キャットアイ・CC-RD500B ストラーダスマートを試す!
絶妙なアイテム
キャットアイ・ストラーダスマートは、スマートフォン(以下スマホ)とブルートゥースで通信することで、スマホのGPS機能を借りてしまおうというサイクルコンピュータ。これは実に絶妙な立ち位置だと思う。何がどう絶妙なのか。それを理解するために、まず現在のサイクルコンピュータ市場を大まかに確認しておきたい。
かつてはスピード、走行距離、心拍数、パワー、時刻を表示することを求められていたが、GPSセンサー搭載モデルの登場でナビ機能や走行ログの記録。連携サイトにデータをアップすることで、手軽に走行記録を管理するなど、より多くの性能が付加された。
もう一方でスマートフォンアプリの台頭がある。ほとんどの機能は無料で使用することができ、有料版にアップグレードすればより便利に多くの機能を使うことができるようになる。トレーニングメニューをこなしたり、走行ログを取ることもできる。
どちらも便利なアイテムだが、弱点もある。まずGPSサイクルコンピュータは、機能が増えた分、操作が複雑になった。また価格も高価だ。スマートフォンアプリは、メーターとして使おうとするとハンドル周りに取り付けることになるわけだが、スマホそのものが大きいので、取りつけるにはスペースを取ってしまう。また、落下のリスクもゼロではない。
自分はというと、スマートフォンアプリ派だ。とはいえ、ハンドル周りにスマホを固定することはせず、走り出す時にアプリをオンにしてからは背中のポケットに入れっぱなし。走行中にスピードや走った距離などはわからないけれど、帰ってから確認すればいいやと割り切って使っていた。
ストラーダスマートはこの「割り切り」の部分を補ってくれる”絶妙な”アイテムなのである。スマホのアプリが計測するGPS信号を元に、距離、スピード、標高を計測。それをブルートゥースでサイクルコンピュータに伝え表示させる。この状態を「ミラーモード」と呼んでいる。もちろん、スピードメーターとセンサーだけで普通のサイクルコンピュータとして使用する「センサーダイレクトモード」もある。このモードで記録したデータも、後でスマホに保存することが可能。スマホを携行できないレース中などに便利だ。逆にスマートフォンのアプリだけでも使用することができる。
オススメしたいのはこんな人
もし自分がショップの店員だったなら、自分のようなスマートフォンアプリをすでに使っている人や、アプリは使っていないしGPSサイクルコンピュータは持っていない。でも、自分の走行ログやトレーニングログを獲れるサイクルコンピュータがほしいと思っている人だ。SNSに今日自分が走ったコースをアップして、仲間に見てほしいという人にも。
セットアップは10分
と、ここまではアイテムの有用性を語ってきたが、この手の商品で気になるのがセットアップの手間。自分で愛車に取り付ければ、より愛着が強くなるってもんですが、明日のライドに向けて取り付けを始めたらいつまでたっても終わらないなんて経験ないだろうか? ここではストラーダスマートの取扱い説明書の要点をかいつまんで動くようにするまでを紹介する。
1.
まずはアプリ「CATEYE CYCLING」をダウンロード。自分の使っている機種「富士通アローズNX」は対応機種リストにはなかったが、試しにダウンロードしてみたところ問題なく起動した。
2.
「CATEYE Atlas」、「STRAVA」、「TRAINING PEAKS」のどれかに登録する。すでに登録しているサービスがあるならそのアカウント情報を入力。サイクルコンピュータとスマートフォンで記録したログを最終的にこれらのサービスにアップして管理することになる。自分は「CATEYE Atlas」を選択。
3.
センサー類とペアリングを行う。この過程がだいたいつまずくところだが、ストラーダスマートはスムーズだった。アプリのメニューボタンをタップし「接続」をオンにし、接続機器メニュー画面にある「ペアリング」をタップ。その後サイクルコンピュータ裏側の「MENU」ボタンを押しつつ、もう一つのACボタンを押すとスマートフォンをサーチしてペアリング完了だ。スピードセンサー、ハートレートセンサーは近くに置いて信号を発信させれば同様にペアリングできる。タイヤ周長の変更など、表示はスマートフォンから設定変更が可能だ。
4.
設定は完了。走り出す前にアプリを起動し、スマートフォンのブルートゥースとGPSセンサーをオンに。サイクルコンピュータを一回クリックするとスマホ、センサー類のサーチがはじまる。「ready」と表示されたら走り出そう。
使い心地は?
自分がすでに別のスマートフォンアプリを使っていたせいもあり、走り出す前にアプリを起動してログをスタートするという行為にまったく抵抗がないため、ストラーダスマートを使うことで、スピードや距離など表示ディスプレイがハンドルに追加されたことはとても便利になった印象だ。使い始めて半月、一度機器との接続ができなくなったことがあったが、単にアプリの「接続」スイッチがオフのままだった。
アプリの機能もシンプルで直感的。使い方が分からなくなったときは、オンラインマニュアルも用意されている。これにはサイクルコンピュータのセットアップ方法も含まれている。以下にメリットとデメリットをまとめた。
・メリット
シンプルな操作
ハンドル周りが軽い(メーター重量17g)
必要最低限の機能で安価
無料アプリが結構便利!
・デメリット
スマートフォンのバッテリー消費がやや早くなる
他社の高額モデルと比べると機能が限られる
画面が小さい(→大画面モデル「パドローネスマート」の導入で解決! 写真左がストラーダスマート。右がパドローネスマート)
商品ラインナップ
【CC-RD500B ストラーダスマート】メーターのみ
価格/8800円(税抜)
【CC-RD500B トリプルワイヤレスキット】(写真上)
スピード・ケイデンスセンサー(ISC-12)と心拍センサー(HR-12)がついたキット。
価格/2万3000円(税抜)
【CC-RD500B スピード+ケイデンスキット】(写真中)
スピード・ケイデンスセンサー (ISC-12)がついたキット。
価格/1万5000円(税抜)
【CC-PA500B パドローネスマート】(写真下)
ストラーダスマートよりも、画面サイズが一回り大きくなり、より見やすくなったモデル。通信機能などはストラーダスマートと同様。
価格/9800円(税抜)