長距離ライドに!ニールプライド・ゼファー
コンセプトはレーシングコンフォート
パリ~ルーベのような過酷な路面状況のレースを闘い抜くことができるよう開発された「ゼファー」。ただ快適性を追求したのではなく、走る、止まる、曲がるというロードバイクの基本的な性能をしっかりと持たせたことを意味する。
フレーム素材には、同社が開発した6.7Cというカーボンファイバーが使用される。これは東レのT700と46Tカーボンをブレンドしたもの。優れた強度と耐久性を有する。
ジオメトリーは、長いホイールベースと、BB下がりが大きいことが目に付く。いかにもコンフォートな乗り味が想像されるが、快速性能を確保するためのアイデアがしっかりと盛り込まれている。
フロントフォークは、先端部分を後方にオフセットすることで振動吸収性を上げる効果がある。それでいて剛性は同社の軽量モデル、ビューラSLと同じだという。これは確実なブレーキング、コーナリングの安定性を意味する。
フォーク同様にバックステーの形状も独特だ。長めのチェーンステーによって、長いホイールベースを確保することによる安定した走行を実現。チェーンステーと一体成型されることにより、ペダリングパワーをムダなくホイールに伝える。
ヘッドチューブは、下ワンに1・1/4インチ径のベアリングを採用。アップライトなポジションで走るコラム長が必要なライダーでも設計意図どおりのハンドリングとヘッド剛性を享受できるよう長めの設計となっている。
ニールプライド・ゼファー
フレーム価格 27万3000円
フレーム:カーボン
フォーク:カーボン
コンポーネント:シマノ・アルテグラ6800
ホイール:マヴィック・キシリウムSLS
タイヤ:マヴィック・イクシオン プロパワーリンク 700×23C(リヤ)、イクシオン プログリップリンク 700×23C(フロント)
ハンドルバー:オリジナル
ステム:オリジナル
サドル:オリジナル
シートポスト:オリジナル
試乗車実測重量:7.40kg(サイズS、ペダルなし)
サイズ:XS(500)、S(525)、M(540)、L(555)、XL(570)
カラー:ホワイト×レッド(グロス)、ブラック×ライム(マット)
■写真下・左:BBの規格には、プレスフィット30を採用。軽く仕上がるとともに、ペダリングのパワーを余すことなく受け止める。
■写真下・右:フロントフォークは先端を後方にオフセットすることで、剛性を落とさずに振動吸収性を確保している。
■写真下・左:大きく後方にせり出したリヤエンド。415mmとレースに特価したモデルよりも10mm近く長い。
■写真下・右:快適性アップを狙い、後方に向かって徐々に細くなっていくトップチューブ。長さも短めなので、アップライトなポジションが取りやすい。
ナカジの試乗インプレッション
特徴的な形状のフロントフォークは、乗り味も独特。ブレードのかっちり感はあるのに振動の伝わり方がかっちりではないので、想像した反応とは違う情報が伝わってくる。なんとも不思議な感覚だ。
これまた独特のバックは見た目どおり、さすがの振動吸収性をもっている。魔法のじゅうたんとまでは言い過ぎだが、細かい路面の凹凸はみごとにいなしている。
気になったのは、一定以上の大きさの段差になると一気に跳ねるようになるところ。小さな段差をうまくまとめているだけに、そのギャップにとまどう。しかし、腰砕けのやわらかいフレームということはない。ダンシングで上ると、すいすいとバイクが進む。ちょっと不思議な加速感。とても個性的だ。
200kmを超えるような長距離ライドを楽しみたい。その相棒を探しているならば選択肢のひとつになるバイクだ。