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タイムのニューモデル「サイロン」。ライトウェイトのディスクブレーキ対応ホイール「マイレンシュタインCディスク」が同時発表!
2016.08.05
アクティブフォークとディスクブレーキで武装した「サイロン」
現行フラッグシップモデル「スカイロン」は、その前「ZXRS」シリーズで多用されていたラグと、エッジの効いたチューブ形状を一新した、次世代のタイムを体現するモデルであった。今回発表された最新バイク「サイロン」は、前作「スカイロン」より、ねじれ剛性6%アップ、BB剛性5%アップさせ、その他各部を全て見直し、さらに振動除去機構を搭載した「アクティブフォーク」の選択範囲を補強。さらに、時代の流れであるディスクブレーキ搭載モデル(上写真)が追加されている。
さらに進歩したアクティブフォーク
その開発に約10年を要した「アクティブフォーク」。スカイロンではトランスリンク(インテグレーテッドシートポスト)採用モデルのみにアクティブフォークが装備されており、ノーマルシートポストのモデルにはアクティブフォークの設定がなかった。それがサイロンではノーマルシートポスト、トランスリンクの両方。さらに新登場したディスクブレーキ搭載モデルに及ぶ、全ラインナップでアクティブフォークかノーマルフォークかを選択できるようになった。それぞれのアクティブフォークは、合わせるフレームの仕様にチューニングされている。ロードバイクは「速くて快適」なのが理想。そのためにタイムが用意したのがアクティブフォークなのだ。
その振動除去のカギになるのが、フォークブレード先端に内蔵されたTMD(チューンド・マス・ダンパー)だ。高層ビルの免震機構や、かつてはF1マシンのサスペンション機構の一部にも採用されていた。その役割は不快とされる路面からの振動数を受けて、TMDが振動することによりライダーへ不快な振動が伝わらないようにするというもの。どの周波数が不快なのかをタイムは、3000もの研究データから、走行時に人体に悪影響を与える振動数が、100Hz以下の低周波振動であることを割り出した。ロードバイクのステムとサドル部で特に発生するその不快な振動を、TMD(チューンド・マス・ダンパー)で減退させることに成功したのだ。これによって、ライダーがバイクを進めるパワーには影響を与えることなく、バイク自体の路面追従性能を向上できたのである。
TMDはリムブレーキモデルでは左右のブレードそれぞれに、ディスクブレーキ搭載モデルでは、ブレーキキャリパーと逆側の右サイドのみに、リムブレーキモデルよりも大型化したTMDを内蔵している。
進化するRTM成型技術
これまでのタイムは、常に最新の技術を追い求めることを重視してきた。それを語る上でキーとなるのが「RTM」製法だ。現在のカーボンロードバイクフレーム製造において、一般的であるのは内圧成型という芯材や金型にプリプレグを張り、圧力をかけて成型する方法だ。。対してタイムは、RTM(レジントランスファーモールディング)という、フレーム形状に合わせて積層したクロスを、芯材にまるで靴下をはかせるようにかぶせて、金型におさめ成型する方法をとる。この利点は、フレームの各部位に最適なカーボン繊維構造を正確に実現できるところにある。また、一続きのカーボン繊維の編み物でフレームが形成されるので、強度、剛性でも有利とされる。
クロスを編む過程で、単一のカーボン素材ではなく、カーボン繊維、ガラス繊維、アラミド繊維など様々な種類の素材を織り込み、適当な部位ごとでまとめ上げることができるので、フレームの部位ごとに最適なバランスを与える、しいてはタイムらしい乗り味を作り出すことができるのである。その配合内容は常に見直され続けているという。
クロスを編む過程で、単一のカーボン素材ではなく、カーボン繊維、ガラス繊維、アラミド繊維など様々な種類の素材を織り込み、適当な部位ごとでまとめ上げることができるので、フレームの部位ごとに最適なバランスを与える、しいてはタイムらしい乗り味を作り出すことができるのである。その配合内容は常に見直され続けているという。
タイムらしさの系譜
先ほどから頻出している「タイムらしさ」なるものは、一体どこからきているのか。それを紐解くアイテムが当日会場に持ち込まれた。
1980年代にフレーム開発を行った際、研究開発のはじめの段階で、あるテストが行われた。当時の最先端のカーボンチューブをアルミラグでつないだフレームの各部位に電極を取り付けたうえで、実際のライダーにより実走データを取り出したのだ。その当時最新鋭のコンピュータ機材をトラックに詰め込んで、有線でつなぎ併走して計測を行った。
その結果として、どこに、どのように力が加わっているのかを解析。ロードバイクに必要な理想の性能を探るための、基礎となるデータを取ることができた。以降タイムはその値、つまりは理想のバイクのバランスを、研究し製造してきのである。30年前に行われた研究は、現代のカーボンフレーム製法においてより高精度に実現されたのである。
・サイロン・ディスクフレームセット
トランスリンク+アクティブフォーク 価格/65万円(税抜)
シートポスト+アクティブフォーク 価格/63万円(税抜)
トランスリンク+クラシックフォーク 価格/58万円(税抜)
シートポスト+クラシックフォーク 価格/56万円(税抜)
カラー/ホワイト、レッド、グラファイト、レーシングファクトリー
サイズ/XXS、XS、S、M、L、XL
・サイロン・ディスク カスタムカラー
トランスリンク+アクティブフォーク 価格/73万円(税抜)
シートポスト+アクティブフォーク 価格/71万円(税抜)
トランスリンク+クラシックフォーク 価格/66万円(税抜)
シートポスト+クラシックフォーク 価格/64万円(税抜)
カラー/オレンジ、ブラック、ピンク、グリーン、ブルー
サイズ/XXS、XS、S、M、L、XL
・サイロンフレームセット
トランスリンク+アクティブフォーク 価格/60万円(税抜)
シートポスト+アクティブフォーク 価格/58万円(税抜)
トランスリンク+クラシックフォーク 価格/54万円(税抜)
シートポスト+クラシックフォーク 価格/52万円(税抜)
カラー/ホワイト、レッド、グラファイト、レーシングファクトリー
サイズ/XXS、XS、S、M、L、XL
・サイロン カスタムカラー
トランスリンク+アクティブフォーク 価格/68万円(税抜)
シートポスト+アクティブフォーク 価格/66万円(税抜)
トランスリンク+クラシックフォーク 価格/62万円(税抜)
シートポスト+クラシックフォーク 価格/60万円(税抜)
カラー/オレンジ、ブラック、ピンク、グリーン、ブルー
サイズ/XXS、XS、S、M、L、XL
世界50本限定生産のTTバイク「RXR クロノ」
「サイロン」と同時に、TTバイク「RXRクロノ」が発表された。世界限定で50本限定となるスペシャルなタイムトライアル用フレームだ。そのルーツは2005年に発表された「RXR」。同年にスペイン・マドリードで開催された、世界選手権男子エリートTTでマイケル・ロジャースが駆り、見事にアルカンシェルを獲得。同時に、世界選手権TT3連覇を達成したのだった。そのバイクを最新技術で再構築。ヘッド&フォークは、現在のUCIルールに適合させるためにシェイプを変更している。タイムファンにはたまらない1台だ。
・RXRクロノフレームセット
価格/85万円(税抜)
カラー/レーシングファクトリー
サイズ/1、2、3、4
・RXRクロノフレームセット
価格/85万円(税抜)
カラー/レーシングファクトリー
サイズ/1、2、3、4
もっともリーズナブルなタイムペダル「エクスプレッソ1」
・タイム・エクスプレッソ1
価格/4900円(税抜)
重量/114g(片側)
スチールシャフト、コンポジットボディ、クリート付属
ディスクブレーキ対応最軽量カーボンホイール、ライトウェイト「マイレンシュタイン C ディスク」
さらなる高剛性化と軽量化を果たした、ライトウェイトの4世代目ホイールが「マイレンシュタイン」。それをディスクブレーキに対応させたのが「マイレンシュタインCディスク」だ。レース、クリテリウム、週末ライド。ディスクブレーキによってより確実な制動力を手に入れた「ディスクブレーキ対応、最軽量ホイール」である。
その特徴は、アルミ製ハブボディをカーボンの胴に納める構造をとっている。その形状を五角形にすることで左右10本ずつのスポークをその辺にひっかけて構成するとともに、ブレーキング時の発熱によりアルミ製ハブとカーボンの胴を固定している接着剤が万が一ゆるんでしまったとしても、ハブとホイールがずれてしまわないために考えられた形状だ。非常に理にかなった発想だ。ハブはDTスイス製を使用。様々な規格に対応するアダプターが別売で用意される。
「究極の回転体」ライトウェイトが送り出した、ディスクブレーキ対応カーボンホイール。他社のラインナップが増えていく中で「最軽量」の三文字はやはり見逃せない。
・マイレンシュタインCディスク(フロント+リア)
価格/66万円(税抜)
重量 フロント/660g
重量 リア/730g
リム高/47.5mm
リム幅/20mm
スポーク数(フロント・リア)/20・20
タイヤ幅/23〜25mm
最大システムウェイト※/120kg
マウントタイプ/センターロック
ローターサイズ フロント/140・160mm
ローターサイズ リア/140mm
センターロック用エンドリング、6穴式ローター用アダプターが付属
※ホイールにかかる限界総重量(自転車本体、ライダー、ボトル、サドルバックなどすべて)