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かっこいいけど組むのが大変 ルック795エアロライトを組んでみた! 前編

各社から今年も独創的なエアロロードが発表された。とはいえ、やっぱりこいつがいちばんかっこいい!(とナカジ的には思っている)ルック・795エアロライト。でも組むのはかなり大変だった! まずは前編。
 
text●ナカジ photo●永田まさお 協力●ユーロスポーツイ ンテグレーション

ロードバイクを組む楽しみ

かつてはロードバイク乗りたるもの、バイクいじりくらいは自分でできるべしという時代もあった。ナカジ編集長もかつてはプラモデルを組み立てるかのごとく、自分のバイクは自分で組み立てていたものだ。
とはいえ、今はプロショップに任せる人の方が圧倒的に多い。やはり高速で走る乗り物であり、命を預けるものを素人が組み立てるというのはリスクも高い。
だが今回、正面から向き合わなければならないバイクが現れた。それがこのルック・795エアロライトだ。

昨夏発表されたルックのフラッグシップモデル「795シリーズ」。なかでも795エアロライトはルックが考えるトータルインテグレーションに関するすべてのスペックを搭載したモデルとなっている。
かつて存在したどの市販モデルとも似ていない独創的な外観。もちろん、機構についても独特だ。ワイヤ類のフレーム内蔵、専用シートポストは言うに及ばず、ステムはもちろん自社規格の専用品。フロントブレーキをフォークのブレードに内蔵し、これまた独自規格の「ZED2クランク」とそれに呼応する大径BB規格「BB65」を備える。リヤブレーキはダイレクトマウントを採用。サドルはノーマルの2本レールを選ぶこともできるが、セライタリアの独自規格モノリンクがデフォルトだ。

これだけでも、このバイクがいかに奇抜なモデルなのかを理解してもらえたと思うが、それを組み立てるとなるといよいよ大変だ。どれくらい大変かというと・・・・・・。筆舌に尽くしがたい。原稿を書いておきながらこんなことを言うのもおかしいし、そもそも自分でなんか組まないよ!という声が聞こえてくるが、組み立ての手順を追うことでこの稀代の変態バイクの奇抜さを解き明かし、設計者の愛と執念を伝えたいと思う。

下準備

梱包をあけると、深海魚のような怪しい雰囲気をまとったフレームセットが出てきた。まずは、すでに取り付けられているクランクをいったん外す。手のひらでぐっと押せば外れるが、ゴムハンなどでたたく必要がある場合もある。

チェーンリングは箱の中で別梱包になっている。こちらはプラクシスワークス製のもので、クランクを外したらチェーンリングを取り付けておく。つづいて、シートポストをカット。

中島のシート高は700mmなので695mmになるようにカットし、付属の5mmスペーサーを入れることにした。

内蔵ワイヤと格闘する

すでに通してあるシフトインナーガイドケーブル、ブレーキアウターケーブルを引っこ抜く。せっかく通してあるものをなんで? と思うかもしれないが、そうしないとヘッドパーツ、フロントフォークを固定している”ピン”にアクセスできないから。ルック独自の構造で、このピンとフォークコラムに切られたネジでフロントフォークを固定している。アンカープラグ、ヘッドキャップが不要なので軽く、かつヘッド周りのフレーム設計自由度が上がっている。

せっかく通してある内蔵ワイヤを引っこ抜くのは、その苦労を考えると勇気と力がいる。一通り抜き取ると、ヘッドベアリング受け兼ワイヤガイドのパーツが外せる。こちらは付属の専用工具で回す。

フレーム内側の造形は美しい

ヘッドパーツ兼ワイヤガイド兼フォークを固定しているパーツをバラすと、フレーム内部が露呈する。
 
内側は複雑な造形ながらとてもスムーズ。これは「インサイドラグ」という、一見するとモノコックフレームのような見た目を持ちながら、実はラグフレームというルック独自の製法による。フレーム各部を別々のパーツとして製作し、最後に接着してフレームとして仕上げているからだ。そのため、このような細かい造形が実現している。
 
とはいえ、いったいどんな金型の設計図を書いたんだと感心せずにはいられない。

eチューブを通していく

各部にeチューブを通していく。普通のフレームよりも内蔵の距離が長くなるので、使用するeチューブの長さ選びも重要。
 
今回組むバイクの各部サイズはフレーム:Sサイズ、シート高:700mm(サドルトップまで)、ステム:110mm、ハンドル幅:400mmだ。ジャンクションAは3ポートのみに対応、ジャンクションBは内蔵タイプを用意すべし。
 
STIからジャンクションAは500mmがほしい、普通より長めだが、ジャンクションAがステムの後ろに格納されるのでその分の長さが必要なのだ。ダウンチューブは900mm。フロントディレーラーからジャンクションBは500mmくらいあったほうが余裕がある、同じくリヤディレーラーまでは650mm、シートチューブは800mmだ。
eチューブをフレーム内に通すには、マグネットツールが必要。強力な磁力でeチューブを導くことができる。パークツールなどから出ている。
フロントディレーラー、リヤディレーラー、ダウンチューブ、バッテリーからのeチューブをすべてBBシェルに開いている穴から引っ張り出し、ジャンクションBと接続。それをダウンチューブ側に格納する。BBシェル内にはケーブルを固定する金属パーツがあるので、それにケーブルを添わせればクランクとの接触もない。

ちなみに、適宜休憩を取りながらじゃないと集中力がもたない。コーヒーブレイクで脳みそをリセットするのもコツ。ということで後編に続く!
 
 
 

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●ユーロスポーツイ ンテグレーション
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