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日向涼子と もっと楽しむ! ヒルクライム vol.1

cyclesports.jpに、再び日向涼子が帰ってきた!(笑) 昨年はかなりストイックなトレーニング企画でしたが、今年は自転車の楽しさを再発見できるメソッドをご紹介します。
 
text●日向涼子 photo●吉田悠太

速さを追い求めてきたけれど・・・

ちょうど1年前。「日向涼子と強くなる!」というタイトルで、ヒルクライムの走り方やレースに向けてのトレーニング方法を中心に連載を展開。レースを走るときのペース配分や、ダンシングの習得。体幹トレーニングの方法などを紹介した。それによって、その後のレースでは結果を出せるようになった。しかし、現在は自転車に乗るための時間を取るのに一苦労。久しぶりに仲間と走っても以前のような走りが出来ず、少し弱気に・・・。
 
そこで、ふたたびシーナック中込夫妻の元を訪れた日向。アドバイスされたのは、がつがつ追い込むのではなく、「自転車に乗ることを楽しむ!」という感覚を味わおうということだった。好きで始めた自転車なのに、以前のように自転車に乗る時間が取れず、思うように目標を達成できない。仲間から置いていかれている。そんなプレッシャーを感じている人たちへ、すこし視点を変えた自転車との付き合い方のご提案。
 

豪華アドバイザー 中込辰吾、由香里夫妻

・中込辰吾さん(写真左)
MTBクロスカントリーの元全日本チャンピオン。ロード、トラック、MTBのすべてで日本代表を経験。
 
・中込由香里さん(写真右)
2013年MTB全日本チャンピオンを含む、5回の全日本制覇を成し遂げた。また、アジア大会やオリンピックでの日本代表経験もある。抱かれているのは愛犬リップ。
 
 
 
 
 
 
 
・日向涼子
企業広告を中心に活動するモデル。2010年よりロードバイクに乗り始め、2012年からヒルクライムレースに参戦。昨年の連載後は、「IP & E パラオ・ロードレース 100k」で女子の部優勝、今年は「Mt.富士ヒルクライム」で念願の1時間30分切りを果たした。
 

楽しく走る!

サイクルスポーツ編集部ナカジ(以下、ナ):最近、調子はどうですか?
日向(以下、ひ):おかげさまで、昨年の連載後は自分なりに満足のいく結果が出せました。ただ、最近は仕事の幅が広がって、仕事が楽しくて仕方がないというか・・・。
:いいことじゃないですか。
:仕事が充実している分、今は自転車に乗る時間を取るのが難しい状況です。
:僕のまわりにも、そういう人いますよ。なかには、そのまま自転車に乗らなくなってしまう人もいますね・・・。
:その人の気持ち、ちょっと分かります。今はSNSがあって便利な世の中になったけど、自分が仕事をしている時に友達が走りに行っていると、「やばい!」って焦っちゃう。それが繰り返されると、取り残されたような気分になります。以前なら、「私も明日は走るぞ!」って励みになったのに・・・。今は、その明日も仕事だったり(苦笑)。
ようやく時間が作れて走りに行くと、勘を取り戻すまでに時間がかかるというか、以前のように追い込めない。タイムを計っても、散々で情けなくなります。長い時間走り続けると少しずつ体が動くようになるけど、ヒルクライムレースって短時間で終わっちゃうし。今の私じゃ、勘を取り戻した頃にはフィニッシュしちゃう(笑)。このままだと、レースに出ることがプレッシャーになってしまいそうで怖いです。
:レースに出るようになって、今年で3年目ですよね。ひとつ節目になる時期かもしれませんし、今年もシーナック・キャビンへ相談しに行きましょうか。
 

一路シーナック・キャビンへ

:という訳なんですが、秋のレースシーズンに向けて気持ちを切り替えるには、どうしたらいいでしょうか?
中込辰吾(以下、辰):レースに出なくてもいいんじゃない?
:えっ?
中込由香里(以下、由):ひなたんはプロじゃないよね。中には結果を求める人もいると思うけど、楽しみながら頑張っているから、みんなも応援してくれるんだと思うよ。
:レースに出ないというのは極端だけど、まずは自転車を楽しむ気持ちを思い出すことが今のひなたんには必要なことじゃないかな。
:確かに、そうかもしれません。
:近くに気になるお店が出来たから、サイクリングがてらランチしに行かない? 八ヶ岳のふもとにあるカフェレストラン。
 
:こっちは涼しくて、走っていて気持ちがいいですね!風景の変化や風を感じて走ることが本当に楽しくて・・・。自転車に乗り始めた頃の気持ちを思い出しました。
:そうそう。そういう前向きな気持ちを日記にしてみたら?
:思うように走れなかった日でも、よかった点を探すの。自転車に乗らなくても、ほんとに些細な喜びでいいから。そうして書きためていくうちに変化があるかもよ。
:日記ですか。行きの車で「強い選手はトレーニング日誌をつけている」という話をしていたんです!
:トレーニング日誌というほど堅苦しくなくていいけどね。そういうことが書きたくなったら書けばいいし、そんな気持ちにならなかったらゆるい内容で構わないから。
:イラストだけの日があってもいいですか?(笑)
:もちろん。楽しく書き続けることで、何か“気づき”があると思うよ。
 
こうして、しばらくの間、日記を書き続けることに。書くのが楽しくなるように、日記に「ひなトレ日記」と名前をつけました。
 

こんなことに気をつけて

【日記のポイント】
過度の疲労によって自律神経が乱れると、不眠、イライラ、体調不良などを招く。放っておけば悪い流れを翌日まで引きずってしまうことになるが、一日を振り返ることができる日記は、この乱れをリセットする効果がある。
デジタル時代に「手書き」というのは面倒だが、文字は、その時の気分や心の状態をありのままに映し出してくれる。文字が乱れている時には自律神経も乱れていることが多い。例え乱れていても、それに気づけたことに意味がある。
大切なのは、なるべく前向きな気持ち、ひとつの出来事や感じたことをポジティブな視点で書くこと。それによってモチベーションが高まり、それが日々の行動につながり、夢や目標への実現に近づく。
 
【走りのポイント】
気張らず、まずは楽しくサイクリングする気持ちで。数字を追い求める走りはしない。とはいえ、一応その日の数値(項目は以下を参照)は記録しておく。数値をみることでネガティブになるのではなく、ポジティブな要素を見つけることが大切。(例:心拍は上がらなかったけれど、脚の動きは悪くなかった、一定のペースを維持して走ることができた。など)
 

ひなトレ日記

・ライド時間、距離
・消費カロリー
・最高心拍、平均心拍(測れたら)
・トレーニングメモ
・日記
・気づき、改善ポイント(アンダーラインが引いてあるところ。ここにその日に気づいたことを書く。自分なりにポジティブなことを書きやすいような項目名を付けてみて!)
 
文章を書くのが面倒だなと思ったら以下のスタンプを貼っておくだけでもOK。自分の気持ちに近いものを使ってください。
 
 
スタンプ解説(上から)

・好調
・焦り
・悩み
・不調
・目標達成!
 
vol.2はこちら! 

取材協力:シーナック・キャビン
http://www.sy-nak.com/sy-nak.htm
 
衣装協力:KAPELMUUR/カペルミュール(ウエイブワン)