デローザ・アヴァント試乗レポート
20万円台で楽しめるカーボンのデローザ
コンポーネントの操作感はバイクの走行感に驚くほど大きな影響を与える。レバーの動きがちょっと軽く滑らかになるだけで、バイク全体の動きが1ランク軽快になったように感じられるほどだ。
だから低価格ながら高い完成度を誇る新型105の登場は、ミドルグレード完成車の立ち位置を変えたのだ。
同じフレームであっても、5700系105完成車 と5800系105完成車では気持ちよさに天と地の差がある。 要するに、今年からシマノ・105完成車の魅力がグッと増したのだ。
それをわかってか、イタリアのデローザは新型105を搭載するニューモデルを同時に2台も市場に投入した。そのうちの1台が、この新型アヴァントである。
用意されるのは105完成車のみで、デローザのカーボンバイク中もっとも安価なモデルとなる。
DEROSA AVANT
デローザ・アヴァント
シマノ・105 完成車価格 25万円(税抜)
フレーム●カーボン
フォーク●カーボン
コンポーネント●シマノ・105
ホイール●シマノ・RS21
タイヤ●ヴィットリア・ルビノプロ 23C
ハンド ルバー●FSA・ヴェロ コンパクト
ステム●FSA・OS168
サドル●セラ イタリア・SL(デローザオリジナル)
シートポスト●プロ・PLT
試乗車 実測重量●8.15kg(39SLサイズ、ペダルなし)
サイズ●36.5SL、39SL、 42SL、45SL、48SL
カラー●ブラック×レッド×ホワイト
デローザのロゴが入ったセライタリアのサドルとエリートのボトルケージが付属する。コンポにしてもパーツにしても、いびつなコストダウンが見られないのは長所である
BB規格はBB30。フレームサイズによってクランク長とステム長は調整されるという。ホイールはシマノの11速対応モデル、RS-21。ケーブル類はすべて内蔵される。
細身のトップチューブとシートステーに対し、下側パワーラインはボリュームがある。トップチューブの特徴的なグラフィックは、数多あるミドルグレードのなかで個性を放つ。
クランクからブレーキまですべて105で統一されている。まじめなアッセンブルである。電動式コンポーネントにも対応済み。ヘッドは下ワン径1-1/4インチの上下異径タイプ。
安井行生の試乗レポート
シート角は立っているがトップチューブ長490mmという極小サイズが用意されるアヴァント。日本人に優しいジオメトリー設定である。
新型105のクリスピーな操作感に引っ張られ、バイク全体の印象は自然とよくなる。
コンポ&パ ーツには不満はないが、脚まわり(ホイールとタイヤ)は伸び代あり。フレームの剛性は低くないが、ホイールのグレードがさほど高くはないのでレーシーな走りは得意ではない。しっとりと落ち着いた走りが楽しめる。
タイヤをフュージョン3あたりに替えるだけで走りはさらによくなるだろう。ちょっと背伸びしてホイールを10万円クラスにすると、コンポ&フレームとのバランスが取れるかも。