デローザ・SKピニンファリーナ 試乗レポート

ピニンファリーナはフェラーリ、 アルファロメオのカーデザインをはじめ、鉄道車両や船、家電に至る各分野で優れたデザインを生みだし、世界へ大きな影響を与え続けてるカロッツェリア(工房)だ。このビッグネームがデローザとタッグを組んで生み出されたロードバイクは、自動車メーカーがコンセプトを実現するために作ったショーモデルとは一線を画するもの。 

今年のラインナップにあったスーパーキングの進化版という位置づけのモデルで、ロードバイクに必要な機能、そしてデローザらしい走りのキャラクターは押さえつつ、ピニンファリーナによってより濃密なイタリアンスタイルを実現している。その形状はトリノのそばにあるピニンファリーナの風洞実験施設でのテストを経て１年をかけて決定された。

ヘッドチューブとシートチューブの形状が特に重要。そして軽さの追求も忘れていない。デローザのラインナップでキングXSに並ぶ軽量モデルだ。

 

■ワイヤ類はヘッドパーツ後方からフレームに内蔵される。各社のコンポーネントに対応。 機械式はもちろん電動式コンポーネントも取り付けられるパーツがそれぞれ用意される


 

■トップチューブにはピニンファリーナのロゴが配される。上面はコンビネーションカラーの面積が広いデザイン。水平なトップチューブなのも洗練されたスタイルのポイント


 

2015年の1月に、イタリアで行われたNIPPO・ヴィーニファンティーニのチームプレゼンテーションにて、ダミアーノ・クネゴにデローザバイクの魅力についてインタビューしたことがある。彼は「しっかりとペダリングパワーを伝える剛性を持ちながらも、悪路で跳ねないことが大切。デローザのバイクはそれが実現されているので、バイクについてはすぐにデローザと意気投合することができたよ」と語っていた。 

そのときはチームバイクのプロトスに試乗し、彼の言葉を実感したのを覚えている。SKピニンファリーナの走りもその血脈にあると感じる。デローザの現行モデルでキングXSと並ぶ軽さを誇り、上りでのアドバンテージはさすがだ。フレームから伝わってくるのは軽量バイクのパリッと乾いた、張り詰めたような感覚ではなく、ペダリングに対してただ跳ね返すのでもなく、ちょっとためてばねが利いている。そのぶん、ダンシングでガツンと加速したときに長くもがくことができる。下りはゆったりしている。  

ダイレクトマウントブレーキのフィーリングはかなりいい。自分のこれまでの経験上、ダイレクトマウントブレーキは利きがいいものと、ノーマルキャリパーブレーキのほうがいいのではないかと思うモデルがあるのだが、SKピニンファリーナのブレーキフィールは前者だ。コントロールもしやすいし、高速からのブレーキングでも自分が思い描く減速イメージどおりにコントロールできる。  

試乗車は日本限定カラーのブルーゴール ドグロッシー(部分カットのもの)だったのだが、この藍色とシックな金色のコンビネーションはかなりカッコいい。


 

DE ROSA　SK Pininfarina
フレームセット価格/34万8000円(税抜) 

フレーム●カーボン 
フォーク●カーボン 
コンポーネント●シマノ・デュラエースDi 2 
ホイール●カンパニョーロ・ユーラス 
タイヤ●ミシュラン・プロ4 700×23C 
ハンドルバー●FSA・K-フォース  
ステム●FSA・OS-99 CSI 
サドル●セライタリア・SL 
シートポスト●オリジナルシートポスト 
試乗車実測重量●7.10kg(50サイズ、ペダルなし) 
サイズ●46、48、50、52、54、56 
カラー●ブルーブラックグロッシー、ホワイトブラックグロッシー、ブルーゴールドグロッシー、ブラックレッドマット