コルナゴ・V1-r 試乗レポート
コルナゴ史上最軽量モデル、フェラーリと共同開発したエアロロードバイク、V1-r。 チームヨーロッパカーの山岳スペシャリスト、P・ローランの幾多の勝利を支えてきたMの後継機という位置付けだ。
トップクライマーを支える最先端軽量エアロロード
モノコック製法による高剛性と、重量800g台前半の軽さから生まれる絶妙なフレームバランス、 低速～中速域における加速力、推進力が非常に優れる。
さらにこのモデルの特徴は、なんといっても風洞実験から得られたデータをもとにフロントフォー ク、シートステー、チェーンステ ーを小型化し、整流効果を高めたエアロ形状とした点。
そのため前後ダイレクトマウント式ブレーキ システムを採用。ケーブルも内蔵され、モノコックの流線形状がいっそう映える外観になっている。
2014年からプレスフィット BBを導入したコルナゴは、市場にあるBB規格を分析し、V1-rに必要とされる信頼性を満たさないと判断。C に採用されている「スレッドフィット・5」をV1-rにも投入した。
フレームにダメージを与えない独自のアダプターが出荷時に挿入済みで、シマノ、カンパニョーロ、スラムなどはBBプレスフィットを使用することで純正品のクランクを使用できる。
また、電動変速機に対応した内蔵処理加工が施され、シマノはビルトインバッテリー、カンパニョーロはV2タイプにも対応する。
COLNAGO V1-r
コルナゴ・ブイワンアール
フレームセット価格/ 46万円(税抜)
フレーム●カーボン
フォーク●カーボン
コンポーネント●スラム・レッド22
ホイール●マヴィック・Rシス SLR
タイヤ●マヴィック・イクシオン プロ(フロント・グリップリンク、リヤ・パワーリンク)
ステム●デダエレメンティ・ゼロ100
サドル●セライタリア・SLR
シートポスト●オリジナル
試乗車実測重量●6.31kg(500Sサイズ、ペダルなし)
サイズ●42S、45S、48S、50S、52S、54S、56S、58S
カラー●ブラック、ブラックレッド、ホワイト
ダイレクトマウントブレーキはクラウンとフォークの幅に納まり、フレームとの一体感を高めている
シートステー、チェーンステーは風洞実験のデータから得られた形状で、縦、横の剛性も考慮されたデザイン
ハンガー裏にセットされたリヤブレーキ本体も余分な突起がなく、 制動力、コントロール性も高い
BB裏のブレーキでブリッジを省略するメーカーもあるが、剛性感に与える影響は大きく、V1-rでは残している
小林徹夫の試乗レポート
軽量バイクにありがちなヒラヒラ感がなく、走りにどっしりとした安定感がある。ギヤを無理なく踏み込めるのは大きなメリットだ。
V1-rはガチガチに硬いことを望まなければ、なんにでも使えるオールマイティなバイクといえるだろう。最近のバイクはフロントまわりが非常に強く突っ張っている感覚があるが、それはない。
フロ ントフォークを含めた前半部分とシートチューブからバック三角のバランスがよく、絶対的な剛性は高いレベルでありながらも嫌な硬さを感じさせない。
ハンガー位置が若干高めに感じるが、上りでいかに高いレベルで安定させるかに焦点が定められているように感じる。自分の限界がずっと先にあるような加速感はとくに気持ちがいい。
