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聖なる地を駆け下りる レッドブルホーリーライド2014

「聖なる場所を走る」レッドブルホーリーライド。11月29日(土)に京都・石清水八幡宮で開催された第4回大会は、過去3度の開催で、2位、2位、4位という勝てそうで勝てない悔しさを味わってきた井手川直樹(ダビンチ/ストライダー)が初優勝を果たした。

 

 
text:平野志磨子

井手川直樹が念願の初優勝!

全国から集まったライダーたち。予選のスタート前には、選手全員がご本殿前でMTB競技の発展とレースでの無事を祈った(photo:Jason Halayko/Red Bull Content Pool)

 

今回で4回目の開催となるレッドブルホーリーライド。大会の名のとおり「聖なる場所を走る」イベントが、ふたたび第一回大会の開催された石清水八幡宮に戻ってきた。

 

今年は、テーブルトップやキャニオンジャンプなど「魅せる」セクションが多く設置された。大会アドバイザーの壇拓磨氏によると、「今までは、誰でも走れるコース、でした。今回は大きな舵取りをして、日本人のライダーを成長させる、ライダーにチャレンジさせるというコンセプトをもとにコース設定をしました」とのこと。

 

キャニオンジャンプセクションを飛ぶライダー。各セクションには観戦エリアが設けられ、多くの観客が詰めかけた(photo:Jason Halayko/Red Bull Content Pool)

 

エントリーは130人。開始20分で定員が埋まるという話を聞くと、このレースの人気ぶりを垣間見ることができる。大阪・京都駅のどちらからも一時間以内にアクセスできる駅の目の前で行なわれるこの大迫力のレースは、観客やメディアの数も注目度もずば抜けている。

 

コースは石段369段の表参道。全長800m、高低差100m、最大斜度は22度。石段が滝のようになるほど明け方から降り続いた大雨は、朝9時頃に上がったが、試走を終えた選手達は口々に、「怖い!」と話す。千年以上前に創建された石清水八幡宮の石段の参道はところどころが苔むし、雨に濡れると氷のように滑る。

 

クラッシュの続出したスタート直後のコーナー。1/8ファイナルの2ヒート目、九島勇気がうまく抜け出した(photo:Hiroyuki Nakagawa/Red Bull Content Pool)

 

予選によって、32人に絞られた決勝トーナメントは、今年から4クロス形式となった。ただ下るだけではない、他のライダーたちとの駆け引きも大きな鍵だ。

4クロスならではのスタート直後のクラッシュやライダー同士の駆け引きに、ゴール地点ではパブリックビューイングを見守る観客が湧く。ニコニコ生放送でのライブ中継でも、3万人を越える視聴者がレースを楽しんだ。

 

決勝で、レース序盤にしてひとり抜け出す井手川直樹。後ろには安達、黒沢、高山の3人が並ぶ(photo:Hiroyuki Nakagawa/Red Bull Content Pool)

 

決勝に残ったのは2013年全日本チャンピオンの井手川直樹(ダビンチ/ストライダー)、2014年全日本チャンピオンの安達靖(ダートフリーク/サラセン)、メンタルの強さはピカイチの黒沢大介(ラブバイクス/ファスト)、BMXライダでもある高山祐次郎(AST)の4人。


スタート直後のコーナーで、井手川と高山のホイールがハスるという冷やっとしたシーンから始まったが、体勢を持ち直した井手川が前に出て、3人が続く。コース中盤のキャニオンジャンプで安達が転倒しDNF。


グングンと差を広げていく井手川に、続く黒沢と高山の同い年対決は白熱。お互いにラインを譲らない2人は七曲がりセクションのコーナーごとにバイクが絡む熱い展開を見せる。結果、危なげなく井手川がガッツポーズでゴールラインを切り初優勝。黒沢、高山の順に続いた。

 

(photo:Jason Halayko/Red Bull Content Pool)

 

レース後、井手川は「脚もキツかったけど、めっちゃ勝ちたかった。メディアの数も違うし、やっぱり特別。ここで勝ててたまらなくうれしいです!」と話した。

  

表彰式では会場を埋め尽くす観客の声援が勝者をたたえた。そして、トップ3のライダーにはチェーンリングを模したトロフィーが贈られた。


 
 

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