プロチーム「ベルキン」が使用するビアンキ・オルトレ XR.2
市販モデルにデュラエース搭載
市販モデルにおいて、デュラエースのコンポをメインに搭載したのが「オルトレXR.2 デュラエース11SP」だ。
エアロダイナミクスへの配慮をした特徴的なデザインのフレームは、一見前作との違いはないように思えるが、ダウンチューブのヘッド側下部とフォーククラウンの空間を埋めるようなデザインへと生まれ変わり、空力性能を高めることに成功したという。
さらにハンガーシェルは、BB30から整備性に優れるBB386規格に変更。
これまで電動・機械式別仕様だったシフトケーブルも兼用となり、利便性が高められた。
またリヤブレーキワイヤの挿入口も右側に移設してブレーキレバーの引きの軽さを求めるなど、細部の見直しも行なわれている。
フレーム製造においては、大きな力のかかるヘッドとハンガー部に「X-TEX」と呼ばれるX状の編み目に織り込まれたカーボン層を挿入する。
ビアンキ独自の製法により剛性が高められている。
ナノカーボン技術によって振動吸収性と衝撃吸収性を高めた極細・扁平仕様のシートステー「UTSS」、カーボンシートのしわを防いで品質向上と軽量化に貢献する「WMP」といった技術は前作同様で、フレーム単体重量も変わりのない55サイズで895gに仕上げられる。
現状に甘んじることなく前進するさまは、老舗ブランドのプライドといえるだろう。
ビアンキ・オルトレ XR.2
フレームセット価格 38万8500円
シマノ・デュラエース9000完成車価格 93万4500円~
フレーム:カーボン
フォーク:カーボン
コンポーネント:シマノ・デュラエース9000
ホイール:フルクラム・レーシング5
タイヤ:ハッチンソン・アトムコンプ 700×23C
ハンドルバー:FSA・K-ウィングエアロ31
ステム:FSA・SL-K31
サドル:フィジーク・アリオネR3キウム
シートポスト:オリジナルシートポスト
試乗車実測重量:7.12kg(550サイズ、ペダルなし)
サイズ:470、500、530、550、570、590、610
カラー:CK、OF、TT、OA
■ダウンチューブからチェーンステーにかけて流れるようなデザインが美しい。オルトレシリーズ独特のハンガーまわり。BB386採用によってハンガー部剛性の強化も期待される。
■乗り心地向上のために弓なりに成型されたトップチューブ。ヘッド側はねじれ剛性を高めるために幅広で、シート側に向かって幅は狭くなり、フレーム前三角剛性が調整される。
吉本 司の試乗レポート
ビアンキのオルトレシリーズは処女作から本作まですべてを試乗しているが、モデルを追うごとにスパルタンになっている。
ダウンチューブを指で弾いたときに感じる肉厚さも、現行モデルがもっとも硬質に感じる。
初代はロングクルーザー的な乗り味もあったが、2作目以降はその感覚を残しつつも、加速での切れやトルクをかけたときのバイクの出方に力強さが与えられている。
そしてマイナーチェンジされた「XR.2」は、XRよりもわずかに剛性が高い印象だ。
ヘッドからハンガーエリアまで剛性を稼いで、チェーンステーの中間から後半、さらにアッパーラインによって横剛性が調整されて微妙なタメを生かして走るのがオルトレの特長だが、フレーム剛性の向上はポジティブに作用する。
とくにこう配の変化による踏み直しやコーナーからの立ち上がり加速で、さらなる俊敏さを手に入れている。
しかも大きなトルクをかけたペダリングでの脚当たりも快適なレベルを保っているので、先代からの高速巡航のよさも維持されている。
若干フロントまわりが硬くなった印象もあるが、ハンドリングの過敏さはなく、オルトレのもうひとつの美点である安定性は失われていない。
前作のほうがもう少しゆったりと乗れる感覚を持つような気がするので、個人的には好みなのだが、走りのキレが増した「XR.2」はトップクラスのロードレースでの戦闘力を考慮すると、さらに性能バランスが増したといえる。
UCIプロチームのベルキンをサポートするバイクとしては、当然の進化といえるだろう。
問い合わせ先
03-5812-2070