サルト・エネルジア試乗レポート
フラッグシップらしいバランス感が魅力
イタリアにあるサルトはもともとが OEMメーカー。いまだに本国生産を続けており、高品質なバイクを量産している。
一見モノコックに見えるフレームは、各部のチューブ同士をつなぐときに、その部分にさらにカーボンを巻き付けて接合する「ロールラップ方式」を採用。製造の手間はかかるが、ムダのない高品質 なフレームに仕上げることができるメリットがある。
エネルジアが、すでに紹介した2モデルと違うのは、そのバランスのよさ。
これといって、軽さや硬さといった突出した個性を持たせるわけではなく、すべてにおいて高い性能を発揮するように作られている。
シンプルな丸断面のダウンチューブからチェーンステーにかけては、オートクレーブ製法を用いて仕上げることでパワーを伝えるための剛性が上がるようになっている。
もちろん、ジオメトリーオーダーをはじめ、ワイヤリングやBBの規格、フォークのタイプ、色などを選べる。
さらに、ブレーキを ディスクブレーキに対応させるのか、シートポスト径やインテグレーテッドタイプにするのかなど、メーカーだからこそ対応できるような部分も細かくユーザーのオーダーを実現することができる。
SARTO ENERGIA
サルト・エネルジア
フレームセット価格 65万円(税抜)
オプション(税抜)
フルジオメトリーオーダ ー/5万円
インテグレーテッドシートチューブ 仕様/3万円
UDカーボン表面仕上げ/5 万円
フロントフォークダイレクトマウントブレーキ仕様/5万円
チェーンステーダイレクト マウントブレーキ仕様/5万円
BB規格変更(BSA、BB30)/1万円
ディスクブレーキ 仕様/6万円
フレームグラフィック&カラー チェンジ/7万円
フレームカラーチェンジ/3万円
フレーム●カーボン
フォーク●カーボン
コンポーネント●カンパニョーロ・コーラスEPS
ホイール●フルクラム・レーシングスピード
タイヤ●パナレーサー・レースAエボ2チューブラー
ハンドルバー●FSA・エナジーコンパクト
ステム●FSA・OS99-CSI31カーボンステム レッド
サドル●セライタリア・ターボマチックチームエディション
シートポスト●FSA・K-フォースSB32
実測重量●6.89kg(サイズXS、ペダルなし)
サイズ●XXS、XS、S、SM(B=540、他の数値はデータなし)、M、L、XL、XXL
カラー●EN-01、EN-02、EN-03、EN-04
※試乗車はオプションのフレームカラーチェンジ仕様
ねじれに強い四角断面のトップチューブは、前から1/3ほどのところでゆるくベンドし、振動吸収性と個性的な見た目を手に入れている
採用されているベンドタイプ(オフセット43mm)のほか、ストレートタイプ(オフセット45mm)と使用カーボンが違うモデルの3種類からフォークは選択可能
試乗車は電動コンポーネント対応仕様。 このケーブル出口の位置も変更可能。もちろん機械式コンポーネントにも対応させることができる
ヘッドチューブは、下ワンに1・5インチ径のベアリングを採用したテー パードヘッド。ハンドリングを安定させる
ヘッドチューブの付け根部分が、フォークの肩を包み込むようにボリュームアップされている。しっかりした剛性と見た目の美しさを求めた結果だ
吉本 司の試乗レポート
サルトのラインナップを順番に乗ってきてたどりついたエネルジアの印象は、アソラとダイナミカのベンチマークとなったフレームなんだということ。
ロードバイクに必要などんな挙動も、思いのままにこなすことができる。
パワーをかけて加速すれば、気持ちよくしなりながら路面に力を伝えていく。しなるといっても快適性のためにしなるのではなく、加速するためにしなっている。
荒れたところを走ってもバイクがすぐに暴れなくなる、振動吸収性が優れている。
エネルジアが超優等生だとすれば、パリッとした乗り味で尖らせたのがアソラで、剛性を際立たせたのがダイナミカ。
どれがベストなバイクかは乗り手がどこに重点を置くかで変わる。レースでもサイクリングでも、素直に従ってくれるフレームを探しているならオススメだ。