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アップヒルゴールのツール・ド・フランス第５ステージでマイヨ・ベールのサガンが今大会２勝目
レース
2018.07.12
第105回ツール・ド・フランス（ＵＣＩワールドツアー）は、７月１１日にブルターニュ地方のロリアンからカンペールまでの204.5kmで、アルデンヌ・クラシックのような丘越え区間を競い、マイヨ・ベールを着た世界チャンピオンのペテル・サガン（ボーラ・ハンスグローエ）が最後のアップヒルゴールを制し、今大会２勝目を上げた。
マイヨ・ジョーヌを着たベルギーのグレッグ・ヴァンアーヴェルマート（ＢＭＣレーシングチーム）は区間７位でゴールし、総合首位の座を守った。
（ツール公式サイト）
スクインシュがラトビア人初のマイヨ・アポワ獲得
昨年ポイント賞のマイヨ・ベールを獲得したオーストラリアのマイケル・マシューズ（チームサンウェブ）も第５ステージを出走しなかった。チーム発表では、彼は今朝早くに具合が悪くなり、高熱が出たのだそうだ。
ブルターニュ２日目も快晴で気温は25度C。オフィシャルスタートからフランスのリリアン・カルメジャーヌ（ディレクトエネルジー）がアタックし、７人の逃げが形成された。ＢＭＣレーシングチームがコントロールする集団はそれを追わず、45kmでタイム差は3分40秒に開いた。
メイン集団では3km地点で落車が発生し、イタリアのジャンニ・モスコン（チームスカイ）とロベルト・キセルロウスキー（チームカチューシャ・アルペシン）が巻き込まれた。モスコンはすぐ復帰できたが、キセルロウスキーはレースを棄権した。
92.5km地点の中間スプリント地点は、第２ステージで逃げた39歳のシルヴァン・シャヴァネル（ディレクトエネルジー）が、逃げグループの先頭で通過。メイン集団はフェルナンド・ガビリア（クイックステップフロアーズ）が先頭で3分50秒遅れだった。
ゴールまで残り100kmを切り、この日最初のカテゴリーが付いた丘の登坂が始まると、逃げからシャヴァネルがアタックし、独走を開始した。彼はカテゴリー４の丘を２カ所先頭で通過し、山岳賞のポイントを２ポイント稼いだ。
６人の追走グループでは、ブルターニュの地元チームであるチームフォルチュネオ・サムシックのエリー・ジェベールがコントロールを失って路肩に飛び出して転倒。彼は逃げから脱落し、集団に戻った。
道幅の狭い丘がいくつも続くコースで、メイン集団からはピュアなスプリンターたちが次々と遅れていった。追走グループでは、ラトビアのトームス・スクインシュ（トレック・セガフレード）がアタックし、カルメジャーヌとニコラ・エデ（コフィディス）はついて行けたが、ベルギーのヤスペル・デブイスト（ロット・スーダル）とジュリアン・ヴェルモーテ（チームディメンションデータ）は遅れてしまった。
ゴールまで残り64.5kmで、英国のクリストファー・フルーム（チームスカイ）が機材故障に見舞われて自転車を交換。一時集団から30秒ほど遅れたが、３人のチームメートに引かれて無事戻ることができた。
この日最初のカテゴリー３の丘だった残り64kmのロッシュ・デュ・フを先頭で通過して２ポイントを稼いだあと、シャヴァネルは追走グループを待ち、先頭は４人になった。集団はこの丘でまだ3分近く後方だった。
残り56km地点で集団ではまた落車が発生し、ミケル・ニエベ（ミッチェルトン・スコット）、マイヨ・アポワのディオン・スミスとヨアン・オフレド（ワンティ・グループゴベール）、アントニー・チュルジス（コフィディス）らが巻き込まれたが、全員レースに復帰できた。
先頭の逃げでは、ゴールまで残り46.4kmの上り坂でスクインスがアタックし、シャヴァネルが遅れた。スクインシュは残り45kmのカテゴリー３の丘を先頭で通過し、２ポイントを稼いだ。残り23.6kmにあった最後のカテゴリー３の丘でも、スクインシュはカルメジャーヌに競り勝って２ポイントを獲得し、ラトビア人として初めて山岳賞のマイヨ・アポワを獲得した。この時、集団との差はすでに1分を切っていた。
ゴールまで残り12.1kmの、カテゴリーのない上り坂に設定されたボーナス地点の手前で逃げは吸収された。ボーナス地点はジュリアン・アラフィリップ（クイックステップフロアーズ）が先頭で通過して３秒獲得し、マイヨ・ジョーヌのヴァンアーヴェルマートが２位通過で２秒獲得した。
その後、レイン・タラマエ（ディレクトエネルジー）がアタックして先行したが、チームスカイがメイン集団を引いて残り5.5kでタラマエを捕まえた。この動きで集団はいくぶん小さくなっていた。
残り1kmのフラム・ルージュを通過した後、カンペールのゴールへと向かうスタン・ビアンの丘の上り坂がスタートし、最初に仕掛けたのはベルギーのフィリップ・ジルベール（クイックステップフロアーズ）だった。
上り坂の中間地点で先頭はマイヨ・ジョーヌのヴァンアーヴェルマートに変わったが、その後方から残り250メートルでマイヨ・ベールのサガンがスパート。イタリアのソンニ・コルブレッリ（バーレーン・メリダ）が必死で追い上げたが、第２ステージ同様、世界チャンピオンの力には及ばなかった。
これでサガンはツールでの通算区間優勝数が10勝になった。
■今大会２勝目を上げたサガンのコメント
「コルブレッリがまた近かったが、今日ボクはちょっとラッキーだった。レース中に彼と話し、ボクを驚かさないでくれと言った。彼は１ステージ勝たせろとボクに言ったから、そうさせるつもりはないと言ったよ。でも、彼がトライし続ければ、彼はいつかツールの区間優勝者になるだろうね。
ボクのチームは集団を引いて、チームスカイが走ったあとに、残り2kmでボクをいい位置に置いてくれる良い仕事をしてくれた。アタックがあると予想していたが、それはジルベールだった。ボクたちは彼を捕まえて、それでヴァンアーヴェルマートは早めに行きすぎた。
実際、彼はボクのために良いスプリントをしてくれたよ。ヴァンアーヴェルマートにはとても感謝しなければならない！ とても素晴らしいステージで、テクニカルで、アップダウンがあって、右左に曲がって、ボクはそれを楽しんだよ」
■マイヨ・ジョーヌは守ったが、区間優勝は逃したヴァンアーヴェルマートのコメント
「ボクはいくつかのミスをしたと思う。ジルベールに反応してしまった。彼は総合成績で僅差だったからだ。ボクが彼を追いかけたら、彼は頑張るのを止めてしまった。ボクには厳しかった。残り250メートルを全力で行きそこなった。ゴールでそれが必要だった。
最後のコーナーはフィニッシュラインまで250メートルだと思っていたけど、実際には360メートルだった。そういったミスが起きてしまった。まあ結局は、ボクがちゃんと距離を認識していたとしても、サガンを打ち負かすのは難しかっただろう。
クイックステップフロアーズは明日最大の脅威だ。ボクの区間優勝候補はアラフィリップだよ。彼はボクからマイヨ・ジョーヌも奪い取るかもしれないね」
■第５ステージ結果［７月１１日／ロリアン〜カンペール／204.5km］
1. PETER SAGAN (BORA - HANSGROHE / SVK) 4H 48' 06''
2. SONNY COLBRELLI (BAHRAIN - MERIDA / ITA)
3. PHILIPPE GILBERT (QUICK - STEP FLOORS /BEL)
4. ALEJANDRO VALVERDE (MOVISTAR TEAM /ESP)
5. JULIAN ALAPHILIPPE (QUICK - STEP FLOORS /FRA)
6. DANIEL MARTIN (UAE TEAM EMIRATES / IRL)
7. GREG VAN AVERMAET (BMC RACING TEAM / BEL)
8. SØREN KRAGH ANDERSEN (TEAM SUNWEB / DEN)
9. ANDREA PASQUALON (WANTY - GROUPE GOBERT / ITA)
10. VINCENZO NIBALI (BAHRAIN - MERIDA / ITA)
■第５ステージまでの総合成績
1. GREG VAN AVERMAET (BMC RACING TEAM / BEL) 18H 22’ 00’’
2. TEJAY VAN GARDEREN (BMC RACING TEAM / USA) +02’’
3. PHILIPPE GILBERT (QUICK - STEP FLOORS / BEL) +03’’
4. GERAINT THOMAS (TEAM SKY / GBR) +05’’
5. JULIAN ALAPHILIPPE (QUICK - STEP FLOORS / FRA) +06’’
6. BOB JUNGELS (QUICK - STEP FLOORS / LUX) +09’’
7. TOM DUMOULIN (TEAM SUNWEB / NED) +13’’
8. SØREN KRAGH ANDERSEN (TEAM SUNWEB / DEN) +13’’
9. RIGOBERTO URAN (TEAM EF EDUCATION FIRST - DRAPAC P/B CANNONDALE / COL) +37’’
10. RAFAL MAJKA (BORA - HANSGROHE / POL) +52’’
［各賞］
■ポイント賞（マイヨ・ベール）：PETER SAGAN (BORA - HANSGROHE / SVK)
■山岳賞（マイヨ・アポワ）：TOMS SKUJINS (TREK - SEGAFREDO / LAT)
■新人賞（マイヨ・ブラン）：SØREN KRAGH ANDERSEN (TEAM SUNWEB / DEN)
■チーム成績：QUICK - STEP FLOORS
■敢闘賞：TOMS SKUJINS (TREK - SEGAFREDO / LAT)
（ツール公式サイト）
Final Sprint - Stage 5
— Le Tour de France (@LeTour) 2018年7月11日
Let's watch the sprint again! Sagan perfectly in control
Le sprint à la loupe ! Sagan en plein contrôle @WeLoveCyclingFR #TDF2018 pic.twitter.com/8uAfTmNJIr
第６ステージはミュール・ド・ブルターニュの激坂ゴール！
激坂として名高いミュール・ド・ブルターニュは全長2kmで平均勾配は6.9%。今年はゴール前が周回コースになり、この激坂を２回上るより厳しいレイアウトになった。
2011年に初めてゴールになった時は、総合優勝したオーストラリアのカデル・エヴァンスが区間優勝した。2015年には、アレクシス・ヴュイエルモーズ（ＡＧ２Ｒ・ラモンディアル）が勝っている。
（ツール公式サイト）
