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【10万円台で乗れるロードバイク】スペシャライズド・アレー DSW SL コンプ
2016.04.26
軽快な走りと優しさを兼ね備えたお買い得車
カーボンフレームの味気なさに辟易してしまったのか、物好きの目が再び金属フレームに 向き始めている昨今。そんな彼らの関心を引き付けるべく、メジャーブランドのアルミフレームが躍進を遂げている。各社は設計や製造方法に工夫を凝らし、「アルミらしさ」と「低価格」をキープしつつ、動力性能や快適性といった基本性能を底上げすることに成功。 その結果、下手なカーボンフレームを買うならいいアルミフレームを買ったほうがいい、という状況が出現している。
この第二次アルミブームといえる現象は、アルミフレームをベースとするエントリー〜ミドルグレード完成車の魅力を引き上げることにもなった。 アメリカのスペシャライズドも数年前に有能なエンジニアを迎え入れ、自社のアルミロードフレーム、アレーシリーズを刷新している。彼らの決め技は、特殊な溶接方法である。ヘッドチューブとトップチューブ前端、ダウンチューブ前端をハイドロフォーミングで 一体成型することで、ヘッドまわりのチューブ接合部から溶接部を遠ざけたのである。これにより、走りを決定づけるヘッド剛性を向上させつつ、強度も軽さも同時に手に入れたのだ。
アレー・DSW SLコンプは、 そんなスペシャ渾身のアルミフレームを用いた105完成車である。発表当初は約19万円だったが、今春、一気に4万円近い値下げが行われた。今この価格帯で最も注目すべき一台である。
この第二次アルミブームといえる現象は、アルミフレームをベースとするエントリー〜ミドルグレード完成車の魅力を引き上げることにもなった。 アメリカのスペシャライズドも数年前に有能なエンジニアを迎え入れ、自社のアルミロードフレーム、アレーシリーズを刷新している。彼らの決め技は、特殊な溶接方法である。ヘッドチューブとトップチューブ前端、ダウンチューブ前端をハイドロフォーミングで 一体成型することで、ヘッドまわりのチューブ接合部から溶接部を遠ざけたのである。これにより、走りを決定づけるヘッド剛性を向上させつつ、強度も軽さも同時に手に入れたのだ。
アレー・DSW SLコンプは、 そんなスペシャ渾身のアルミフレームを用いた105完成車である。発表当初は約19万円だったが、今春、一気に4万円近い値下げが行われた。今この価格帯で最も注目すべき一台である。
スペシャライズド・アレー DSW SL コンプ
シマノ・105完成車価格/13万8889円(税抜)
フレーム●スペシャライズド・E5プレミアムアルミニウム
フォーク●スペシャライズド・FACTカーボン
コンポーネント●シマノ・105
ホイール●スペシャライズド・アクシス2.0
タイヤ●スペシャライズド・エスポイルエリート 700×25C
ハンドルバー●スペシャライズド・AL-6061アルミ
ステム●スペシャライズド・アルミ
シートポスト●スペシャライズド・スポーツ
サドル●スペシャライズド・トゥーペ ボディジオメトリートープスポーツ
サイズ●49、52、54、56、58
カラー●グロスブラッシュド×ターマックブラック×レッド×チャコール、グロスハイパーグリーン×ロケットレッド×ターマックブラック×ホワイト×シアン
試乗車実測重量●8.37kg(49サイズ、ペダルなし)
特殊な溶接方法を用いたヘッド周辺。この溶接方法 は「ダルージオ・スマートウェルド」と名付けられ、新型アレーの要となっている
この価格にしてコラムまでフルカーボンのフォークを採用する。 昨年モデルのSワークスアレーのフォークとまったく同じものだ
BB規格はBB30。組み合わされるクランクは4アームになったFSA。ボリュームのあるヘッドに比べてチェーンステーは細身だ
剛性向上のためか、シートステーはトップチューブ後端に左右の間隔を離して接合される。サドルはスペシャライズドのトゥーペ
横方向に扁平されたトップチューブに、鉛筆のように細いシートステー。リヤ三角からは快適性を重視した設計が見て取れる
安井行生の試乗インプレッション
実物を見ると、ゴツいヘッドまわりに対して華奢なリヤトライアングルが印象的だ。特にチェーンステーは現代のアルミフレームとしては珍しいほど細い。ヘッド~フォークの剛性感はバイクの「進む力」を左右するものだが、〈ヘッドまわりを硬く作って「進む力」をできるだけ殺さず、後ろ半分はあえて細身として過剛性を避け、前後のバランスを取りつつ乗りやすく仕上げる〉といったところがアレー開発陣の意図なのだろう。
走るとその予測は確信に変わる。加速に淀みがなく、ハンドリングはシャープだが、ペダリングにアルミにありがちなゴツゴツ感がない。ガツンと踏み込んでも脚が跳ね返されるような硬さがなく、アレーは驚くほどしなやかにスピードを上げていくのである。そんな自然な乗り味を持ちながら、大トルク下でのトラクションはかなりのレベルに達している。完成車が履くタイヤが25Cであることを差し引いても、快適性は高い。非常にバランスのいいアルミバイクである。
ブレーキキャリパーとクランクは非純正品だが、意外にも性能は高く、問題のないレベル。 この手の込んだアルミフレームの105 完成車が税込15万円とは、なかなか破壊力がある。
走るとその予測は確信に変わる。加速に淀みがなく、ハンドリングはシャープだが、ペダリングにアルミにありがちなゴツゴツ感がない。ガツンと踏み込んでも脚が跳ね返されるような硬さがなく、アレーは驚くほどしなやかにスピードを上げていくのである。そんな自然な乗り味を持ちながら、大トルク下でのトラクションはかなりのレベルに達している。完成車が履くタイヤが25Cであることを差し引いても、快適性は高い。非常にバランスのいいアルミバイクである。
ブレーキキャリパーとクランクは非純正品だが、意外にも性能は高く、問題のないレベル。 この手の込んだアルミフレームの105 完成車が税込15万円とは、なかなか破壊力がある。