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ダウンヒルシリーズ開幕戦はキッズライダーも大疾走!PROクラスは泉野龍雅が優勝

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2018年6月9日(土)〜10日(日)、5年目の開幕を迎えたDOWNHILL SERIES。今年もKONAをメインスポンサーに迎え、北は北海道、南は宮崎までの8会場で開催する。

第1戦は「サイクル県やまぐち」として盛り上がりを見せる山口県にある十種ヶ峰WOODPARKが舞台。3年前から国内最高峰のCoupe du japon(CJ)のUCIレースを誘致し、今年はUCIクラス1を開催するまでになった。普段は中国、九州地方からのライダーを中心に愛されるMTBコースだ。


 
サイクル県やまぐちブースでは、コーヒーサービスとともに県内のサイクリングルートや10月に行われるロード/MTBレースを紹介
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疲れ知らずの中学生ライダーたちもレッドブルでエナジーチャージ
疲れ知らずの中学生ライダーたちもレッドブルでエナジーチャージ


金曜日に少し降った雨のおかげか、路面はグッドコンディション。土曜日のタイムドセッションは2016-2017シーズンのDOWNHILL SERIESシリーズチャンピオン井手川直樹(KONA RACING TEAM/STRIDER)が1分53秒411でトップに立つ。2位の泉野は1分55秒226で、「きれいにリズムよく走れたので1位だと思ったんですけど……内容が良かったぶん、どこでタイムを削れるか考えないと」と話した。
 
タイムドセッション後に行われるのは、約100mのスキルアップコースを使う毎年恒例のWOODPARK CUP。子供からPROライダーまでが丸見えのコースを走るショートレースだ。今年は未就学児クラスも新設され、親子での参加も増えた。下は3才から50代までのライダーの熱い走りに今年も大盛り上がり。こちらは、泉野龍雅(Acciarponeracing)が歴代最速タイム8.772秒をたたき出しての優勝。

 
今会場の目玉は丸見えのゲレンデエリア。コース脇から声援が飛ぶ
今会場の目玉は丸見えのゲレンデエリア。コース脇から声援が飛ぶ
木立のなかにあるスキルアップエリア。子供も走れるように作られているが、攻めると難しい絶妙なコースレイアウト。
木立のなかにあるスキルアップエリア。子供も走れるように作られているが、攻めると難しい絶妙なコースレイアウト。


土曜、日曜ともに雨の天気予報は外れ、コースは乾いていく一方。「少し難易度を上げて、本当に速い人と初心者の差が明確になるようにした」という現地オーガナイザー志賀さんの言うとおり、昨年とは変わったコースレイアウトに苦戦する人が多く最後のゲレンデエリアではクラッシュが続出。
 
決勝の時間帯に雨が降るという噂にライダーたちはタイヤ選びにソワソワ。しかし、結局は一滴も降らず。この思わせぶりな天気予報が命運を分けた。
XC BIKEクラスは釘貫拓実が2分46秒127で優勝。
ファーストタイマー男子クラスは平田康二(チームおっさんずラブ)が2分41秒534で優勝。

熱かったのはスポーツ男子クラス。土曜日のタイムドセッションで2分11秒070という全クラス総合で見ても7位に入る好タイムをたたき出した山本一晴(takebow-tune Gravity republic/FOX)。昨シーズンから今年にかけての実力の伸びに会場にいた全員を驚かせた中学生ライダーだ。日曜日の試走で落車し、手首を痛め力が入らず出走を悩むほどだったが、ギリギリまでアイシングをしてスタート。結果は2分12秒704と前日のタイムから1秒ほどしか落とさない素晴らしい走りだったが、同じく中学生の羽口鉄馬(R’s CYCLE)が2分05秒202という驚愕のタイムで優勝。

DOWNHILL SERIESでは、勝つことだけが上のクラスに昇格できる唯一の手段。だからこそ毎回激戦のスポーツ男子クラスなのだが、このレースで出会った熊本と京都の中学生2人が会場中の大人をワクワクさせ、レースを盛り上げてくれたことは、ダウンヒル業界の明るい未来を見せてもらった気がした。

 
2014年のDOWNHILL SERIES開始時より皆勤賞の阿藤寛選手(Acciarponeracing)。若手ライダーたちにアドバイスを惜しまない親分肌
2014年のDOWNHILL SERIES開始時より皆勤賞の阿藤寛選手(Acciarponeracing)。若手ライダーたちにアドバイスを惜しまない親分肌
展示されたプロトタイプのトレーラーヒッチ&自転車用キャリア。みんな興味津々。
展示されたプロトタイプのトレーラーヒッチ&自転車用キャリア。みんな興味津々。


オープン女子は富田敬子(Acciarpone racing)が2分36秒825で優勝。
エキスパート男子は現地オーガナイザーである志賀孝治(VAN-QUISH/COMMENCAL)が優勝し、昨年のポイントランキングによりエキスパートクラスに降格していたが、開幕戦一発で執念のエリートクラス返り咲きを決めた。
 
PROクラスは泉野が1分47秒996という驚きのタイムで圧勝。2位は「雨予報を信じ過ぎました……」という井手川が1分52秒469。3位には1分53秒103で浦上太郎(Transition Airlines/Cleat)という結果になった。

昨年に引き続き優勝した泉野選手は「コースはどんどん乾いて自然とスピードが上がりました。逆にミスも多く、試走でも納得できる走りができたのは1本くらい。本戦でもスタート直後の木に右ヒジをクリーンヒットさせてしまうというトラブルがありましたが、集中して立て直すことができました。そして何より今シーズンのバイク、YT TUESとの相性がものすごく良いので、秋にあるUCIレースでも勝ちに行きたいと思います。」と語り、7月に行われる全日本選手権や10月にこの会場で行われるUCIレースへの弾みをつけた。

 
PROクラス表彰式
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PROクラス表彰式、top3はMAZDA CX-8に乗って登場
PROクラス表彰式、top3はMAZDA CX-8に乗って登場


今会場は毎年地元密着型のブース出展が多いが、今年は隣県である広島を拠点とするMAZDA社がSUNTREX社と共同開発したトレーラーヒッチ、自転車用キャリアのプロトタイプを展示。CX-8とディーラーオプションのトレーラーヒッチに参加者は興味津々の様子だった。今後、他会場への出展も予定されている。
 
第2戦は8月11-12日、福井和泉MTB PARK(福井県)で行われる。
問・DOWNHILL SERIES
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【text&photo:ⒸDOWNHILL SERIES】