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頂上ゴールのツール・ド・フランス第5ステージでイタリアチャンピオンのアルーが区間初優勝、マイヨ・ジョーヌはフルーム

レース
photo : TDW/BettiniPhoto©2017
photo : TDW/BettiniPhoto©2017
 
第104回ツール・ド・フランス(UCIワールドツアー)は、7月5日にビッテルからカテゴリー1のラ・プランシュ・デ・ベル・フィーユ山頂までの160.5kmで第5ステージを競い、イタリアチャンピオンのファビオ・アルー(アスタナプロチーム)が、ゴール手前2.4kmから単独アタックを決めて区間初優勝した。

ディフェンディングチャンピオンのクリストファー・フルーム(チームスカイ)は20秒遅れの区間3位でゴールし、チームメートのゲラント・トーマス(チームスカイ)からマイヨ・ジョーヌを引き継いだ。

 
 

 
MAP : ASO
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第5ステージは193選手が出走。前日のゴールスプリントで落車した英国のマーク・カヴェンディッシュ(チームディメンションデータ)は、右肩甲骨の骨折で出走できなかった。快晴で気温は27度C。

オフィシャルスタートの合図でアタックしたのは、今季で引退すると表明し、これが最後のツール出場になる地元フランスのトマ・ヴォクレール(ディレクトエネルジー)だった。

フィリップ・ジルベール(クイックステップフロアーズ)、ヤン・バークランツ(AG2R・ラモンディアル)、トーマス・デヘント(ロット・スーダル)のベルギートリオと、フランスのミカエル・ドラージュ(エフデジ)とピエールリュック・ペリション(チームフォルテュネオ・オスカロ)、ノルウエーのエドワルド・ボアッソンハーゲン(チームディメンションデータ)、オランダのディラン・ファンバールレ(キャノンデール・ドラパック)がヴォクレールとともにアタックし、8人の逃げになった。

30km地点で逃げは3分半のタイム差を付け、集団はBMCレーシングチームが引き始めた。102.5kmの中間スプリントポイントで、タイム差は2分に縮まっていた。

後半戦に入り、カテゴリー3の登坂が始まるとドラージュとデヘントが脱落し、先頭は6人になった。ゴールまで残り30kmでタイム差は2分半、集団は変わらずBMCレーシングチームが引いていた。

ゴールまで残り14kmで、この日が誕生日のジルベールが逃げからアタック。バークランツが合流し、2人でゴールを目指した。しかし、ゴールまで残り5.9kmのラ・プランシュ・デ・ベル・フィーユのふもとに到着したとき、チームスカイが仕事を始めたメイン集団とのタイム差は1分を切っていた。

最後の登坂が始まってすぐに、メイン集団から早くもフランスのティボ・ピノー(エフデジ)が遅れ始めた。ジルベールとバークランツのベルギーデュオは残り3.8kmで集団に吸収されたが、ジルベールは敢闘賞を獲得した。

先頭は6人のチームスカイ軍団が引き、メイン集団はみるみる小さくなっていった。そこから山頂まで残り2.4kmで、イタリアチャンピオンのアルーが弾丸のように飛び出したが、誰も付いて行けなかった。後方ではオランダのバウケ・モレマやマイヨ・ブランを着たピエール・ラトゥール(AG2R・ラモンディアル)が遅れていた。

ゴールまで残り1.7kmで、イタリアチャンピオンはライバルたちに15秒差を付けて先頭を走り続けていた。ここでフルームが脚試しのように加速すると、付いて来たのはリッチー・ポート(BMCレーシングチーム)、ダニエル・マーティン(クイックステップフロアーズ)、ロマン・バルデ(AG2R・ラモンディアル)だけで、ナイロ・キンタナ(モビスターチーム)やアルベルト・コンタドール(トレック・セガフレード)は遅れてしまった。

残り1kmのフラム・ルージュでアルーのアドバンテージはまだ15秒あった。彼はゴールまでの20%の難所を逃げ切り、独走で念願のツール区間初優勝を上げた。ラ・プランシュ・デ・ベル・フィーユでは、2014年に勝ったビンチェンツォ・ニバリ(バーレーン・メリダ)もイタリアチャンピオンジャージを着ていた。

後方では残り1kmでフルームのグループに後続の選手が追いついた。最後はマーティンが飛び出して区間2位でゴール。フルームは3位に入り、わずかなボーナスタイムを稼いだ。


■ツールで念願の区間初優勝を果たしたアルーのコメント
「この数カ月はつらい時期を過ごしたけど、その後ツール・ド・フランスの区間で勝つのは素晴らしいことだ。それは僕のキャリアに欠けていたものだった。サルデーニャ島でスタートしたジロを走れなくしたケガの後で自転車に乗り始めた時、ツールのことを考えると笑顔になれたんだ。

ラ・プランシュ・デ・ベル・フィーユは上ったことがなかった。フルームが勝った2012年と、ニバリが勝った2014年のビデオを観た。それで残り3kmでのアタックを決めたんだ」


■早くもマイヨ・ジョーヌを獲得したフルームのコメント
「またマイヨ・ジョーヌでいられるのは信じられないよ。レースはまだ先が長い。主催者はよりオープンなレースを望んでいて、この大会はそうだ。今日のステージはみんながどんな調子か垣間見ることができる。ボクが動いた時、ポート、バルデ、マーティンがボクに付いてきた。アルーは前にいたから、彼も調子がいいことを示している。彼は最後のキックの前に、攻撃する正しい瞬間を選択した。多分ボクたちは彼にあまりに十分な差を与えてしまった」


 
photo : Luca Bettini/BettiniPhoto©2017
photo : Luca Bettini/BettiniPhoto©2017
 
■第5ステージ結果[7月5日/ビッテル〜ラ・プランシュ・デ・ベル・フィーユ/160.5km]

1 ファビオ・アルー(アスタナプロチーム/イタリア)3時間44分06秒
2 ダニエル・マーティン(クイックステップフロアーズ/アイルランド)+16秒
3 クリストファー・フルーム(チームスカイ/英国)+20秒
4 リッチー・ポート(BMCレーシングチーム/オーストラリア)+20秒
5 ロマン・バルデ(AG2R・ラモンディアル/フランス)+24秒
6 サイモン・イエーツ(オリカ・スコット/英国)+26秒
7 リゴベルト・ウラン(キャノンデール・ドラパック/コロンビア)+26秒
8 アルベルト・コンタドール(トレック・セガフレード/スペイン)+26秒 
9 ナイロ・キンタナ(モビスターチーム/コロンビア)+34秒
10 ゲラント・トーマス(チームスカイ/英国)+40秒
12 ラファウ・マイカ(ボーラ・ハンスグローエ/ポーランド)+40秒
31 エステバン・チャベス(オリカ・スコット/コロンビア)+1分59秒
52 ティボ・ピノー(FDJ/フランス)+4分11秒
111 新城幸也(バーレーン・メリダ/日本)+11分11秒
■第5ステージまでの総合成績(マイヨ・ジョーヌ)
1 クリストファー・フルーム(チームスカイ/英国)18時間38分59秒
2 ゲラント・トーマス(チームスカイ/英国)+12秒
3 ファビオ・アルー(アスタナプロチーム/イタリア)+14秒
4 ダニエル・マーティン(クイックステップフロアーズ/アイルランド)+25秒
5 リッチー・ポート(BMCレーシングチーム/オーストラリア)+39秒
6 サイモン・イエーツ(オリカ・スコット/英国)+43秒
7 ロマン・バルデ(AG2R・ラモンディアル/フランス)+47秒
8 アルベルト・コンタドール(トレック・セガフレード/スペイン)+52秒 
9 ナイロ・キンタナ(モビスターチーム/コロンビア)+54秒
10 ラファウ・マイカ(ボーラ・ハンスグローエ/ポーランド)+1分01秒
11 リゴベルト・ウラン(キャノンデール・ドラパック/コロンビア)+1分01秒
30 エステバン・チャベス(オリカ・スコット/コロンビア)+2分44秒
58 ティボ・ピノー(FDJ/フランス)+7分38秒
103 新城幸也(バーレーン・メリダ/日本)+14分04秒
[各賞]
■ポイント賞(マイヨ・ベール):アルノー・デマール(FDJ/フランス)
■山岳賞(マイヨ・アポワ):ファビオ・アルー(アスタナプロチーム/イタリア)
■新人賞(マイヨ・ブラン):サイモン・イエーツ(オリカ・スコット/英国)
■チーム成績:チームスカイ(英国)
■敢闘賞:フィリップ・ジルベール(クイックステップフロアーズ/ベルギー)
(http://www.letour.fr/le-tour/2017/us/)
 
 


7月6日はブズールからトロワまでの216kmで、平坦な第6ステージが行われる。
 
 
MAP : GEOATRAS / ASO
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MAP : ASO
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第5ステージのハイライト映像


Summary - Stage 5 - Tour de France 2017 投稿者 tourdefrance_en