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マヴィックニュートラルサービスのボスに2016年ディスクブレーキ時代幕開けを聞いた!
2015.11.18
かなり複雑になるだろう
ジャック(以下J):いえ、3回目です。毎年さいたまクリテリウムの時に来日しています。
N:ニュートラルサービスの体制について教えてください。
J:フランスを拠点にして年間約100レースをサポートします。ロードレースはもちろんMTBレースや、市民レースなどのイベントも対象です。クルマとバイクをそれぞれ6台ずつ運用してます。これでほとんどのヨーロッパのレースをカバーしています。
クルマはシュコダ、バイクはカワサキとヤマハです。4台はパリ〜ルーベに対応するため。2台は他のロードレースに対応するためです。ヤマハ・Tマックスを使います。パワフルな加速がわれわれの仕事にピッタリです。
N:本題のディスクブレーキがロードレースシーンに本格的に登場することについて聞かせてください。ロードバイクのディスクブレーキ規格は、現状各社が 別々の規格を採用してバイクを作っていて統一規格がありません。ホイールの固定方法は既存のクイックレリーズを使っているバイクもあればスルーアクスルの ものもあります。
スルーアクスルを採用していてもそのサイズはまちまち。9mm、10mm、12mm、15mmと種類がたくさんあり、さらには前後でサイズが違うバイクもあります。リヤエンド幅も135mmと142mmが混在している状況です。
ユーザーやチームは自分たちの使っているバイクの規格に合わせたパーツを手に入れればいいですが、ニュートラルサービスはすべてのバイクをサポートしなければなりません。これは大きな問題だと思うのですが、2016年体制はどうなるのでしょうか?
J:規格についてはご指摘の通り多くの規格が市場にある状況です。その中でレースで使用できる規格は限定されるのかなど、まだ明確に決まっていません。UCIからの決定などもまだなされていない状況です。
それに、2016年は既存のリムブレーキのバイクもディスクブレーキロードバイクと混在して走ることになります。ディスクブレーキは固定方法に関する規格に加えて、ブレーキローター径も140mmと160mmの2種類がロードレースで使用されることが予想されます。
対応するためには何種類ものホイールを用意する必要があり、それを携行しなければなりません。ニュートラルバイクは積載できるホイールの本数に限界があるので・・・。
また、現状でニュートラルサービスを実施するにはかなりの混乱が予想されます。1人2人へのサポートならまだいいですが、集団落車が発生した場合はさまざまな規格のバイクが同時に壊れます。そうすると誰がどの規格を使っているのかを瞬時に判断してサポートするのはかなりの困難が予想できます。
ある程度、使用できる規格が統一されることが必要で、これについてはUCI、ヴィットリア、シマノ、スラムと話し合いをしていますが、決定するまでは大変でしょう。チームのメカニックも新たな仕事が増えることになるでしょう。選手によっては「今日はリムブレーキ、明日はディスクブレーキ」という風にコースによって使い分けたがる人も出てくると思いますし。バリ〜ルーベのような悪路でのレースではディスクブレーキを使いたがる選手が多くなることが考えられます。まずはルールが必要です。
さいたまクリテリウムにおいては選手の自転車を組むのもニュートラルサービスの仕事!
さいたまクリテリウムのコース脇に用意されたニュートラルサービスの仕事現場には、各チームのバイクがずらり。その中から気になったバイクをピックアップして紹介する。