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ツール・ド・フランス第7ステージは写真判定でキッテルが3勝目を上げてマイヨ・ベール獲得

レース

第104回ツール・ド・フランス(UCIワールドツアー)は、7月7日にトロワからニュイ・サン・ジョルジュまでの213.5kmで第7ステージを競い、最後は集団ゴールスプリントに持ち込まれ、ドイツのマルセル・キッテル(クイックステップフロアーズ)が、写真判定でノルウエーのエドワルド・ボアッソンハーゲン(チームディメンションデータ)を下し、今大会3勝目を上げた。

写真を肉眼で見ても判別できない2人の差は0.0003秒、わずか6mmだったと発表されている。


この日ポイント賞総合首位のマイヨ・ベールを着ていたフランスチャンピオンのアルノー・デマール(エフデジ)は区間11位でゴール。ポイント賞はキッテルが総合1位に返り咲き、マイヨ・ベールを取り戻した。

総合上位に変動はなく、マイヨ・ジョーヌは英国のクリストファー・フルーム(チームスカイ)が守った。

 

 
MAP : ASO
MAP : ASO
第7ステージは193選手が出走。晴れて気温は30度Cだった。スタートしてすぐにフランスのマキシム・ブエ(フチームフォルテュネオ・オスカロ)がアタックし、マヌエーレ・モーリ(UAE・チームエミレーツ)、ヨアン・ジェヌ(ディレクトエネルジー)、ディラン・ファンバールレ(キャノンデール・ドラパック)が加わってこの日の逃げを作った。

週末に山岳ステージを控えた集団に追う気配はなく、4人は3kmで1分45秒差を付け、40km地点で3分差になった。しかし、ゴールスプリントに持ち込みたいチームが大差を付けることは許さず、集団をコントロールして3分〜4分差を保った。

108km地点の中間スプリントはモーリが1位を取った。集団は1分40秒後にソンニ・コルブレッリ(バーレーン・メリダ)を先頭に通過した。この日1カ所だけあったカテゴリー4の山岳ポイントはブエが先頭で通過した。ゴールまで残り50kmで、ロット・スーダルとコフィディスがコントロールする集団と逃げのタイム差は2分25秒だった。

ゴールが近づくにつれて集団はその差はじりじりと縮めていったが、残り30kmで1分を切った後は一旦落ち着き、4人を泳がしていた。そして残り15kmを切ってクイックステップフロアーズが集団の先頭を引き始め、その差をいっきにつめて行った。

4人も抵抗を続けたが、6km地点でチームカチューシャ・アルペシンが引く集団に吸収された。この日の敢闘賞は、これが第5ステージにつづいて2度目の逃げだったオランダのファンバールレが獲得した。
 
 
photo : TDW/BettiniPhoto©2017
photo : TDW/BettiniPhoto©2017


残り3.6km、ゴールに向かって加速する集団の前方で、犬猿の仲のデマールとナセル・ブアニ(コフィディス)が軽くぶつかり合うシーンがあったが、大事には至らなかった。ゴール後、2人は審判から罰金を課された。

ゴールまで2kmを切って、リトアニアチャンピオンのイグナタス・コノヴァロヴァス(FDJ)が先頭を引き続けたあと、集団の先頭にはチームディメンションデータとクイックステップフロアーズが出てフラム・ルージュを通過した。

最後はチームディメンションデータが列車を作り、残り150メートルでスパートして先頭に立ったボアッソンハーゲンが勝ったと思われたのだが、その後方から上がってきたキッテルがフィニッシュラインで車体を投げ出し、ボアッソンハーゲンと並んでゴールした。

あまにも僅差のゴールだったため写真判定にも時間がかかり、数分後にキッテルが勝者として呼び上げられた。これでキッテルはツールの通算区間優勝数が12勝になり、ドイツの大先輩エリック・ツァーベルの記録に並んだ。



■写真判定で今大会3勝目を上げたキッテルのコメント
「フィニッシュラインを通過したとき、自分が勝ったかどうか全くわからなかった。フィニッシュの前に、僅差になることはわかっていた。残り150メートルで、まだ200メートルだと思っていたんだ。でも、幸運にも右側の扉が空いていて、ボアッソンハーゲンを追い越すことが出来た。

ツールで12勝に到達するのは信じられないような成功だ。僕は絶好調だ。スーパーハッピーだよ。リードアウトは最高だった。まったくクレイジーだ。もう今年のツールで3勝したんだ。とても満足しているよ」
 
 
 
 
■第7ステージ結果[7月7日/トロワ〜ニュイ・サン・ジョルジュ/213.5km]

1 マルセル・キッテル(クイックステップフロアーズ/ドイツ)5時間03分18秒
2 エドワルド・ボアッソンハーゲン(チームディメンションデータ/ノルウェー)
3 マイケル・マシューズ(チームサンウェブ/オーストラリア)
4 アレクサンダー・クリストフ(チームカチューシャ・アルペシン/ノルウエー)
5 ジョン・デゲンコルプ(トレック・セガフレード/ドイツ)
6 ディラン・フルーネウェーヘン(チームロットNL・ユンボ/オランダ)
7 リュディゲル・ゼーリッヒ(ボーラ・ハンスグローエ/ドイツ)
8 ナセル・ブアニ(コフィディス/フランス)
9 アンドレ・グライペル(ロット・スーダル/ドイツ)
10 ダニエル・マクレー(チームフォルテュネオ・オスカロ/英国)
11 アルノー・デマール(FDJ/フランス)
42 新城幸也(バーレーン・メリダ/日本)
■第7ステージまでの総合成績(マイヨ・ジョーヌ)
1 クリストファー・フルーム(チームスカイ/英国)28時間47分51秒
2 ゲラント・トーマス(チームスカイ/英国)+12秒
3 ファビオ・アルー(アスタナプロチーム/イタリア)+14秒
4 ダニエル・マーティン(クイックステップフロアーズ/アイルランド)+25秒
5 リッチー・ポート(BMCレーシングチーム/オーストラリア)+39秒
6 サイモン・イエーツ(オリカ・スコット/英国)+43秒
7 ロマン・バルデ(AG2R・ラモンディアル/フランス)+47秒
8 アルベルト・コンタドール(トレック・セガフレード/スペイン)+52秒 
9 ナイロ・キンタナ(モビスターチーム/コロンビア)+54秒
10 ラファウ・マイカ(ボーラ・ハンスグローエ/ポーランド)+1分01秒
97 新城幸也(バーレーン・メリダ/日本)+14分56秒
[各賞]
■ポイント賞(マイヨ・ベール):マルセル・キッテル(クイックステップフロアーズ/ドイツ)
■山岳賞(マイヨ・アポワ):ファビオ・アルー(アスタナプロチーム/イタリア)
■新人賞(マイヨ・ブラン):サイモン・イエーツ(オリカ・スコット/英国)
■チーム成績:チームスカイ(英国)
■敢闘賞:ディラン・ファンバールレ(キャノンデール・ドラパック/オランダ)
(http://www.letour.fr/le-tour/2017/us/)
 
 
MAP : GEOATRAS / ASO
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MAP : ASO
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7月8日はドルからスタシオン・デ・ルスまでの187.5kmで、カテゴリーの付いた峠を3カ所越える第8ステージが行われる。終盤は全長11.7kmでカテゴリー1のコート・ド・ラ・コンブ・レジア・レ・モルヌを越えた後、スキー場のルスまでなだらかな12kmを疾走するレイアウトだ。
 
 

第7ステージのハイライト映像


Summary - Stage 7 - Tour de France 2017 投稿者 tourdefrance_en