日は要予約)する袋井市の名倉メロン農園カフェで休憩。カットメロンが供された
土日祝日のみ営業(平日は要予約)する袋井市の名倉メロン農園カフェで休憩。カットメロンが供された
浜松御前崎自転車道も通るが、砂がかぶって走りづらい区間はコースから外したという
浜松御前崎自転車道も通るが、砂がかぶって走りづらい区間はコースから外したという


さらに海に近づくと海と並行して進路を東へ。レトロな町並みが続く遠州横須賀街道を通って三熊野神社に参拝。川の土手に至るとぱっと景色が広がった。このコースのハイライト、掛川市菊川河口に掛かる潮騒橋(しおさいばし)に到着。浜松御前崎自転車歩行者専用道路の橋で、舶路高が9.5mあるので橋の上は絶好の展望ポイント。目の前に遠州灘のパノラマが広がる

橋を下ると、松の防砂林。風が強くなってきた。立ち並ぶ風力発電のプロペラがブンブン回っている。さらに東へ向かって御前崎市へ入る。松乃寿司で昼食。寿司・うどん・アシスクリームと、ボリュームがあってサイクリスト向き。桜ヶ池で池宮神社に参拝。

前方に巨大な白い建て屋が並ぶ浜岡原発が見えると、やがて折り返し地点の浜岡砂丘。柔らかい砂に足を取られながら斜面を登り切ると、砂原の向こうに海原。地球の丸さを感じられるようなパノラマが楽しめた。ここで、地元産の御前崎茶“つゆひかり”のペットボトルと亀まんじゅうが供された。

 
このコースの折り返し地点は、御前崎市の浜岡砂丘。眺めがいいが風が強い
このコースの折り返し地点は、御前崎市の浜岡砂丘。眺めがいいが風が強い


砂丘を後に、自転車道で西へ戻る。海側は防砂林が緑の壁となって続く。道幅が1.5車線ほどあり、走りやすいと思ったらすぐに一般道へ。「もっと自転車道を走りたかった」。ガイド氏に告げると「この先は、砂が積もっていて走りづらい」とのこと。「何カ月も前から試走を重ねて準備してきた」(平野正俊掛川観光協会会長)。その結果のルート選定であったと納得。

午後にもフルーツの試食が用意されていた。掛川市にある日本最大のキウイ農園“キウイフルーツ・カントリー”で、3種のキウイを試食。ファーストエンペラー、ピュアカントリー、紅鮮。形も果肉の色も甘さも異なるが、3種類を比べながら食べると、違いがよく分かる。この農園で生まれたピュアカントリー(1パック540円)を土産に購入する人が続出。

「掛川に戻るには坂を登らなければなりません」と、先頭のガイドを務めた松下正浩さん。の説明どおり、茶畑の斜面を登る。頂上のトンネルを通れば、下り坂で市街地へ。終点の掛川市役所では、迎えの列の間を通ってフィニッシュ。終点でも、振り袖餅と冷茶のもてなしが待っていた。

 
掛川市の“キウイフルーツ・カントリー”は日本最大のキウイ農園。3種のキウイを試食できた
掛川市の“キウイフルーツ・カントリー”は日本最大のキウイ農園。3種のキウイを試食できた
これこそザ・遠州ともいうべき景観。一面の茶畑の中を走る
これこそザ・遠州ともいうべき景観。一面の茶畑の中を走る

観光にたっぷりと費やしたツアー

終点到着は16時10分。所要時間は7時間30分。ルートラボの想定時間は4時間42分なので、約3時間長くかけたことになる。「20から22、23㎞/h」を目指して走ったと、前述の松下さん。走行ペースは適度だった。時間を、観光にたっぷりと費やしたのだ。“ゆるゆる”と名付けられた意義はここにある。

地元のサイクリストが選び抜いた、自転車に適した道をつないだかなり細かいルート設定だった。春のツアーで同方面のコースに参加したが、そのときとは経路がかなり異なっていて新鮮な景色が楽しめた。

東京都から、Dコースに、ロードバイクをレンタルして参加した女性、堺かなえさんに感想を聞いた。
「ガイドのホスピタリティが高く、楽に走れて安心だった。一生懸命走るよりも楽しんでもらいたいという気持ちが伝わってきた。写真を見て、行って見たいと思っていた潮騒橋が良かった。菊川の河口までたどり着くことができて達成感がありました。果物がおいしかった。メロン、キウイ。静岡にこんなにおいしい果物があるとは知らなかったので新鮮だった」

終了後、2017年春のゆるゆる遠州ガイドライドが4月22、23日に開催されると発表された。「オーダーメードのツアーも受け入れられる準備ができています。ぜひお申し付けいただきたい」と、平野会長がメッセージを述べて終了した。
 

万人向きのヤマハYPJ-C

10月27日に発売されたばかりの電動アシストクロスバイク、ヤマハ・YPJ-Cの試乗車で参加した(ペダルは私物に交換、サドルバッグも私物)
10月27日に発売されたばかりの電動アシストクロスバイク、ヤマハ・YPJ-Cの試乗車で参加した(ペダルは私物に交換、サドルバッグも私物)
ヤマハ・YPJ-Cの操作スイッチ(左)と大型で見やすい液晶ディスプレイ。電源スイッチはスイッチユニットの左側面にあり、乗車中にオン・オフできる
ヤマハ・YPJ-Cの操作スイッチ(左)と大型で見やすい液晶ディスプレイ。電源スイッチはスイッチユニットの左側面にあり、乗車中にオン・オフできる


ツアーの2日前、10月27日にヤマハのスポーツE-バイク(電動アシスト自転車)、ブランドのニューモデル“YPJ-C”が発売された。昨年12月に発売されたロードバイク“YPJ-R”の姉妹車と言う位置づけのクロスバイクだ。YPJ-Rの年間販売目標は1000台だが、9月に達成してしまった。ヤマハはYPJブランド確立のため「ロード+クロス+αを3年間で導入」する方針。

ツアーの会場で、YPJ-Cのミニ試乗会を行った。春のツアーでRの試乗会を行った際には、ドロップハンドルバー仕様なので初心者の中には敬遠する人がいたが、Cはフラットバー仕様なので抵抗感が少ない。乗車時に前傾姿勢がきつくならないので「これなら乗れる」という反応。「YPJ-Cは最も台数を狙うモデル」「万人向け」という、ヤマハの狙いどおりだった。

YPJ-CはサイズがM(フレームの芯〜トップ500㎜)とXS(同430㎜)の2種、カラーはマットブラックとピュアホワイトの2色。メーカー希望小売価格は、税込19万9,800円。外装18段(前2速×後9速)、車両重量はMが16.1㎏、XSが16.0㎏。1充電当たりの走行距離(標準パターン)はハイモード14㎞・スタンダードモード22㎞・エコモード42㎞。

ツアーのDコースをYPJ-Cに乗って走った。距離が71㎞あるので、エコモードにしても2.4Ahのリチウムイオンバッテリーを使い知ってしまう計算になる。バッテリーは小型で600gと軽量。念のため、サポートカーに予備バッテリー1個(税込2万1,600円を積んでおいた。
バッテリーを使い切らないよう作戦を立てた。通常は電源を切って走ることにした。スイッチユニットはハンドル左側に付く。ユニットの左側面の電源ボタンでオンとオフを切り換える。この操作は乗車中でも可能。
走行中に電源をオンにしたのは、きつい上り坂、強い向かい風が吹いているとき、撮影などで自転車の隊列よりも先行したいとき、隊列からちぎれたとき。10段階標示のバッテリー残量メーターを確認、アシストモードを切り換え、さらに変速もしながら走る。この、電池を節約しながら走るゲーム感覚が面白かった。

強いモーターアシスト力を得たいときは強く踏み込む必要がある。モーターのアシスト力を示すパワーメーターは7段階表示。ギヤを重くしてかなり踏み込んでも4段階くらいまでのアシストだった。結局は71㎞を走って、バッテッリー残量メーターの表示は、10分の4だった。

電動アシスト自転車は、ペダルをこがなければモーターのアシストが得られない。ペダルはこぐが、強い力は要らないので強度が低い運動になる。また、電動アシストの力で走行距離を伸ばすことが可能になる。スポーツサイクルの初心者、体力に自信がない人、年配の人に最適の新しい乗り物だと確信した。

電動アシスト自転車ならではという長所に気づいた。それは、急な上り坂でのゼロ発進。上り坂で停車した状態からは、惰性で走らせられないので再びサドルにまたがってペダルをこぐ状態に移行するが困難。それが、モーターのアシスト力があるので、いとも簡単に発進できたのだ。

ヤマハ発動機 http://www.yamaha-motor.co.jp/pas/ypj/ypj-c/


ゆるゆる遠州ガイドライド 2016 -秋-
ロコサイクリストたちと彩り豊かな秋の自転車旅!
開催日程/2016年10月29日(土)30(日)
集合会場/掛川市役所 駐車場(静岡県掛川市長谷1-1-1)
ゆるゆる遠州サイクルツーリズム事務局  http://yuru2.jimdo.com