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ツール・ド・フランス2018で英国のトーマスが総合初優勝

レース
パリの表彰台で祝福された英国のトーマス (©Bettiniphoto)
パリの表彰台で祝福された英国のトーマス (©Bettiniphoto)
 
第105回ツール・ド・フランス(UCIワールドツアー)は、7月29日にウイユからパリのシャンゼリゼ大通りまでの116kmで最終日の第21ステージを競い、英国のゲラント・トーマス(チームスカイ)が、総合初優勝を果たした。


32歳のトーマスは2007年にツール初出場し、9回目の参加で大金星を獲得した。彼よりも優勝までの参加回数が多いのは、オランダのヨープ・ズートメルクだけで、1980年に10回目の挑戦で優勝している。

総合2位はオランダのトム・ドゥムラン(チームサンウェブ)、総合3位は英国のクリストファー・フルーム(チームスカイ)だった。33歳のフルームは5度目のツール総合優勝と、グランツールを連続して4勝する記録を達成することができなかったが、前日の個人タイムトライアルで総合3位の座を獲得し、今年もパリの表彰台に上がることができた。

英国のチームスカイにとっては、6回目のツール制覇になった。開幕直前にドーピング問題が解決したフルームが今年もチームリーダーだったが、彼は落車で初日から51秒のタイムを失っていた。フルームのアシストとしてツールに参加していたトーマスは、アルプス2日目の第11ステージで区間優勝し、総合首位に立ってマイヨ・ジョーヌを獲得。それをチームリーダーのフルームに引き継ぐことなく、最終日のパリまで守ってしまった。パリの表彰台でウエールズ出身のトーマスは、ユニオンジャックではなく赤いドラゴンが描かれたウエールズ旗をまとっていた。


 
左から総合2位のドゥムラン、総合優勝したトーマス、総合3位のフルーム  (©Bettiniphoto)
左から総合2位のドゥムラン、総合優勝したトーマス、総合3位のフルーム (©Bettiniphoto)
パリの表彰台に並んだ今年の4賞ジャージ獲得者たち (©Bettiniphoto)
パリの表彰台に並んだ今年の4賞ジャージ獲得者たち (©Bettiniphoto)
 
ポイント賞(マイヨ・ベール)はスロバキアのペテル・サガン(ボーラ・ハンスグローエ)が受賞し、ドイツのエリック・ツァーベル(1996〜2001年)が持つ6回の最多受賞回数に並んだ。28歳のサガンは今大会で区間3勝し、477ポイントを獲得した。彼は第17ステージで落車して負傷し、その後は厳しいレースを強いられたが、何とか完走を果たすことができた。

山岳賞(マイヨ・アポワ)は地元フランスのジュリアン・アラフィリップ(クイックステップフロアーズ)が初めて受賞した。26歳のアラフィリップは2016年に続いて2度目のツール参加で、アルプスで行われた第10ステージで区間初優勝を果たし、ピレネーの第16ステージではマイヨ・アポワを着て区間2勝目を上げた。彼は170ポイントを稼ぎ、昨年山岳賞を受賞したワレン・バルギル(チームフォルチュネオ・サムシック)は91ポイントだった。

新人賞(マイヨ・ブラン)は地元フランスのピエール・ラトゥール(AG2R・ラモンディアル)が初めて受賞した。24歳のラトゥールは、22分13秒遅れの総合13位だった。新人賞総合2位はフルームの山岳アシストとして活躍したコロンビアのエガン・ベルナル(チームスカイ)で、27分52秒遅れの総合15位だった。彼はグランツール初出場で、弱冠21歳だった。

シャンゼリゼ大通りの周回コースで競われた最終ステージは、ヨーロッパチャンピオンのアレクサンダー・クリストフ(UAEチーム・エミレーツ)が集団ゴールスプリントを制した。彼は2014年のツールで区間2勝していて、これが3度目の区間優勝だった。


■シャンゼリゼ区間を初めて制したクリストフのコメント
「ボクはちょっと後方からスプリントを開始したが、フェラーリと一緒だった。ボクはデゲンコルプの後方に何とか付けて、とても良いポイントでスパートした。最後の20メートルで勝ちを確信し、スーパーハッピーになった。これは満足できなかった春のクラシック・キャンペーンの埋め合わせになる。これで多かれ少なかれ、ボクのシーズンは成功だ」


■ツールで総合初優勝した32歳のトーマスのコメント
「クレイジーだ。3週間、これほど懸命に走ったことは決してなかった。角を曲がったら何があるのかもわからないような感じだった。最初のいくつかのステージは、ボクに自信を与えた。それから日々走り続け、リラックスしてパニックに陥らないように努力した。そしてその機運はこの点まで大きくなった。

これは結婚と同様にボクの人生のハイライトだ。何年もの間、ボクはただ一生懸命働き続け、こういったことが起きるのを待ち続けていた。全ての努力は今報われた。

ボクは気を散らさないために、数日前にTwitterをサインオフにして、昨日やっとオンにした。ツールの最後の数日に送られた支持の数は圧倒的だった。今夜は共に戦い抜いたチームメートたちと勝利を祝いたい。明日になれば、実感が湧き始めるだろう」


 
シャンゼリゼ区間を初制覇したヨーロッパチャンピオンのクリストフ (©Bettiniphoto)
シャンゼリゼ区間を初制覇したヨーロッパチャンピオンのクリストフ (©Bettiniphoto)

■第21ステージ結果[7月29日/ウイユ~パリ・シャンゼリゼ/116km]
1. ALEXANDER KRISTOFF (UAE TEAM EMIRATES / NOR) 02H 46' 36''
2. JOHN DEGENKOLB (TREK - SEGAFREDO / GER)
3. ARNAUD DEMARE (GROUPAMA - FDJ /FRA)
4. EDVALD BOASSON HAGEN (TEAM DIMENSION DATA / NOR) 
5. CHRISTOPHE LAPORTE (COFIDIS, SOLUTIONS CREDITS / FRA)
6. MAXIMILIANO ARIEL RICHEZE (QUICK - STEP FLOORS / ARG)
7. SONNY COLBRELLI (BAHRAIN - MERIDA /ITA)
8. PETER SAGAN (BORA - HANSGROHE / SVK)
9. ANDREA PASQUALON (WANTY - GROUPE GOBERT /ITA)
10. JASPER DE BUYST (LOTTO SOUDAL / BEL)


[第105回ツール・ド・フランス 個人総合最終成績]
1. GERAINT THOMAS (TEAM SKY / GBR) 83H 17’ 13’’
2. TOM DUMOULIN (TEAM SUNWEB / NED)  +01’ 51’’
3. CHRIS FROOME (TEAM SKY / GBR) +02’ 24’’
4. PRIMOŽ ROGLIC (TEAM LOTTO NL - JUMBO / SLO) +03’ 22’’
5. STEVEN KRUIJSWIJK (TEAM LOTTO NL - JUMBO / NED) +06’ 08’’
6. ROMAIN BARDET (AG2R LA MONDIALE / FRA)  +06’ 57’’
7. MIKEL LANDA (MOVISTAR TEAM / ESP) +07’ 37’’
8. DANIEL MARTIN (UAE TEAM EMIRATES / IRL) +9’ 05’’
9. ILNUR ZAKARIN (TEAM KATUSHA ALPECIN / RUS) +12’ 37’’
10. NAIRO QUINTANA (MOVISTAR TEAM / COL)  +14’ 18’’

[各賞]
■ポイント賞(マイヨ・ベール):PETER SAGAN (BORA - HANSGROHE / SVK)
■山岳賞(マイヨ・アポワ):JULIAN ALAPHILIPPE (QUICK - STEP FLOORS / FRA) 
■新人賞(マイヨ・ブラン):PIERRE ROGER LATOUR (AG2R LA MONDIALE / FRA) 
■チーム成績:MOVISTAR TEAM
■スーパー敢闘賞:DANIEL MARTIN (UAE TEAM EMIRATES / IRL)


ツール公式サイト

 

第20ステージのハイライト映像

UCIワールドツアーランキング2018 (7/29付)

■個人ランキング
1. SAGAN Peter (SLOVAKIA / BOH) 2684 pts
2. THOMAS Geraint (GREAT BRITAIN / SKY) 2534.25 pts
3. FROOME Chris (GREAT BRITAIN / SKY) 1976.68 pts
4. DUMOULIN Tom (NETHERLANDS / SUN) 1975.62 pts
5. ROGLIČ Primož (SLOVENIA / TLJ) 1921 pts
6. VALVERDE Alejandro (SPAIN / MOV) 1807 pts
7. ALAPHILIPPE Julian (FRANCE / QST) 1761.12 pts
8. VIVIANI Elia (ITALY / QST) 1647 pts
9. BARDET Romain (FRANCE / ALM) 1530 pts
10. YATES Simon Philip (GREAT BRITAIN / MTS) 1472 pts

■チームランキング
1. QUICK - STEP FLOORS (QST / BELGIUM ) 9769.97 pts
2. TEAM SKY (SKY / GREAT BRITAIN ) 8550 pts
3. BORA - HANSGROHE (BOH / GERMANY ) 6919 pts
4. MITCHELTON - SCOTT (MTS / AUSTRALIA ) 6335.03 pts
5. BMC RACING TEAM (BMC / UNITED STATES OF AMERICA ) 6188.97 pts
6. MOVISTAR TEAM (MOV / SPAIN ) 5936 pts
7. ASTANA PRO TEAM (AST / KAZAKHSTAN ) 5426 pts
8. BAHRAIN - MERIDA (TBM / BAHRAIN ) 5122 pts
9. TEAM LOTTO NL - JUMBO (TLJ / NETHERLANDS ) 5029 pts
10. TEAM SUNWEB (SUN / GERMANY ) 5007.95 pts
11. AG2R LA MONDIALE (ALM / FRANCE ) 4783 pts
12. UAE TEAM EMIRATES (UAD / UNITED ARAB EMIRATES ) 3836 pts
13. LOTTO SOUDAL (LTS / BELGIUM ) 3393.01 pts
14. TREK - SEGAFREDO (TFS / UNITED STATES OF AMERICA ) 3240 pts
15. TEAM EF EDUCATION FIRST - DRAPAC P/B CANNONDALE (EFD / UNITED STATES OF AMERICA ) 2893 pts
16. GROUPAMA - FDJ (GFC / FRANCE ) 2050 pts
17. TEAM KATUSHA ALPECIN (TKA / SWITZERLAND ) 1932 pts
18. TEAM DIMENSION DATA (DDD / SOUTH AFRICA ) 1425 pts


(UCIワールドツアーランキング公式サイト)