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強風に見舞われたツール・ド・フランス第16ステージはマシューズが今大会2勝目をマーク
レース
2017.07.19
第104回ツール・ド・フランス(UCIワールドツアー)は、7月18日にル・ピュイ・アン・ブレからロマン・シュル・イゼールまでの165kmで第16ステージを競い、強風の影響で集団は終盤に分断。30人の先頭集団でゴールスプリントが競われ、オーストラリアのマイケル・マシューズ(チームサンウェブ)が区間2勝目を上げた。
マイヨ・ジョーヌを着た英国のクリストファー・フルーム(チームスカイ)は先頭集団でゴールし、総合首位の座を守った。
総合上位では、アイルランドのダニエル・マーティン(クイックステップフロアーズ)と南アフリカのルイ・メインティス(UAE・チームエミレーツ)が、集団分裂が起きた際に先頭集団へ入ることができず、51秒遅れでゴール。マーティンは総合成績が2分3秒遅れになって5位から7位へ後退、メインティスは総合8位のままだが、フルームとのタイム差が6分になった。
スペインのアルベルト・コンタドール(トレック・セガフレード)もこの集団分裂で1分33秒遅れてゴールし、総合9位から11位に落ちてしまった。
スタートしてすぐにカテゴリー3の上りが始まり、アタックと吸収が繰り返された。集団はチームサンウェブが引き、マイヨ・ベールのマルセル・キッテル(クイックステップフロアーズ)は序盤に集団から遅れ、40人ほどのグループでゴールを目指した。
この日、スタートからアタックをかけ続けていた地元フランスのシルヴァン・シャヴァネル(ディレクトエネルジー)は40km地点で一時先頭を独走したが、44.5km地点で捕まってしまった。しかし、彼は序盤の活躍でこの日の敢闘賞を獲得している。
集団では総合12位に付けていたジョーシ・ベネット(チームロットNL・ユンボ)が序盤から遅れ、そのままレースを棄権した。
65km地点のカテゴリー4の丘で、キッテルのグループと集団のタイム差は1分50秒になり、ナセル・ブアニ(コフィディス)はチームメートのジュリアン・シモンの助けを借りて、メイン集団への復帰を試みた。彼は50分間追走を続け、ゴールまで残り50kmでメイン集団に合流できた。
121.5kmの中間スプリントはマシューズが先頭で通過し、20ポイント獲得した。横風が吹き付けるエリアで落車が発生し、セルジュ・パウエルス(チームディメンションデータ)が巻き込まれたが、チームメートのスティーブン・カミングスの働きのお陰で、ゴールまで残り31kmで集団に復帰できた。
強風でメイン集団が分断!
終盤にローヌ渓谷の強い風が吹き荒れる中、チームスカイが先頭を引き続け、ゴールまで残り15.5kmで集団が分断。先頭はマイヨ・ジョーヌのフルームを含めた30人ほどになっていた。
この日は風で集団が分断することはあらかじめ予期されていたため、総合を争う選手はほとんど先頭集団に入っていたが、マーティン、メインティス、コンタドールは遅れてしまった。
風のレースが得意なクイックステップフロアーズは、この日ジルベールが出走しておらず、ジュリアン・ブルモートとズデネク・シュティバルは後方のキッテルに付いていて、マーティンのアシストはジャック・バウアーしか残っていなかった。ゴールまで残り12kmで、マーティンの集団は25秒遅れていた。
分断が起きた時に、集団ではハーリンソン・パンタノ(トレック・セガフレード)が転倒したが、無事レースに復帰した。
先頭集団はベルギーチャンピオンのオリベル・ナーセン(AG2R・ラモンディアル)やチームサンウェブ、モビスター、BMCレーシングチームが引き続け、後続とのタイム差を確実に広げていった。ゴールまで残り4kmで、マーティンのグループは32秒、コンタドールは1分以上遅れていた。
ゴールまで残り2.2kmで、先頭集団からはダニエーレ・ベンナーティ(モビスターチーム)がアタックして先行したが、チームサンウェブは彼を逃しはしなかった。ゴールまで残り600メートルを切ってベンナーティが吸収された後、カーブでベルギーのグレッグ・バンアーベルマート(BMCレーシングチーム)が先頭に立った。
バンアーベルマートは残り400メートルのロングスパートを試みたが、平坦なホームストレートでは無意味だった。最後は彼の後方からスパートしたマシューズ、ジョン・デゲンコルプ(トレック・セガフレード)、エドワルド・ボアッソンハーゲン(チームディメンションデータ)のスプリント勝負になり、写真判定でマシューズに軍配が上がった。
最後のスプリントでマシューズに寄せられたデゲンコルプは、フィニッシュライン通過後に手を上げて抗議したが、マシューズは降格にはならなかった。
区間優勝したマシューズは30ポイントも獲得。中間スプリントと合わせて第16ステージで50ポイントを稼ぎ、ポイント賞総合成績で1位のキッテルとの差を29ポイントにまで縮めることができた。
■今大会2勝目を上げたマシューズのコメント
「実感はないよ。今朝、チームで目標を立てたけど、それは中間スプリントを取る努力をすることだった。逃げに加わるにせよ、キッテルにいくらかの差を付けるにせよ、こんなに上手く行くようには計画していなかった。今日、キッテルは最初の上りで遅れるのは間違いなかったので、それを利用できた。
ゴールのために、いい脚を残しておきたいと思っていた。僕はまだ3人の仲間から全面的に助けてもらっていた。1日中自分のために走ってくれるチームがあって、ずっと風よけになってくれたら、他に何が望めるだろう。チームスピリットは素晴らしいよ」
この日は風で集団が分断することはあらかじめ予期されていたため、総合を争う選手はほとんど先頭集団に入っていたが、マーティン、メインティス、コンタドールは遅れてしまった。
風のレースが得意なクイックステップフロアーズは、この日ジルベールが出走しておらず、ジュリアン・ブルモートとズデネク・シュティバルは後方のキッテルに付いていて、マーティンのアシストはジャック・バウアーしか残っていなかった。ゴールまで残り12kmで、マーティンの集団は25秒遅れていた。
分断が起きた時に、集団ではハーリンソン・パンタノ(トレック・セガフレード)が転倒したが、無事レースに復帰した。
先頭集団はベルギーチャンピオンのオリベル・ナーセン(AG2R・ラモンディアル)やチームサンウェブ、モビスター、BMCレーシングチームが引き続け、後続とのタイム差を確実に広げていった。ゴールまで残り4kmで、マーティンのグループは32秒、コンタドールは1分以上遅れていた。
ゴールまで残り2.2kmで、先頭集団からはダニエーレ・ベンナーティ(モビスターチーム)がアタックして先行したが、チームサンウェブは彼を逃しはしなかった。ゴールまで残り600メートルを切ってベンナーティが吸収された後、カーブでベルギーのグレッグ・バンアーベルマート(BMCレーシングチーム)が先頭に立った。
バンアーベルマートは残り400メートルのロングスパートを試みたが、平坦なホームストレートでは無意味だった。最後は彼の後方からスパートしたマシューズ、ジョン・デゲンコルプ(トレック・セガフレード)、エドワルド・ボアッソンハーゲン(チームディメンションデータ)のスプリント勝負になり、写真判定でマシューズに軍配が上がった。
最後のスプリントでマシューズに寄せられたデゲンコルプは、フィニッシュライン通過後に手を上げて抗議したが、マシューズは降格にはならなかった。
区間優勝したマシューズは30ポイントも獲得。中間スプリントと合わせて第16ステージで50ポイントを稼ぎ、ポイント賞総合成績で1位のキッテルとの差を29ポイントにまで縮めることができた。
■今大会2勝目を上げたマシューズのコメント
「実感はないよ。今朝、チームで目標を立てたけど、それは中間スプリントを取る努力をすることだった。逃げに加わるにせよ、キッテルにいくらかの差を付けるにせよ、こんなに上手く行くようには計画していなかった。今日、キッテルは最初の上りで遅れるのは間違いなかったので、それを利用できた。
ゴールのために、いい脚を残しておきたいと思っていた。僕はまだ3人の仲間から全面的に助けてもらっていた。1日中自分のために走ってくれるチームがあって、ずっと風よけになってくれたら、他に何が望めるだろう。チームスピリットは素晴らしいよ」
■第16ステージ結果[7月18日/ル・ピュイ・アン・ブレ〜ロマン・シュル・イゼール/165km]
1 マイケル・マシューズ(チームサンウェブ/オーストラリア)3時間38分15秒
2 エドワルド・ボアッソンハーゲン(チームディメンションデータ/ノルウェー)
3 ジョン・デゲンコルプ(トレック・セガフレード/ドイツ)
4 グレッグ・バンアーベルマート(BMCレーシングチーム/ベルギー)
5 クリストフ・ラポルト(コフィディス/フランス)
6 イェンス・クークレール(オリカ・スコット/ベルギー)
7 トニー・ガロパン(ロット・スーダル/フランス)
8 ティシュ・べノート(ロット・スーダル/ベルギー)
9 マチェイ・ボドナル(ボーラ・ハンスグローエ/ポーランド)
10 ロマン・アルディ(チームフォルテュネオ・オスカロ/フランス)
13 クリストファー・フルーム(チームスカイ/英国)
29 ルイ・メインティス(UAE・チームエミレーツ/南アフリカ)+51秒
31 ダニエル・マーティン(クイックステップフロアーズ/アイルランド)+51秒
45 新城幸也(バーレーン・メリダ/日本)+1分33秒
46 アルベルト・コンタドール(トレック・セガフレード/スペイン)+1分33秒
■第15ステージまでの総合成績(マイヨ・ジョーヌ)
1 クリストファー・フルーム(チームスカイ/英国)68時間18分36秒
2 ファビオ・アルー(アスタナプロチーム/イタリア)+18秒
3 ロマン・バルデ(AG2R・ラモンディアル/フランス)+23秒
4 リゴベルト・ウラン(キャノンデール・ドラパック/コロンビア)+29秒
5 ミケル・ランダ(チームスカイ/スペイン)+1分17秒
6 サイモン・イエーツ(オリカ・スコット/英国)+2分02秒
7 ダニエル・マーティン(クイックステップフロアーズ/アイルランド)+2分03秒
8 ルイ・メインティス(UAE・チームエミレーツ/南アフリカ)+6分00秒
9 ダミアーノ・カルーゾ(BMCレーシングチーム/イタリア)+6分05秒
10 ナイロ・キンタナ(モビスターチーム/コロンビア)+6分16秒
11 アルベルト・コンタドール(トレック・セガフレード/スペイン)+7分10秒
106 新城幸也(バーレーン・メリダ/日本)+2時間19分15秒
[各賞]
■ポイント賞(マイヨ・ベール):マルセル・キッテル(クイックステップフロアーズ/ドイツ)
■山岳賞(マイヨ・アポワ):ワレン・バルギル(チームサンウェブ/フランス)
■新人賞(マイヨ・ブラン):サイモン・イエーツ(オリカ・スコット/英国)
■チーム成績:チームスカイ(英国)
■敢闘賞:シルヴァン・シャヴァネル(ディレクトエネルジー/フランス)
[ポイント賞総合成績]
1 マルセル・キッテル(クイックステップフロアーズ/ドイツ)373pts
2 マイケル・マシューズ(チームサンウェブ/オーストラリア)344pts
3 アンドレ・グライペル(ロット・スーダル/ドイツ)204pts
(http://www.letour.fr/le-tour/2017/us/)
アルプス初日は今大会最高峰のガリビエ峠を越える
今年のツール・ド・フランスも残り5ステージ。7月19日、20日はアルプスで山岳2連戦が行われる。アルプス初日の第17ステージはラ・ミュールからセール・シュバリエまでの183kmで、4つの峠を越える。
最初のオルロン峠(カテゴリー2)を越えた後に中間スプリント地点が設定されているので、マシューズはトップ通過を狙ってくるにちがいない。しかし、その後に続くのは標高2067メートルでカテゴリー超級のクロワ・ド・フェール峠だ。
後半は標高1566メートルでカテゴリー1のテレグラフ峠を越えた後、標高2642メートルで今年最高峰のガリビエ峠(カテゴリー超級)に挑む。ガリビエ峠は全長17.7kmで、平均勾配は6.9%だ。しかし、ゴールは山頂ではなく、峠を下った先にある。