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ツール・ド・フランス第2ステージは集団ゴールスプリントでドイツのキッテルが通算10勝目をマーク
レース
2017.07.03
第104回ツール・ド・フランス(UCIワールドツアー)は、7月2日にドイツのデュッセルドルフからベルギーのリエージュまでの203.5kmで第2ステージを競い、ドイツのマルセル・キッテル(クイックステップフロアーズ)が集団ゴールスプリントを制して優勝し、通算10勝目をマークした。彼はポイント賞総合トップに立ち、マイヨ・ベールも獲得している。
区間2位はフランスチャンピオンのアルノー・デマール(FDJ)、3位はドイツのアンドレ・グライペル(ロット・スーダル)だった。総合首位のマイヨ・ジョーヌは、英国のゲラント・トーマス(チームスカイ)が守った。
第2ステージは196選手が出走。オフィシャル・スタートと同時にタイラー・フィニー(キャノンデール・ドラパック)、ローラン・ピション(フォルテュネオ・オスカロ)、トマ・ブダ(ディレクトエネルジー)がアタックし、ヨアン・オフレド(ワンティ・グループゴベール)が合流して4人の逃げグループを作った。
この4人は、全員ツール初出場だった。彼らは15km地点で集団に3分20秒差を付けたが、集団ゴールスプリントを目指す集団は大差を許さなかった。レース後半にドイツからベルギーへと越境すると、一時雨脚が激しくなった。
ゴールまで残り30kmの曲がりくねった道で、集団の先頭から3番目を走っていたチームカチューシャ・アルペシンの選手が滑って転倒し、大勢の選手が巻き込まれてしまった。その中には、クリストファー・フルーム(チームスカイ)とロマン・バルデ(AG2R・ラモンディアル)も含まれていたが、2人はチームメートの働きで、すぐ集団に戻ることができした。
この日、2カ所あったカテゴリー4の丘はフィニーが先頭で通過し、今年最初の山岳賞ジャージを獲得した。ゴールまで残り20kmの2つ目の丘で集団と逃げのタイム差は30秒になり、山岳ポイントを先頭で通過したフィニーはそのまま抜け出す作戦に出た。
そこにクラシックを得意とするフランスのオフレドが合流。2人でゴールを目指したが、健闘虚しく残り1kmのフラム・ルージュの手前で集団に飲み込まれてしまった。しかし、初出場したベルギーチームのワンティ・グループゴベールに所属するオフレドは敢闘賞を獲得し、リエージュの表彰台に上がる栄誉を得られた。
このステージは前日の個人タイムトライアルで落車して負傷した選手たちには試練の一日となり、スタートしてすぐにルーク・ダーブリッジ(オリカ・スコット)がリタイアした。そして終盤に集団ゴールスプリントに向けて加速する集団から多くの選手が脱落。フランスのトニー・ガロパン(ロット・スーダル)もその一人だった。
最後は雨も上がり、ベルギーの大観衆が見守る中で集団ゴールスプリントが競われ、キッテルが両手を上げてフィニッシュラインに飛び込んだ。彼は歓喜のあまり、しばらくフィニッシュ地点に座り込んで涙を流していた。
■ツール・ド・フランスで通算10勝目を上げたキッテルのコメント
「この勝利を得られてスーパーハッピーだ。あんなに大勢の人たちに見送られてのドイツからのスタートは信じられなかった。期待もプレッシャーもなかったと言えば嘘になる。僕は本当にこの勝利がほしかったんだ。
ドイツからスタートするこのステージの最後に勝つのは大きな目標だった。計画通りには行かなかった。僕はとても遅れていた。ホイールからホイールへとジャンプして、自分自身の進路を行く必要があったけど、それをやり遂げた。素晴らしいよ」
■第2ステージ結果[7月2日/デュッセルドルフ(ドイツ)〜リエージュ(ベルギー)/203.5km]
1 マルセル・キッテル(クイックステップフロアーズ/ドイツ)4時間37分06秒
2 アルノー・デマール(FDJ/フランス)
3 アンドレ・グライペル(ロット・スーダル/ドイツ)
4 マーク・カヴェンディッシュ(チームディメンションデータ/英国)
5 ディラン・フルーネウェーヘン(チームロットNL・ユンボ/オランダ)
6 ソンニ・コルブレッリ(バーレーン・メリダ/イタリア)
7 ベン・スウィフト(UAE・チームエミレーツ(/英国)
8 ナセル・ブアニ(コフィディス/フランス)
9 マイケル・マシューズ(チームサンウェブ/オーストラリア)
10 ペテル・サガン(ボーラ・ハンスグローエ/スロバキア)
23 新城幸也(バーレーン・メリダ/日本)
■第2ステージまでの総合成績(マイヨ・ジョーヌ)
1 ゲラント・トーマス(チームスカイ/英国)4時間53分10秒
2 シュテファン・キュンク(BMCレーシングチーム/スイス)+5秒
3 マルセル・キッテル(クイックステップフロアーズ/ドイツ)+6秒
4 ヴァシル・キリエンカ(チームスカイ/ベラルーシ)+7秒
5 マッテーオ・トレンティン(クイックステップフロアーズ/イタリア)+10秒
6 クリストファー・フルーム(チームスカイ/英国)+12秒
7 ヨス・ファンエムデン(チームロットNL・ユンボ/オランダ)+15秒
8 ミハウ・クフィアトコフスキー(チームスカイ/ポーランド)+15秒
9 エドワルド・ボアッソンハーゲン(チームディメンションデータ/ノルウェー)+16秒
10 ニキアス・アルント(チームサンウェブ/ドイツ)+16秒
146 新城幸也(バーレーン・メリダ/日本)+1分46秒
[各賞]
■ポイント賞(マイヨ・ベール):マルセル・キッテル(クイックステップフロアーズ/ドイツ)
■山岳賞(マイヨ・アポワ):タイラー・フィニー(キャノンデール・ドラパック/米国)
■新人賞(マイヨ・ブラン):シュテファン・キュンク(BMCレーシングチーム/スイス)
■チーム成績:チームスカイ(英国)
■敢闘賞:ヨアン・オフレド(ワンティ・グループゴベール/フランス)
(http://www.letour.fr/le-tour/2017/us/classifications.html)
7月3日はベルギーのベルビエールをスタートし、ルクセンブルクを横切り、北フランスのロンウィにゴールする212.5kmの第3ステージが行われる。ベルビエールはフィリップ・ジルベール(クイックステップフロアーズ)が生まれた町だ。
ロンウィのゴールは全長1.6kmでカテゴリー3のレリジューズの丘にある。平均勾配は5.8%。この丘越えステージをジルベールが狙ってこないはずはない。