かっこいいけど組むのが大変 ルック795エアロライトを組んでみた! 後編
各社から今年も独創的なエアロロードが発表された。とはいえ、やっぱりこいつがいちばんかっこいい!(とナカジ的には思っている)ルック・795エアロライト。でも組むのはかなり大変だった! コーヒーブレイクを終えて後編へ。前編がまだの人はこちら。
ヘッド周りが難所!
eチューブのフレーム内蔵作業を終えたら、いよいよこのフレームの難関その1。ブレーキアウター内蔵作業が待っている。レバーからブレーキキャリパーまでフルアウターなので、少しの長さの違いがブレーキの引きの大きく影響するため、長さの調整にも気を遣う。
左右のレバーにつなぐeチューブと、外してあったヘッドベアリング受け兼ケーブルガイドをDi2ケーブルと嵌め合わせてヘッドチューブに収める。
その後、ブレーキアウターをヘッドチューブに空いている穴からどんどん入れていく。ヘッドパーツのカーブをクリアしたらジャンクションAを格納するエリアにワイヤが出てくるので、穴から指を突っ込んで下方に押し、一旦ヘッドチューブの下から外に出す。その後ダウンチューブへ導き、BB付近にある出口から引き出したらとりあえずリヤブレーキアウターをフレームに内蔵できたのでフォークを取り付ける。
この後アウターワイヤの長さを整える。ブレーキキャリパー解放パーツをレバーとヘッドチューブのルートの途中に取り付けるので、長さには細心の注意が求め られる。リヤブレーキワイヤのルーティングが、ほかのバイクよりもハンドリングに大きな影響をあたえることになる。この対処方法は最後に。
難所はまだ続く
次が難関その2にして、いちばん大変な工程。フロントブレーキへのワイヤリングだ。通常のバイクであればリヤよりも簡単な工程だが、795エアロライトの場合は違う。
まずはケーブルルーティングを確認しよう。ハンドルから来たブレーキケーブルはステムの下に開いた穴から内蔵が始まる。そのままステムの中を通ってフォークコラムの中に入り、フォークの股の部分から出てくる。そして、フォークブレードと一体になったVブレーキにつながるのだ。
アウターケーブルの長さを決定する必要があるのだが、リヤ同様、STIレバーとステムの途中にケーブルアジャスターを装備する必要があるので、その長さを鑑みてカットする必要がある。あとステム後方に付くエアロカバーを通し忘れないように。
フロントブレーキアウターがフォークの股から出たら、かなり長めに引っ張り出してカットする作業を行なう。長めに引っ張り出すのはワイヤカッターで作業しやすくするため。Vブレーキを扱うのなんて数年ぶり……。特有のケーブルガイドの長さを鑑みてカットすべし。40mmくらい。ステムの中にアウターが逃げ込まないように、かつVブレーキのベストな長さにアウターを切る作業は細心の注意が必要だ。
フロントブレーキワイヤは、やや長めがいい。適正な長さにできれば、ワイヤガイド(シルバーのパーツ)の位置が写真のような感じになる。上に引っ張られていたり、下に下がりすぎたりしないように。
ワイヤが通ったら、ブレーキ調整を行なう。いくつものボルトがあるが、上からブレーキワイヤ固定、シューホルダー固定、リムまでの距離調整、キャリパーのテンション調整の順序。調整機構が充実しているのはかなり好印象。
二日がかりで完成!
その後、Di2ケーブルをSTIレバーに接続。クランクをフレームに戻して完成だ。実はクランクを戻す時にもひともんちゃくあった。
BBベアリングとクランクの嵌め合いがきっちりすぎて、なかなか入ってくれなかったのだ。最後まで気が抜けないぜ……。ちなみに時間にして丸二日を要しました。
ちなみにハンドルはエアロ系ではなくて、スタンダードな丸パイプのものを取り付けました。これだけのエアロフレーム。最初はワイヤをハンドルバーに内蔵するタイプのエアロドロップバーをつけようと思っていましたが、ハンドルからヘッドチューブへのワイヤの流れがあまりにきつくなるため、ハンドリングを優先して、丸チューブを選択している。
仕上げに、フレーム各部をグリスの付いた手で触ってしまったので、グロス塗装の輝きを取り戻すためにワックスがけ。そして、リヤブレーキケーブルのラインがどうしてもタイトになり、ハンドルが右に切れ気味になる。これを解決すべくハンドルを左に切って保管(左レバーでリヤブレーキを引く場合)。かなり効果がある。
バイクを自分で組み立てると、その構造をよく理解することができるので、もしトラブルがあった時にも的確に対処できるし、何よりもより愛着がわく。それに、ショップの店長やスタッフの苦労もわかる。各メーカーごとに違ったコツが必要なスポーツバイクを組むって大変だ。「ではこれを読んで、みんなもロードバイクを組んでみよう!」。とは言わないが、この記事で仮想体験してもらえればうれしい。