宮田浩介さんは昨年秋に訪れたニューヨーク市で、車道の中央側に駐車帯を設ける自転車レーンを取材した(上記写真)。マンハッタン中心部の一方通行の大通りが車道、駐車スペース、ドア開閉などを考慮したスペース、自転車通行空間、歩道の順に区切られている。
現地では「parking-protected bike lane」と呼ばれる。車道の中央側に駐車スペースを設け、自転車レーンに路上駐車や走行中のクルマが入るのを防ぐしくみで、「クルマは車道の端に駐車するもの」という従来の常識をくつがえす手法だ。市の2011年の調査では自転車の通行量が1.5倍に増えたことに加え、自転車の歩道通行が平日で半分以下に減ったとのデータもあり、市民の反応も良いという。
「自転車利用の最先進国であるオランダなどで先行して採用されてきたものをニューヨーク市が取り入れ、同市での主要な自転車レーン整備方法となっています。マンハッタンの車道は一方通行が多いですが、対面通行の車道でも設置されるケースがあります。また、ボストンやシカゴなど北米の主要都市でも同様の手法で整備が進み、女性や子どもなど幅広い層で自転車利用が増える効果を生んでいます」(宮田さん)