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「自転車でまちづくり」名護市と今治市が協定、ねらいは観光誘致

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沖縄県名護市と愛媛県今治市が5月19日、「自転車を通じたまちづくり交流協定」を締結した。観光リゾート地として知られる名護市と、「しまなみ海道」でサイクリスト誘致に成功した今治市が相互に協力しながらサイクルツーリズムの振興を図るのがねらいだ。
 

主にインバウンド需要に照準

亜熱帯気候の下でサイクリングが楽しめる沖縄。名護市や本島北部には「やんばるの森」が広がる
亜熱帯気候の下でサイクリングが楽しめる沖縄。名護市や本島北部には「やんばるの森」が広がる
名護市や沖縄本島北部では毎年「ツール・ド・おきなわ」が開催され、多くのサイクリストが訪れる。しかし「大会の盛り上がりが地域の経済振興に必ずしも結びついていない」と市担当者。そこで市が今治市を視察したところ、「しまなみ海道」にサイクリストを誘致する体制が充実していることに刺激を受けたという。
「尾道市など関係自治体で協議会を作って事業を進めている。ブルーラインや自転車チューブ自販機など、安全面やおもてなしの面で取り組みが進んでいると感じた」(市担当者)

一方の今治市も、締結を機に名護市が持つ観光リゾート地としてのノウハウを吸収したいと考えている。同市はとりわけ高級リゾートホテルなどの宿泊施設に興味を示したという。
「観光客の受け入れ体制の充実に向け、相互に補完できれば」と今治市観光課。加えて、今治特産のタオルを名護市内のホテル等で使ってもらう、といった形で地域間の結びつきが深まることも期待している。

今治市は同様の協定を滋賀県守山市とも結んだ。守山市はビワイチ(琵琶湖1周サイクリング)の振興に力を入れている。今治市が描くのは、外国からの観光=インバウンドの需要に照準を合わせ、「やんばる・しまなみ・ビワイチ」でのサイクリングを一体的に提案することだ。
「西日本での『サイクリングのゴールデンルート』を、主要にはインバウンド向けにアピールしていく。今後具体的に詰めるが、早ければ来年にも提案できるようにしたい」(今治市観光課)とのことだ。(斉藤円華)