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フルアルミの高性能バイク、KOGA A-LIMITED

とうの昔にカーボン全盛時代になっているにもかかわらず「本気のフルアルミ」が注目を集めている。金属ならではの高みを目指した高性能バイクは確実に増えている。「コガ・Aリミテッド」もそんな特殊マーケット参入車だ。

 

text:安井行生 photo:小見哲彦

ロード乗りのハートに刺さるルックス

 

コガはかつてフルプロスカンジウムという名車を持ち、今年もキメラのアルミバージョンをラインナップするなど、金属フレーム作りに関する豊富なノウハウを有するブランドである。

 

「Aリミテッド」のフレーム素材はトリプルバテッド管にハイドロフォーム加工を施した6069アルミ。

下ワン径1-1/4インチのテーパードヘッドやプレスフィットBBなどフレームの基幹をなす新規格は取り入れつつ、パイプ形状は直線基調でシンプルなもの。

フレーム前半を太くしっかりと作り、トップチューブ後半やシートステーは細くして快適性を確保する設計意図が見て取れる。

 

このブルーは塗装ではなくアルマイト処理によるもの。フレーム重量は約1090g(500サイズ)とフルアルミにしてはかなり軽い。

 

KOGA A-LIMITED

コガ  Aリミテッド

フレームセット価格  16万9800円

 

フレーム:アルミ

フォーク:カーボン

コンポーネント:シマノ・105

ホイール:シマノ・アルテグラWH-6800

タイヤ:シュワルベ・アルトレモZX  700×23C

ハンドルバー:プロ・PLT

ステム:プロ・PLT

サドル:セライタリア・SLチームエディション

シートポスト:コガ・オリジナル

試乗車実測重量:7.8kg(500サイズ、ペダルなし)

サイズ:47、50、54、56、58

カラー:ブルーアノダイズド

 

 

■横方向に扁平されたシートステー。上下にはかなり薄く、アルミとしては限界の細さだろう。ただ、乗り心地はしっかりとしたもの。

 

 

■ヘッドは下側1-1/4インチの上下異径タイプ。フォークは深いストレート形状で、内側がフレームと同じブルーにペイントされる。

 

 

■シートステー&チェーンステーとの溶接面積をできるだけ多くかせぐために工夫されたエンド。コガのライダーマークが光る。

 

 

■透明感のあるブルーは塗装ではなくアルマイト。表面の耐摩擦性を上げたうえ、他の金属フレームにはない質感を獲得している。

 

安井行生の試乗レポート

 

直線で構成されたシルエット、短いヘッドチューブ、コンパクトなリヤ三角、透き通るブルーにシンプルなロゴ。

「Aリミテッド」の魅力その1はレーシングバイク然とした外観だ。取材スタッフ全員で「カッコいいねぇ」とため息をついた。

ロード乗りのハートに刺さるルックスである。

 

走りのベースにあるのは岩のような剛性感。キャード10のようなカーボンに真っ向勝負を挑む洗練されたフルアルミではなく、フルアルミならではの路線をばく進するフルアルミ。骨太で無骨で、古いといえば古い。

坂では重厚感が脚に響く。でも、そこを乗り越えて強引に踏み込むとパワーに忠実に答えてくれるというフレームである。

 

快適性はそれなりだが、こざかしい演出はどこにも見られない。この「いかにもアルミ」な走りが魅力その2だ。

鋭さと扱いやすさが絶妙にブレンドされたハンドリングもすばらしい。フレームセットで約17万円と決して安くはない。

しかしそれを承知で、個人的にはサブバイクとしてこのブルーのコガをお勧めしたい。

 

最新鋭カーボンバイクと「Aリミテッド」の2台態勢で、洗練された最新の走りと野性味あふれる金属との対比を楽しむなんて、最高の自転車生活ではないか。

 

 

問い合わせ先

ジオライドジャパン
0463-75-8751
http://koga-bikes.jp/