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ツール・ド・フランス第20ステージの個人TTはボドナルが区間初優勝/マイヨ・ジョーヌはフルームが守ってパリへ凱旋
レース
2017.07.23
第104回ツール・ド・フランス(UCIワールドツアー)は、7月22日に南仏マルセイユで22.5kmの個人タイムトライアルを走る第20ステージを競い、ポーランドのマチェイ・ボドナル(ボーラ・ハンスグローエ)が、同じポーランド出身のミハウ・クフィアトコフスキー(チームスカイ)にたった1秒差で勝ち、グランツール区間初優勝を果たした。
ボドナルは第11ステージで、ゴールスプリントを競う集団にゴール手前250メートルで吸収され、区間優勝を逃していた。
マイヨ・ジョーヌを着た英国のクリストファー・フルーム(チームスカイ)は、ボドナルより6秒遅れの区間3位でゴール。区間優勝はできなかったが、総合首位の座を守りきり、マイヨ・ジョーヌを着てパリへ凱旋することになった。
コロンビアのリゴベルト・ウラン(キャノンデール・ドラパック)は、ゴール間近のカーブを曲がりそこなってフェンスに接触したが、落車は回避し、フルームとのタイム差を25秒に押さえることができた。
しかし、フランスのロマン・バルデ(AG2R・ラモンディアル)は1分57秒も遅れてしまい、あやうく2分遅くスタートしたフルームに追い越されてしまうところだった。
個人タイムトライアルのブレーキで、バルデは総合2位の座をウランに明け渡さなければならなかったが、スペインのミケル・ランダ(チームスカイ)にたった1秒差で総合3位の座は死守することができた。シャンゼリゼの表彰台に上がるために、バルデは最終ステージを注意深く走らなければならないだろう。
第20ステージはマルセイユのサッカー・スタジアム『オランジュ・ベロドローム』内に個人タイムトライアルのスタート台とゴールが設置されていた。今年は大勢のフランス人選手が活躍したこともあって、フランス人選手が登場するたびに、大歓声がスタジアム内に響いていた。
優勝を期待されていたプリモシュ・ログリッチ(チームロットNL・ユンボ)は、機材故障に見舞われ、丘のふもとで自転車を交換しなければならなかった。彼は49秒遅れの区間14位だった。
フランスTTチャンピオンのピエール・ラトゥール(AG2R・ラモンディアル)は、ノートルダム・ド・ラ・ガルドの丘の下り坂で落車し、2分15秒遅れの区間62位でゴールした。
■ツール区間初優勝を果たしたボドナルのコメント
「信じられないよ。去年は区間優勝に近づき、今年はもっと近づいている。本当に幸せだ。僕はスタジアムで3時間も待っていた。その雰囲気は素晴らしかった。レース中は調子がいいと感じていた。その後、クフィアトコフスキーに脅かされたが、僕を打ち負かせなかった。そしてフルームの結果を待っていた。彼は本当にTTが得意なのを知っていたからだ。これは僕にとってものすごく大きな勝利だよ」
■4度目のツール総合優勝に王手をかけたフルームのコメント
「言葉がない。ただ素晴らしい気分だ。このTTはとても僅差だった。妻に話したが、明日は息子と一緒にパリへ行くつもりだ。今回は最も僅差のツール・ド・フランスで、総合を争う選手たちの戦いがより激しかった。それがこのマルセイユでのTTまで続くとは思っていなかったが、そうなった。ちょっとプレッシャーがあった。でも僕にとって、常にプレッシャー感じるのは良いことだ。また勝つことができてうれしいよ」
■かろうじて総合3位を守ったバルデのコメント
「疲れた。ボロボロだよ。僕は持ちうるすべてを出し切った。これがツール・ド・フランスだ。調子がいいと感じる日があれば、そうではない日もある。今日は調子がいいと感じなかった。この数日間は健康面で調子がいいと感じていなかった。その代償だった。
スタートから僕は競っていないと感じていた。可能な限り早くゴールすることだけを考えて、頭で走ることを強いられていた。イゾアールの翌日で免疫力が落ちていると感じた。今朝は目覚めも良くなかった。最終対決に臨める状態ではなかった。
1秒で表彰台を守ってうれしいよ。チームと僕を支えてくれているすべての人々について、そしてチームメートたちについて考えた。僕にはギブアップする権利がなかった。持ちうるすべてを捧げて、そしてほんの少しだけ幸運だったよ」
■第20ステージ結果[7月22日/マルセイユ〜マルセイユ/22.5km(個人タイムトライアル)]
1 マチェイ・ボドナル(ボーラ・ハンスグローエ/ポーランド)28分15秒
2 ミハウ・クフィアトコフスキー(チームスカイ/ポーランド)+1秒
3 クリストファー・フルーム(チームスカイ/英国)+6秒
4 トニー・マルティン(チームカチューシャ・アルペシン/ドイツ)+14秒
5 ダリル・インピー(オリカ・スコット/南アフリカ)+20秒
6 アルベルト・コンタドール(トレック・セガフレード/スペイン)+21秒
7 ニキアス・アルント(チームサンウェブ/ドイツ)+28秒
8 リゴベルト・ウラン(キャノンデール・ドラパック/コロンビア)+31秒
9 シュテファン・キュンク(BMCレーシングチーム/スイス)+34秒
10 シルヴァン・シャヴァネル(ディレクトエネルジー/フランス)+37秒
15 ミケル・ランダ(チームスカイ/スペイン)+51秒
19 ワレン・バルギル(チームサンウェブ/フランス)+1分09秒
22 ファビオ・アルー(アスタナプロチーム/イタリア)+1分16秒
32 サイモン・イエーツ(オリカ・スコット/英国)+1分34秒
33 ルイ・メインティス(UAE・チームエミレーツ/南アフリカ)+1分34秒
36 ナイロ・キンタナ(モビスターチーム/コロンビア)+1分42秒
40 ダニエル・マーティン(クイックステップフロアーズ/アイルランド)+1分52秒
52 ロマン・バルデ(AG2R・ラモンディアル/フランス)+2分03秒
108 新城幸也(バーレーン・メリダ/日本)+3分05秒
■第20ステージまでの総合成績(マイヨ・ジョーヌ)
1 クリストファー・フルーム(チームスカイ/英国)83時間55分16秒
2 リゴベルト・ウラン(キャノンデール・ドラパック/コロンビア)+54秒
3 ロマン・バルデ(AG2R・ラモンディアル/フランス)+2分20秒
4 ミケル・ランダ(チームスカイ/スペイン)+2分21秒
5 ファビオ・アルー(アスタナプロチーム/イタリア)+3分05秒
6 ダニエル・マーティン(クイックステップフロアーズ/アイルランド)+4分42秒
7 サイモン・イエーツ(オリカ・スコット/英国)+6分14秒
8 ルイ・メインティス(UAE・チームエミレーツ/南アフリカ)+8分20秒
9 アルベルト・コンタドール(トレック・セガフレード/スペイン)+8分49秒
10 ワレン・バルギル(チームサンウェブ/フランス)+9分25秒
12 ナイロ・キンタナ(モビスターチーム/コロンビア)+15分28秒
109 新城幸也(バーレーン・メリダ/日本)+3時間18分16秒
[各賞]
■ポイント賞(マイヨ・ベール):マイケル・マシューズ(チームサンウェブ/オーストラリア)
■山岳賞(マイヨ・アポワ):ワレン・バルギル(チームサンウェブ/フランス)
■新人賞(マイヨ・ブラン):サイモン・イエーツ(オリカ・スコット/英国)
■チーム成績:チームスカイ(英国)
■スーパー敢闘賞:ワレン・バルギル(チームサンウェブ/フランス)
(http://www.letour.fr/le-tour/2017/us/)
今年のツール・ド・フランスもいよいよ最終日を迎える。7月23日の第21ステージは、モンジュロンをスタートし、パリのシャンゼリゼ大通りでゴールする103kmの短い区間。
オフィシャルスタートは現地時間午後4時50分で、シャンゼリゼ大通りの1周6.5kmの周回コースを8周し、午後7時半頃にゴールする予定だ。
今年のスーパー敢闘賞には、区間2勝してマイヨ・アポワも獲得した地元フランスのワレン・バルギル(チームサンウェブ)が選ばれている。