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MTB全日本直前! 選手合同合宿、密着レポート

MTB全日本選手権を間近に控えた7月3日~8日、長野県飯山市にて行なわれた、選手たちの合宿の1日に密着した。普段はライバル関係にある彼らが合同で行なうこの合宿は、どのような雰囲気だったのか。そして、彼らの全日本に向けた意気込みを聞いた。

 

text&photo●岩崎竜太

全日本選手権への最終調整

ロードレースはチーム競技であるため、チームメイトとトレーニグを行なうことは当然だろう。だが、MTBは基本的に個人競技のため、選手たちはレース前でもそれぞれに練習をすることが多い。しかしながらここ数年、新たな動きがある。それは先にも述べたように、各チームの選手たちが合同で合宿を行なうことだ。

その中心となっているのは、Jシリーズ連勝中の斉藤亮(ブリヂストンアンカーサイクリングチーム)、松本駿(チームスコット)、恩田祐一(ミヤタメリダバイキングチーム)といった長野をベースに活躍するトップライダーたちだ。この合宿が最初に行なわれたのは4年ほど前のこと。初めはJシリーズのシーズン前の調整のためというのが目的だったが、昨年からは全日本選手権に焦点を絞り合同でトレーニングをしているという。合宿の6日間、選手たちはトレーニングをともにするのはもちろん、食事の準備をしたり、洗濯をしたりと生活面でも支えあっている。それだけ選手同士の関係は良好だ。ライバルであっても、いやライバルであるからこそ、目標に向かって一丸となって行動できるのかもしれない。

 

●この日のメニューはカレー、サラダ、スープなど。選手たちは役割分担をし夕食の準備を行なっていた

 

参加する選手たちのレベルはさまざまだが、“合同”であるメリットは大きい。“全日本に最良の状態で挑む”同じ目的を持った選手たちが集まることで、高い意識を持って練習にのぞめるのだと松本選手は話してくれた。「しっかりと追い込むためにも、ライバルの存在は必要です。パワートレーニングデータから見ても、ひとりではとうていできない高い出力での練習ができています」。練習内容についても、メリットがある。この合宿では、事前にそれぞれが行なっている、メニューを提案して合宿時のメニューを決める。経験したことのない新たなメニューに取り組むことは、さらなる成長のためのヒントがあるのだ。

 

斉藤亮(男子エリート:ブリヂストンアンカーサイクリングチーム)

●「1年に1度の大勝負。その年の日本一を決めるレース。それが全日本選手権です。過去の経験や失敗から、多くのことを学んだのも全日本選手権でした。今年は競技生活の集大成として挑む特別なレースになると思います。気負うことなく、今できる自分の最高の走りをして見せます。この日この瞬間を心のアルバムにしっかりと刻み、最高の笑顔でレースを終えたいと思います。皆さんのご声援よろしくお願いします!」

 

恩田祐一(男子エリート:ミヤタメリダバイキングチーム)

●今シーズン、クロスカントリースキーから転向してきた恩田も「僕自身、体力には自信がありますが、技術に関してはまだまだ素人同然です。多くのライダーと一緒に走り、話をすることで得られる物が多いとも思っていました。斉藤の前、うしろを走る緊張感。多くの選手と励まし合って行なう厳しいトレーニング。どれも1人でのトレーニングでは得られないものです。年に一度の大勝負である全日本選手権。MTB転向一年目だからとかは、スタートしてしまえば関係ないし、そんな甘い考えは一切ありません。とにかくそのときの全力をつくし、少しでも速くゴールしたいと思います。斉藤と一緒の表彰台に上がれるように、頑張ります。 


松尾純(男子エリート:ミヤタメリダバイキングチーム)

●自分はこの全日本を今年一番の目標にし練習してきました。 今年は段々と調子を上げる事が出来ているので、後はレースのときに自分の最高の走りをするだけです。 応援宜しくお願いします!


山本兆(男子U23:バイクランチ)、山田将輝(男子ジュニア:リミテッド846/ダートフリーク)

●やはり目指すは優勝。厳しいレースなことは間違いないですが挑戦はしたい。表彰台には絶対に上りたい。マッドレースが得意なので雨が降ってくれると嬉しいです。路面状況が悪いほど勝率は上がると思ってます。何はともあれこの日全てを出し切れるようにしっかり調整して悔いの残らないレースにしたい。(山本)

 

●普段ジュニアの選手だけで争うレースがないので、楽しんで走りたいと思います。 でも出るからにはもちろん優勝を狙っていきます!(山田)