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ベルギーが生んだ世界のサイクルウエア BIORACER本社訪問レポート
2013.05.09
『自転車選手にとって最高のもの』を追求するトップブランド
世界の頂点を目指すトップアスリートたちから、絶大な信頼を得ているサイクルウエアブランドがある。それがベルギー生まれのビオレーサー(Bioracer)だ。1984年に、元選手でありコーチでもあったライモン・バンストラーレンが、その知識と経験を生かして創立したビオレーサー社のスタート地点は、ウエアーメーカーではなくバイクフィッティング・システムの開発だった。ビオレーサーという社名は「Biomechanics/バイオメカニック(生体力学)」と「Racer/レーサー(選手)」をつなげた造語である。ビオレーサーは常に「自転車選手にとって最高のものは何か」を追求し、生体力学から得られる情報をもとに、選手のパフォーマンスを向上させることを使命とした。そのための開発はバイクフィッティング・システムにとどまらず、1986年にはサイクルウエアの世界にも進出したのだ。そして1988年には、サイクリングショーツに初めてシームレス(継ぎ目のない)パッドを採用した。近年では2009年に、科学的なリサーチに基づいたエアーストリーム・サイクリングパッドを開発している。ビオレーサーは今も昔も選手のために最高のものを追求しつづけ、常に最新技術を導入している。
ナショナルチームの勝利が証明する品質
ビオレーサー社製のサイクルウエアの品質は、自転車レースの最高峰の場で証明されている。地元ベルギーのナショナルチームだけでなく、オランダ、ドイツ、ルクセンブルクのナショナルチームもビオレーサー社製のナショナルジャージを使用し、1986年以来、オリンピックのメダルが26個、世界チャンピオンは101人誕生している。昨年のロンドンオリンピックだけでも、ビオレーサー社製のナショナルジャージを着た選手がメダルを12個獲得。オランダで開催されたリンブルフ世界選では、エリート男子ロードで優勝したベルギーのフィリップ・ジルベールと、エリード男子個人タイムトライアルで優勝したドイツのトニー・マルティンも、ビオレーサー社製のナショナルジャージを着て栄光の瞬間を迎えた。
ビオレーサー社製のサイクルウエアは、ナショナルチームだけでなくプロチームにも採用されている。現在ジロ・デ・イタリアに出場しているスペインのエウスカルテル・エウスカディと、シクロクロスのトップチーム、テレネット・フィデアがビオレーサー社製のサイクルウエアを身にまとい、日々勝利を目指して疾走している。
■リンブルフ州テッセンデルロにある本社工場。ここですべての工程が行われている
■CEOのバンストラーレン氏。工場見学には彼が同行し、その理念を熱く語ってくれた
■ビオレーサーの原点となったバイクフィッティング・システム
■ビオレーサーのロゴマークはレオナルド・ダヴィンチの有名な人体図をデジタル化したものだ。本社のエントランスにはアンティークのミシンと一緒にその人体図が飾られている
熟練の職人たちが働く製造現場
ベルギーを代表するもう1つのサイクルウエアブランド、フェルマルク社が独自の理念にもとづいて縫製などの工程をイタリアで行なっているのとは対照的に、ビオレーサー社はデザインからのすべての工程を、リンブルフ州テッセンデルロにあるベルギーの本社工場で行っている。ビオレーサー社のサイクルウエアは、正真正銘のメイド・イン・ベルギーなのだ。そして素材にもこだわりを持ち、ヨーロッパ製の最高級のものだけが使用されている。ビオレーサー本社の近くには自転車のトップブランドであるリドレー本社もあり、彼らはフランダース地方の自転車産業が集まった『バイクバレー(Bike Valley)』というグループを作り、共同で研究開発を行なって前進を続けている。
■ビオレーサーは縫製もすべてベルギー国内で行なっている。ここでチャンピオンたちのウエアが生まれるのだ
■勘だけを頼りにビブショーツにパッドをまち針で固定。しかも作業はあっという間に終わってしまう。熟練の職人だけができる技だ
■縫製を待つ布地が幾重にも重ねられている。このウエアも勝利を体験するのだろうか
■本社の壁にいくつも飾られたアルカンシエルがビオレーサーの勲章。それはトップブランドのあかしでもある
http://www.bioracer.com/
ビオレーサー日本上陸!2013 春夏コレクション発売
ベルギーの大手サイクルウエアブランド「BIORACER(ビオレーサー)」が、2013年4月11日より日本で春夏コレクションを発売した。ムービーはこちら http://www.youtube.com/watch?v=oTPh7K-C3yw