ニュース
「街」にフィーチャーした世界20都市で開催される「Rapha RIDES」のオープニングイベントを開催
イベント
2017.05.26
これまでさまざまなライドイベントを仕掛けてきたアパレルブランド「ラファ」が、東京の「街」にスポットライトを当てた新たな試みを始める。5月19日(金)にラファ東京で行われたプレゼンテーションの模様をお伝えする。
(text&photo:滝沢佳奈子)
(text&photo:滝沢佳奈子)
あなたは自分の住んでいる街のこと、どれくらい知っていますか?
日本人は外国人に比べて、自分の住んでいる街に対しての愛着心が薄いように感じる。外国人は自分の街が世界で一番いいところだ、といわんばかりに楽しめるポイントを惜しみなく紹介してくれることが多い。私たち日本人の場合、どんなところに住んでいるか聞かれても、「うちは田舎だから」、「うちはただの住宅街だよ」などと一言で済ませてしまうことも多い。でもちょっと考えてみてほしい。自分の街を紹介できるということは、万国共通で誰に対してもできる話題が一つ増えるということだ。あなたの街の魅力を引き出せるのはあなた自身なのではないだろうか。
今回行われた「東京」のオープニングイベントでは、東京という街をよく知る3組の「ヒーロー」が紹介され、思い思いの「東京」をライドルートで表現するトークショーが催された。参加者はラファならではのおしゃれな食べ物をつまみながらそれぞれが語る東京の魅力について聞き入っていた。
まず1組目は93年に京都で創設された「Groovisions(グルーヴィジョンズ)」というデザイン集団を創設した伊藤弘氏と原徹氏が登壇し、矢野氏とともに東京のおもしろさについて語った。
伊藤氏と原氏が紹介するのは、オフィスのある世田谷近郊のルート。郊外と街中の間で、コピー&ペーストした家が並ぶのではなく、畑もあり、東京のなかでも盲点となっているような場所だ。
このルートは、伊藤氏が通勤で使用している道だと話す。「普通だったら大きい幹線道路を使うけど、東京は裏道をつないで目的地に行ける。自転車は一番自由に動ける乗り物だと思う。昔の細い道を発見して通るのが面白い。こういうのを共有できたら」と伊藤氏。
さらに原氏は、「家から会社に行くにしても、電車だと独立したポイントポイントしか分からず、その間にあるもの理解できない。でも自転車だと線でつながる。道が狭くていろいろな人が通るカオスや家と道路の距離がすごく近いのが日本的で、いろんな生活の音や匂いが伝わってくる。そういうのが東京っぽくておもしろい。」と東京の魅力を語った。
矢野氏も、「複雑な形をした道だからこそ発見がある。見通せない良さ、自分しか見つけられない何かっていうのが東京のおもしろさ」と付け加えた。
ラファはそもそもメッセンジャーとのつながりも深い。そのつながりから生まれた商品やサービスなども過去に多くあった。合田氏は、「街の中を自転車で走るのは最初は楽しいけど、経験を積んで行くと車との関係性や社会との関係性を感じるようになる。メッセンジャーは何も考えずに走っているわけじゃなくそういったものを感じ始める。
日本のトラフィックの中で悪いと思うことはキリがない。自分のいいと思ったことをどんどん広げていきたい。そうやってどんどんアップデートしていくサイクリングをしていってほしい。人それぞれのスタイルを持ってもらえれば」と話した。
残念ながら3組目で登壇するはずであったRCC(ラファサイクリングクラブ)東京のメンバーである澤隆志氏は都合により参加できなかったが、提案する奥多摩ライドについて紹介された。都会の排気ガスの中を走らずに(輪行して)電車で飛ばすトランスファーライドは、翌々日の日曜日に実際に行われた。
現状で継続的にラファでの東京という「街」を主眼にしたライドイベントがあるわけではないが、今までどおりの不定期開催のライドイベントはもちろん、今後は建築物など一つの視点を提案した上でのライドをしていきたいと合田氏。
こういったショップなどが開催するライドイベントに参加するのも発見が多くあり、非常に楽しいものだ。自分一人でのライドや少人数の仲間内でのライドでもそのような視点を取り入れてみるのもまた面白いかもしれない。
速く走るだけに飽きてきた人、走る場所がないという人、まとまった走る時間が取れないという人、ぜひとも小さい頃に秘密基地を見つけたときのワクワク感で、自分の「街」を楽しむライドをしてみてほしい。今までとは違った楽しさが見つかるはずだ。
問い合わせ先
ラファライド・グローバルページ(開催各国のまとめ)
ラファ ライド東京