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ツール・ド・フランス第4ステージは2度の落車が発生したゴールスプリントでデマールが初優勝(updated)
レース
2017.07.05
第104回ツール・ド・フランス(UCIワールドツアー)は、7月4日にルクセンブルクのモンドルフ・レ・バンからフランスのビッテルまでの207.5kmで平坦な第4ステージを競い、最後は集団ゴールスプリントになったが、フラム・ルージュ手前の落車で先頭は20人ほどになった。
その小さな集団で競われたスプリントで、英国のマーク・カヴェンディッシュ(チームディメンションデータ)が右側のフェンスに激突する事故が発生するなか、フランスチャンピオンのアルノー・デマール(エフデジ)が先頭に出て、念願のツール初優勝を手中に収めた。
フランス人選手がスプリントで優勝したのは、2006年にストラスブールでジミー・カスペが勝って以来だった。デマールはこの日の区間優勝でポイント賞総合でも首位に立ち、マイヨ・ベールを獲得した。
この日、総合リーダーのマイヨ・ジョーヌを着ていた英国のゲラント・トーマス(チームスカイ)は、フラム・ルージュ手前の落車に巻き込まれて遅れたが、3kmルールが適用され、総合首位の座を守った。
第4ステージは195選手が出走。オフィシャルスタートと同時にベルギーのギヨーム・ヴァンケイスブルク(ワンティ・グループゴベール)がアタックしたが、誰も合流せず、長い1人旅が始まった。
ヴァンケイスブルクは59km地点でチームスカイがコントロールする集団に最大13分以上のタイム差を付けたが、皮肉にもベルギーのクイックステップフロアーズとロット・スーダルが仕事を開始し、タイム差はそれ以上開かなかった。
FDJやコフィディスも仕事に加わり、ゴールまで残り100kmでヴァンケイスブルクのアドバンテージは6分20秒にまで減っていた。157.5km地点の中間スプリント地点では、ヴァンケイスブルクの通過後に集団で2位争いのスプリントが行われ、デマールが先頭で通過した。この時点でヴァンケイスブルクとのタイム差は2分40秒だった。
190kmを独走で逃げ続けたヴァンケイスブルクは、ゴールまで残り17kmで集団に吸収されたが、敢闘賞を獲得した。ツール初出場のワンティ・グループゴベールは、第2ステージでフランスのヨアン・オフレドも敢闘賞を獲得していて、これが2度目の受賞となった。
ビッテルのゴールが近づき、集団の先頭はカチューシャやチームディメンションデータが引き、フラム・ルージュへと近づいた。そこで最初の落車が発生し、集団が分断。先頭は20人ほどになってフラム・ルージュを通過した。区間2勝目を狙っていたマルセル・キッテル(クイックステップフロアーズ)はこの落車で遅れてしまった。
最後はロット・スーダルが引いた後、アレクサンダー・クリストフ(チームカチューシャ・アルペシン)が前に出てたが、すぐ後ろにフランスチャンピオンのデマールが付いていた。
そのすぐ後方で、世界チャンピオンのペテル・サガン(ボーラ・ハンスグローエ)が、カヴェンディッシュを落車させる事故が発生したが、デマールのスプリントには影響しなかった。彼はクリストフの後方から飛び出して、両手を上げてフィニッシュラインを通過した。
レース終了後、審判は区間2位に入った世界チャンピオンのサガンを降格処分にした後、その判定を変えて失格処分にしている。
■ツールで念願の区間優勝を果たした25歳のデマールのコメント
「みんながツール・ド・フランスの区間で勝つのを夢見ている。僕はそれがミラノ〜サンレモで勝つのと同じくらいだと評価しているが、一般の人たちはツール・ド・フランスしか知らないんだ。だから今日得たのは大きな勝利だ」
■第4ステージ結果[7月4日/モンドルフ・レ・バン(ルクセンブルク)〜ビッテル/207.5km]
1 アルノー・デマール(FDJ/フランス)4時間53分54秒
2 アレクサンダー・クリストフ(チームカチューシャ・アルペシン/ノルウエー)
3 アンドレ・グライペル(ロット・スーダル/ドイツ)
4 ナセル・ブアニ(コフィディス/フランス)
5 アドリアン・プティ(ディレクトエネルジー/フランス)
6 ユルヘン・ルーランツ(ロット・スーダル/ベルギー)
7 マイケル・マシューズ(チームサンウェブ/オーストラリア)
8 マヌエーレ・モーリ(UAE・チームエミレーツ/イタリア)
9 ティシュ・べノート(ロット・スーダル/ベルギー)
10 ズデニェック・シュティバル(クイックステップフロアーズ/チェコ)
53 新城幸也(バーレーン・メリダ/日本)
DQ ペテル・サガン(ボーラ・ハンスグローエ/スロバキア)*失格
■第4ステージまでの総合成績(マイヨ・ジョーヌ)
1 ゲラント・トーマス(チームスカイ/英国)14時間54分25秒
2 クリストファー・フルーム(チームスカイ/英国)+12秒
3 マイケル・マシューズ(チームサンウェブ/オーストラリア)+12秒
4 エドワルド・ボアッソンハーゲン(チームディメンションデータ/ノルウェー)+16秒
5 ピエール・ラトゥール(AG2R・ラモンディアル/フランス)+25秒
6 フィリップ・ジルベール(クイックステップフロアーズ/ベルギー)+30秒
7 ミハウ・クフィアトコフスキー(チームスカイ/ポーランド)+32秒
8 ティム・ウェレンス(ロット・スーダル/ベルギー)+32秒
9 アルノー・デマール(FDJ/フランス)+33秒
10 ニキアス・アルント(チームサンウェブ/ドイツ)+34秒
101 新城幸也(バーレーン・メリダ/日本)+3分21秒
[各賞]
■ポイント賞(マイヨ・ベール):アルノー・デマール(FDJ/フランス)
■山岳賞(マイヨ・アポワ):ネイサン・ブラウン(キャノンデール・ドラパック)
■新人賞(マイヨ・ブラン):ピエール・ラトゥール(AG2R・ラモンディアル/フランス)
■チーム成績:チームスカイ(英国)
■敢闘賞:ギヨーム・ヴァンケイスブルク(ワンティ・グループゴベール/ベルギー)
(http://www.letour.fr/le-tour/2017/us/)
第5ステージはカテゴリー1のラ・プランシュ・デ・ベル・フィーユ山頂ゴール!
今年のツール・ド・フランスは、大会5日目で早くもカテゴリー1の頂上ゴールが設定された。7月5日はビッテルから標高1035メートルでカテゴリー1のラ・プランシュ・デ・ベル・フィーユ山頂までの160.5kmで第5ステージが行われる。
ラ・プランシュ・デ・ベル・フィーユは全長5.9km、平均勾配は8.5%だが、ゴール目前に20%の難所がある。2012年に第7ステージのゴールだった時には、英国のクリストファー・フルーム(チームスカイ)が区間優勝。2014年に第10ステージのゴールだった時には、イタリアのビンチェンツォ・ニーバリ(バーレーン・メリダ)が区間優勝した。
ラ・プランシュ・デ・ベル・フィーユは全長5.9km、平均勾配は8.5%だが、ゴール目前に20%の難所がある。2012年に第7ステージのゴールだった時には、英国のクリストファー・フルーム(チームスカイ)が区間優勝。2014年に第10ステージのゴールだった時には、イタリアのビンチェンツォ・ニーバリ(バーレーン・メリダ)が区間優勝した。