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DARE MR1 試乗レポート

2015年モデルとして、また一つ新しいブランドが日本に登場する。「DARE」と書いて「ディア」と読むこのブランドは、10年以上台湾でさまざまなブランドのフレームのOEM生産を請け負ってきた。紹介するのは「MR1」。
 
text:ナカジ、photo:岡 拓

すべて、いいとこ取りの新ブランド

 
DAREという単語には、「~に敢然と立ち向かう」という意味がある。これは同社が、つねに目標としていることゆえにブランド名にしているそうだ。  
OEM生産で培ったノウハウにより、ロードバイクとして理想的な形、規格を取り入れたバイクを作ることを信条とし、社長みずから販売店に足を運んで細かいニーズを聞き取り、製品作りに生かし ている。また、他社よりも性能がいいモデルを低価格で提供することを目指している。  
 
「MR1」は、Mounain Race 1の略称で、同社の軽量フラッグシップモデルである。 50サイズから580サイズまでの6種類ある。そして、比較的安価なアップチャージでセミカラーオーダーも可能だ。まさに、各社のいいとこ取りをしたフレームに 仕上がっている。
 
フレーム素材には東レと共同開発 したカーボン素材を使用。ヘッドチューブは下ワンに1 - 1/4インチ径のベアリングを採用したテ ーパードタイプで、BBはプレスフィット。フォークの付け根のフォルムでは空気抵抗軽減を意識し、ワイヤ類はすべてフレームに内蔵される。そして、シートチューブ は左右非対称設計だ。サイズも450サイズから580サイズまでの6種類ある。
 
おまけに写真の状態で重量は6kg台前半だ。プレーンなルックスながら、その内容はラーメンの「トッピング全部乗せ」かのような豪華さである。今まで裏方であったOEMメーカー がまた一社、表舞台へと登場してきた。そのポテンシャルはどれほどのものなのか。
 

DARE MR1

 
ディア MR1 
フレームセット価格/24万9000円(税抜)
カラーオーダー30万円(税抜)
 
フレーム●カーボン 
フォーク●カーボン 
コンポーネント●シマノ・デュラエース9000 
ホイール●シマノ・デュラエース C35TU 
タイヤ●ヴィットリア・コルサエボCX 700×23C 
ハンドルバー●ディア・コンパクトロードバー 
ステム●ディア・ オリジナル 
サドル●フォルツァ・ストラトスメンライト 
シートポスト●ディア・カーボンシートポスト 
試乗車実測重量 ●6.36kg(510サイズ、ペダルなし) 
サイズ●450、480、510、540、560、580 ※560以上は受注生産 
カラー●ホワ イト、ファントム(通常&オーダー)、レッド、グリーン、オレンジ、ピンク、イエロー、ブルー(オーダー)
※写真はオー ダーカラーのレッド
 
 
下ワン1-1/4インチ径のベアリングを採用する上下異径の構造。ヘッドの剛性と軽さのバランスを重視した設計だ。ワイヤ類はすべてフレームに内蔵される
 
 
シートチューブとBBシェルが接合される部分は、左側に大きくリブが張り出している左右非対称な形状。 これによってパワー伝達効率をアップさせている
 
 
シートステーはとてもきゃしゃ。 徹底的に軽量化され、かつ必要な強 度を持たせるべく設計されている。 シートチューブの幅よりもやや広い接合面が確保されている
 
 
フロントフォークの根元はトップチューブやダウンチューブと流れるようにつながる形状を持つ。エアロ効果をもたらし、見た目もカッコいい
 
 
BBにはプレスフィットタイプを採用。フ レームのボリュームが大きい。とくにフレーム左側はシートチューブが大きく後方に張り 出していることもあり、力強い外観だ
ブやダウンチューブと流れるようにつながる 形状を持つ。エアロ効果をもたらし、見た目 もカッコいい
 

ナカジの試乗レポート

 
約24万円という価格設定を 聞いてどう思うかによるけれども、この走行性能は妥当、いやむしろ健闘しているといっていいのではないだろうか。 
 
細身のフレームは、加速すべくペダルに力を込める と、わかりやすくウィップしながら前へと出ていく。ペダルの位置が1時から3時くらいで受け止めたパワーを、5時から6時くらいにペダルが来たところで解き放っているイメージ。
ゆえに、しなりが戻ったときにはさっき力を込めたペダルとは反対側のペダルに力を入れるタイミングになっているので、テンポよくペダリングすることができる印象。
 
ハンドリングは各社のトップモデルに出てきている、かなりクイックな反応ではなく、いたって落ち着いたもの。購入プランとしてパーツを載せ替えても、さほど違和感なく使い続けることができると思う。  
 
小難しいことを書いてしまったが、「MR1」一番の武器はその軽さである。ホイールに WH-9000-C35-TUが付いているとはいえ、ほかにはとくに体重制限があるような軽量パーツを使っているわけはないのに、ペダルなしで6kg台前半を達成している。
 
この軽さを生かして、ヒルクライムを軽快にこなせるのはもちろん、ロングライドイベントのように長い距離を走る必要 がある場合でも、気を遣わなくてもいいというのは大きなメリットだ。  ロングライドについて言えば、快適性も高いレベル。細身のシートステーから想像できるとおりだった。
 

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