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ツール・ド・フランス第19ステージはボアッソンハーゲンがやっと区間優勝!

レース
photo : Luca Bettini/BettiniPhoto©2017
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第104回ツール・ド・フランス(UCIワールドツアー)は、7月21日にアンブランからサロン・ド・プロバンスまでの222.5kmで、今年最長区間の第19ステージを競い、ノルウエーのエドワルド・ボアッソンハーゲン(チームディメンションデータ)が逃げ集団からロングアタックを決めて区間優勝した。

ボアッソンハーゲンがツールで区間優勝したのは、2011年以来、6年ぶりだった。彼は今年のツールで区間2位に2回、3位に2回なっていて、やっと勝利をつかむことができた。

英国のクリストファー・フルーム(チームスカイ)は12分27秒遅れのメイン集団でゴールし、マイヨ・ジョーヌを守った。今年のツールも残り2日。土曜日はいよいよ総合優勝を決する個人タイムトライアルが行われる。
 
 
photo : Luca Bettini/BettiniPhoto©2017
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MAP : ASO
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今年のツールで最長区間の第19ステージは169選手が出走。7月21日はベルギーの独立記念日で、オフィシャルスタートからベルギーのジュリアン・ブルモート(クイックステップフロアーズ)がアタックしてレースが始まった。

アタックと吸収が繰り返される激しい展開の後方で、ヒザを負傷していたチェコのオンドレイ・ツィンク(バーレーン・メリダ)がリタイア。アレクサンダー・クリストフ(チームカチューシャ・アルペシン)も集団から遅れてしまった。

26km地点にあった最初のカテゴリー3の峠でも逃げは決まらず、30km地点でメイン集団は1つだった。下りでエリー・ジェスベール(チームフォルテュネオ・オスカロ)とリリアン・カルメジャーヌ(ディレクトエネルジー)がアタックしたのをきっかけに、35km地点で20人の選手が集団から抜け出した。逃げは40km地点でメイン集団に3分差を付けていた。

20人の逃げ集団で総合成績が最も上位だったのはバウケ・モレマ(トレック・セガフレード)だったが、47分03秒遅れの総合20位だった。チームスカイがコントロールするメイン集団は、43km地点ですでに5分以上後方を走っていた。

後方ではオランダのティモ・ローセン(チームロットNL・ユンボ)がリタイアし、参加選手は167人になった。88km地点で、タイム差は8分にまで広がった。

136.5km地点の中間スプリントはベルギーのトマス・デヘント(ロット・スーダル)が1位で通過。この時点で、今年のツールのポイント賞総合1位はオーストラリアのマイケル・マシューズ(チームサンウェブ)に確定した。ゴールまで残り75kmでもタイム差はまだ8分15秒あった。

ゴールまで残り61kmの下りで、先頭の逃げ集団からベルギーのイェンス・クークレール(オリカ・スコット)がアタックして独走を試みたが、抜け駆けすることはできなかった。残り50kmで20人とメイン集団の差は8分半になっていた。

最後のカテゴリー3の峠で、逃げ集団からロマン・シカール(ディレクトエネルジー)とジェスベールがアタックし、ロベルト・キセルロウスキー(チームカチューシャ・アルペシン)が合流。ゴールまで残り45kmの山頂はシカールがトップで通過した。

しかし、下りで3人は捕まり、先頭はふたたび20人に戻った。ゴールまで残り35kmで、チームスカイがコントロールを続けるメイン集団とのタイム差は9分45秒だった。残り21kmで先頭集団からカルメジャーヌがアタックを試みたが失敗した。

ゴールまで残り19kmで、クークレールがふたたびアタックし、9選手が先行した。メンバーはヤン・バーケランツ(AG2R・ラモンディアル)、ダニエーレ・ベンナーティ(モビスターチーム)、ミヒャエル・アルバジーニとクークレール(オリカ・スコット)、ボアッソンハーゲン、デヘント、ニキアス・アルント(チームサンウェブ)、シルヴァン・シャヴァネル(ディレクトエネルジー)、ジェスベールだった。

残り10kmで先頭の9人は、後続に25秒差を付けていた。ここから区間優勝をかけた激しいアタック合戦がスタート。しかし、誰も抜け出せないまま運命を分けた残り3km地点のランドアバウトに突入した。

7選手が時計回りでランドアバウトを通過する中、アルントとボアッソンハーゲンは反時計回りでランドアバウトを抜け、わずかなリードを得た。そこからボアッソンハーゲンがスパートし、アルントを置いて単独トップに立った。後続は彼に追いつけず、ボアッソンハーゲンは大差を付けてフィニッシュラインを通過した。

今年のツールでボアッソンハーゲンは何度も集団ゴールスプリントを競い、第7ステージでは写真判定の末、わずか6mm差でマルセル・キッテル(クイックステップフロアーズ)に負けて2位になり、第16ステージでも写真判定でマシューズに負けていた。しかし、やっと勝てたボアッソンハーゲンは、これでツールの通算区間優勝数が3勝になった。

今年のツールで区間優勝のないベルギー勢は、ナショナルホリデーに記念すべき1勝を狙っていたが、クークレールの区間3位が最高位だった。それでも彼はこの日敢闘賞を獲得し、表彰台に上がることができた。
 
 
photo : Luca Bettini/BettiniPhoto©2017
photo : Luca Bettini/BettiniPhoto©2017


■今年のツールでやっと勝てたボアッソンハーゲンのコメント
「今朝、僕たちはゴールのビデオを観て、(ランドアバウトの)右側に行くように指示されていた。その方が短かったんだ。誰もが左に行ったけど、アルントだけは行かなかった。それが抜け出す的確な瞬間だった。アルントは付いてこられなかったから、僕はエンジン全開で行った。

スプリントは待ちたくなかった。もう写真判定はゴメンだった。僕はいい決断を下して単独になった。あまりにも何度も(優勝に)近づいていたことが、区間を勝てるという自信を与えてくれていた。このツールでは、チームはスタートからとてもモチベーションを持っていた。

カヴェンディッシュが去ってしまった後も、ただ座って何もしないでいるつもりはなかった。今日はそれをやり遂げられてうれしいよ」


■最終決戦の個人タイムトライアルを翌日に控えたフルームのコメント
「アルプスの後で、明日ふたたび多大な努力をする前に我々はいくらかのエネルギーを回復することができた。チームメートたちが彼らのやり方でレースをコントロールしてくれたおかげで、僕は今日の移動ステージをありがたく思っている。

明日のタイムトライアルのコースは僕に向いているが、区間優勝できるほどではない。勝つのはプリモシュ・ログリッチやトニー・マルティンのような選手になるだろうと思う。僕は以前に走ったTTのようにそれを扱わなければならない。大きなリスクを冒すつもりはないよ。

パンクよりも落車が怖い。ホイールは交換できるけど、脚は交換できないからね。僕は素晴らしい立場にいる。2位や3位よりもここがいいから、タイムを稼がなければならない」


 


■第19ステージ結果[7月21日/アンブラン〜サロン・ド・プロバンス/222.5km]
1 エドワルド・ボアッソンハーゲン(チームディメンションデータ/ノルウェー)5時間06分09秒
2 ニキアス・アルント(チームサンウェブ/ドイツ)+5秒
3 イェンス・クークレール(オリカ・スコット/ベルギー)+17秒
4 ダニエーレ・ベンナーティ(モビスターチーム/イタリア)+17秒
5 トマス・デヘント(ロット・スーダル/ベルギー)+17秒
6 シルヴァン・シャヴァネル(ディレクトエネルジー/フランス)+17秒
7 エリー・ジェスベール(チームフォルテュネオ・オスカロ/フランス)+17秒
8 ヤン・バーケランツ(AG2R・ラモンディアル/ベルギー)+17秒
9 ミヒャエル・アルバジーニ(オリカ・スコット/スイス)+17秒
10 ピエールリュック・ペリション(チームフォルテュネオ・オスカロ/フランス)+17秒
95 新城幸也(バーレーン・メリダ/日本)+12分27秒
■第19ステージまでの総合成績(マイヨ・ジョーヌ)
1 クリストファー・フルーム(チームスカイ/英国)83時間26分55秒
2 ロマン・バルデ(AG2R・ラモンディアル/フランス)+23秒
3 リゴベルト・ウラン(キャノンデール・ドラパック/コロンビア)+29秒
4 ミケル・ランダ(チームスカイ/スペイン)+1分36秒
5 ファビオ・アルー(アスタナプロチーム/イタリア)+1分55秒
6 ダニエル・マーティン(クイックステップフロアーズ/アイルランド)+2分56秒
7 サイモン・イエーツ(オリカ・スコット/英国)+4分46秒
8 ルイ・メインティス(UAE・チームエミレーツ/南アフリカ)+6分52秒
9 ワレン・バルギル(チームサンウェブ/フランス)+8分22秒
10 アルベルト・コンタドール(トレック・セガフレード/スペイン)+8分34秒
12 ナイロ・キンタナ(モビスターチーム/コロンビア)+13分52秒
109 新城幸也(バーレーン・メリダ/日本)+3時間15分17秒
[各賞]
■ポイント賞(マイヨ・ベール):マイケル・マシューズ(チームサンウェブ/オーストラリア)
■山岳賞(マイヨ・アポワ):ワレン・バルギル(チームサンウェブ/フランス)
■新人賞(マイヨ・ブラン):サイモン・イエーツ(オリカ・スコット/英国)
■チーム成績:チームスカイ(英国)
■敢闘賞:イェンス・クークレール(オリカ・スコット/ベルギー)
(http://www.letour.fr/le-tour/2017/us/)
 
 
MAP : GEOATRAS / ASO
MAP : GEOATRAS / ASO
MAP : ASO
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7月22日は、南仏マルセイユで22.5kmの個人タイムトライアルを競う第20ステージが行われる。スタートとゴールはマルセイユのオランジュ・ベロドロームだ。計測ポイントは10.2kmと15.6kmの2カ所にある。 マイヨ・ジョーヌを着て個人タイムトライアルに挑むフルームと、総合2位のロマン・バルデ(AG2R・ラモンディアル)のタイム差は23秒、総合3位のリゴベルト・ウラン(キャノンデール・ドラパック)のタイム差は29秒しかない。
 
 

Summary - Stage 19 - Tour de France 2017 投稿者 tourdefrance_en