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100年の歴史とプロ選手に鍛え上げられた革新的ヘルメットブランド「レイザー」
2018.10.10
プロレースと共に進化し続けるテクノロジー
パオロ・ベッティーニ、トム・ボーネン、フィリッポ・ポッツァートら有名選手がかつて着用し、今年のツール・ド・フランスではロット・NLユンボが使用している。国内では宇都宮ブリッツェンが採用しているブランドでもある。
その創業は1919年と古く、80年にモーターサイクル用ヘルメット、87年からは自転車用ヘルメットの製造がスタートした。現在はシマノグループの一角を成しており、よりワールドワイドに販売網を拡大している勢いのあるメーカーである。
製品開発のプロセスは2Dデザイン、3Dモールドを製作して強度のシミュレーションを行なう。それを元に、ヘルメット本体に使うEPSフォームのボリュームなどを調整。その後サンプルを作って風洞実験を行ったり、耐衝撃テストも自社内のラボで行っている。
空力のテストはレイザーをはじめとしてベルギーのバイクや、ウエアブランドが共同で建設した「フランドルバイクバレー」という風洞実験施設で行っている。最終段階で安全性の検証を行なう(ここは最終的には外部の公正な機関に依頼する)。
100年企業として蓄積された大量のノウハウがあるので、開発のかなりのプロセスをシミューレーションで行い、開発期間の短縮を実現しているという。つまりは歴史と最先端技術の両方を持っているヘルメットメーカーなのだ。
そんなレイザーの新作をユーロバイクでチェック。
ツール・ド・フランスでも活躍
新作はセミエアロモデル「センチュリー」
昨今のロードバイクマーケットにおいて、”エアロ”は重要なキーワードである。それはバイクのフレームだけではなく、ヘルメット市場においても同じだ。もちろん安全性は言うまでもない。
レイザーはそれらを備えたアイテムとしてラインナップのミドルレンジのアイテムとして「センチュリーAF」を用意した。AFはアジアンフィットの略。
特徴は2つ。1つは本体前面にある「ツイストキャップ」というカバーだ。カバーの前後をひっくり返すことで、穴が開いたほうを前にすればベンチレーションが多くなるので、クーリング優先。逆にすればベンチレーションが少なくなり空力を優先する状態を作り出せる。マグネットで取り付けられるようになっているので、着脱は簡単だ。
2つ目の特徴は、本体後部にあるテールライト。ヘルメットの内側に小型LEDが内蔵されており、それがクリアパーツに反射して広範囲を発光させる。頭部という高い部分が光ることでクルマからの被視認性を高めてくれるので、日が暮れてからのライドでも安全性が高まる。転倒時に衝撃から頭を守ってくれるのはもちろん、事故のリスクも減らしてくれる。ライダーの安全のためには何が必要なのかを追い求めたスペックといえる。
後頭部に搭載されるLEDは充電式のバッテリーを搭載しているので、電池交換の手間がないのも魅力。USBジャックから充電できる。例えば通勤で使用する時は、就業中に充電しておくことも可能。
century AF
センチュリーアジアンフィット
価格:1万7500円(税抜)
ベンチレーション:31個
重量:277g(M)
サイズ:S、M、L
※12月発売予定
エアロのトップモデルが「BULLET2.0」
ベンチレーションから入った風は後方に効率よく抜け、ヘルメット内をクーリングするようにチャネルがデザインされており、走るシチュエーションに合わせて調整できるというわけだ。
BULLET2.0 AF
バレット2.0アジアンフィット
価格:2万7000円(税抜) ※クロームカラーのみ価格:2万8000円(税抜、1月発売)
ベンチレーション:8個+エアースライド
重量:315g
サイズ:S、M、L
※12月発売予定
トップレンジのひとつである「Z1」は、被視認性を向上
プロ選手たちも使用するトップレンジのオールラウンドモデルがこの「Z1」。31個のベンチレーションをもち、レイザーのアイコン的機構であるフィッティングシステム「アドバンスドロールシスシステム」を採用。これは頭頂部のダイヤルを回すと、ヘルメット内周にあるワイヤが引っ張られて、頭部全体を締めることから、高いフィット感を実現するシステム。他のヘルメットにある後頭部のダイヤルがないので、女性の場合ポニーテールにしてもかぶりやすいというメリットも。ラインナップで最軽量のモデルだ。
ユーロバイクではマイナーチェンジモデルが発表された。基本構造は同じだが、後部にテールライトを内蔵して被視認性を向上している。「プロ選手から、トレーニング中の安全性を高めたい」という要望を受けてのアップデートだという。
Z1
価格:2万2000円(税抜)
ベンチレーション:31個
重量:190g(S)
サイズ:S、M、L