トピックス
自転車天国オランダ&ベルギー・フランダースでサイクリング【オランダ編】
2016.10.11
オランダとベルギーのフランダース地方は、
初心者でも気軽にサイクリングが楽しめる自転車の国。
とにかく平坦で、自転車が移動手段として
生活に根付いているオランダでは、
自転車専用レーンや駐輪場が整備されていて走りやすい。
オランダ編では、のんびり過ごせる風車村と、
ゴッホゆかりのサイクリングルートを紹介。
オススメのホテルやレストラン情報も満載!
www.hollandflanders.jp
初心者でも気軽にサイクリングが楽しめる自転車の国。
とにかく平坦で、自転車が移動手段として
生活に根付いているオランダでは、
自転車専用レーンや駐輪場が整備されていて走りやすい。
オランダ編では、のんびり過ごせる風車村と、
ゴッホゆかりのサイクリングルートを紹介。
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オランダは自転車保有率が世界一!
平坦な土地柄、オランダは自転車が移動手段として生活に根付き、全国的に自転車専用レーンが整備されていてとても走りやすい。路面も良く、ベルギー南部ワロン地方出身のフィリップ・ジルベール(BMC)が、オランダの方が走りやすいからといって、わざわざ国境を越えてトレーニングに行くのは有名な話だ。
オランダの自転車保有率は世界一で、オランダ政府観光局とベルギー・フランダース政府観光局が共同で運営するウェブサイト『オランダ&フランダース』によれば、オランダでは人口約1670万人に対し、自転車は1800万台以上。人口よりも自転車の方が多いというから驚きだ。
とにかくどこへ行っても自転車がたくさん走っているオランダ。アムステルダムのような大都市では、自転車専用レーンが完備されているだけでなく、鉄道駅には巨大な無料パーキングがあり、タダでフェリーにも乗れる。自転車と歩行者専用の橋やトンネルもあり、サイクリストには天国のような街だ。
もちろんアムステルダムのような大都会では自転車の盗難も多いが、その対策に取り組みながらスタイリッシュな街乗り自転車を生み出している『ファンモーフ』のような人気ブランドもある。
しかもオランダでは、自転車通勤にすれば会社が自転車や自転車関連のアクセサリーを購入したり、自転車保険に入る補助費用が出るというから驚きだ。クルマの排気ガスによる大気汚染や交通渋滞緩和のために、政府が自転車の利用を薦めいるためで、オランダは自転車大国として発展を続けているのだ。
娯楽としても人気の自転車
サイクリング・ルートはオランダ中に張り巡らされ、ANWB(オランダ王国ツーリング・クラブ)によって整備された標識で簡単にたどることができる。『風車のルート』のようにテーマを持ったサイクリング・ルートは大体30~50kmの距離で、日帰りのサイクリングにはピッタリだ。
主要都市にはレンタサイクルショップが数多くあり、サイクリング・ツアーも充実している。自転車を持って海外へ行くのは初心者にはハードルが高いが、現地で借りればサイクリングも気軽に楽しめる。
大きなホテルに貸し自転車のあるところが多いのもオランダならでは。但し、『ダッチバイク』と呼ばれるコースターブレーキ(フットブレーキ)を装備したオランダ伝統の自転車しか置いてない場合がある。ペダルを逆回転させて後輪にブレーキをかけるシステムで、初心者には扱いにくい。レンタサイクルショップでハンドブレーキが付いたスタンダードな自転車を借りた方が無難だろう。
自転車天国アムステルダムを写真で紹介!
アムステルダムから1時間で行ける風車村『ザーンセ・スカンス』
「オランダへ行ったらやっぱり風車が見たい!」と、思う旅人は多いはず。しかし、風車は街中にはないので、郊外まで行かなければならないが、自転車があればその願いは簡単に叶えることができる。オランダらしさをたっぷり満喫できる風車村の『ザーンセ・スカンス(Zaanse Schans)』は、アムステルダムの中心部からたった1時間のサイクリングで行ける絶好のスポットだ。
アムステルダムの北側に位置するザーン地方は、西ヨーロッパで最初の工業地帯で、ザーン川のほとりにある『ザーンセ・スカンス』は、19世紀に生活と労働のコミュニティとして誕生した。
オランダと言えば風車とチューリップを思い起こさずにはいられないほど、風車はオランダの代名詞になっているが、元々は風の力を利用して動力を生みだす装置だ。風の強いザーン地方では、産業革命の最盛期には600基もの風車があり、粉をひいたり、油をしぼったりと、様々な用途に使われていた。
『ザーンセ・スカンス』は、当時の暮らしをそのまま再現した屋外博物館のようなテーマパークで、ザーン地方から移築された風車や家が保存され、一般に公開されている。敷地内でよく見かける緑色で白い縁取りのある木造の家は、ザーン地方特有のデザインだ。
風車内部の見学や博物館は有料だが、『ザーンセ・スカンス』には無料で入場することができる。敷地内にはスーベニア・ショップもあり、名産品のチーズや木靴などのお土産も販売されている。
アムステルダムからのサイクリング・ルートは自転車専用道路が完備され、駐車場には自転車用パーキングもある。自転車を持っていなくても、アムステルダム中央駅の近くや市内にあるレンタサイクルショップで借りられる。アムステルダムに行ったら、是非サイクリングで訪れてほしい。
◆ザーンセ・スカンス 公式サイト:http://www.dezaanseschans.nl
アムステルダム市内でオススメのレンタサイクルショップ
レンタサイクルショップの『マック・バイク(Mac Bike)』はアムステルダム市内に店舗が6カ所あり、中央駅前には東と北の2カ所にある。様々な自転車がレンタルでき、ハンドブレーキが付いたスタンダードな自転車もある。料金は自転車によって異なるが、スタンダード・タイプで1日14.75ユーロ(約1700円)。市内観光ツアーもあり、自転車レンタル料金込みで20ユーロ(約2250円)。
◆マック・バイク 公式サイト: http://www.macbike.nl/
緑と水に囲まれた小さな村、ブルック・イン・ワーテルランツ
大都市アムステルダムの近郊にはサイクリングで訪れたい風光明媚なエリアがたくさんある。なかでもオススメは、17世紀にアムステルダムの裕福な商人たちが暮らしていた『ブルック・イン・ワーテルランツ(Broek in Waterland)』だ。
ブルック・イン・ワーテルランツはアムステルダムからたった10kmしか離れていないが、緑と水に囲まれた閑静な村で、17世紀に建てられた可愛らしい木造の家が立ち並んでいる。ザーン地方の家はグリーンが多いが、ワーテルランツ地区はペールブルーが多い。
国の文化財になっている木造の家は70軒ほどあり、サイクリングで見て回るにはピッタリだ。垣根越しにお庭を拝見したり、可愛らしい風見鶏を発見したりするうちに、あっという間に時が経ってしまう。
ブルック・イン・ワーテルランツはサイクリング・ルートにも入っている。オランダ国内のサイクリング・ルート・マップは現地のツーリスト・インフォメーション・オフィスや書店で購入することができるし、オンラインのルート・プランナーで検索することもできる。
アムステルダムのサイクリング・ツアー会社『イエロー・バイク(Yellow Bike)』では、ブルック・イン・ワーテルランツにも訪れる『カントリーサイド・バイク・ツアー』を主催している。英語ガイドが付き、4時間のツアーで料金は自転車貸出料金込みで32.50ユーロ(約3700円)だ。
◆イエロー・バイク 公式サイト:http://www.yellowbike.nl/en/
アムステルダム発、都会派スマートバイク『ファンモーフ』
アムステルダムで誕生した『ファンモーフ(VANMOOF)』は、一度見たら忘れられないユニークなアルミフレームの街乗り自転車だ。地元では人気ブランドで、街中をちょっと歩いただけで駐輪されているファンモーフを何台も見つけられる。しかし、ダッチデザインらしいスタイリッシュな外観の内側には、さまざまなアイディアが秘められている。
1つはトップチューブに埋め込まれたLEDライトだ。オランダを代表する家電メーカーのフィリップス社が開発したもので、ハブダイナモで点灯する。ダッチバイクと言えばごっついライトが特徴の1つだが、それをフレームに内蔵してしまうことでワイアーも見えなくなり、すっきりしたデザインを実現したのだ。
アムステルダムのような大都会に暮らすサイクリストの悩みのタネである、自転車の盗難対策として、ファンモーフにはチェーン錠をフレームに内蔵したモデルがある。これで走行中、チェーン錠をフレームにくくり付けておかなくて済むわけだ。
シルバー、ブラック、ホワイトといったシックなカラーリングもブランドのこだわり。ミニマリズムを追求し、実用性を重視したオランダらしい自転車だ。
今年6月には、さらに進化したニューモデル『スマートバイク』が登場した。何と、フレーム内部に小型コンピューターを搭載し、GSM(通信システム)を利用して自転車の所在地を確認できる。つまり、万が一盗難に遭っても追跡ができるのだ。
ファンモーフにはバイクハンターの特別チームがあり、盗難被害に遭った場合は、彼らがこのシステムを利用して自転車を捜索してくれる。もし2週間以内に見つけられなかった場合は、代わりの自転車が提供される保証付きだ。
『スマートバイク』は電子ロックを採用した、世界初のキーレスバイク(鍵のないバイク)でもある。トップチューブにディスプレイが付いていて、専用のアプリを入れたスマートフォンで鍵の開け閉めができる。ディスプレイはもちろん防水で、走行距離も表示される。
シングルスピードでコースター・ブレーキが付いた従来のスタンダードモデルが698ユーロ(約8万円)なのに対し、最新のスマートバイクは3速モデルで1798ユーロ(約21万円)とかなり高額だが、創立者の1人であり、工業デザイナーでもあるタコ・カリエール氏は「決して高い自転車を作りたいわけではない。将来は規模を拡大し、価格も安くしていきたい。みんなが日常的に使えるようにしたいんだ」と、語っていた。
◆ファンモーフ 公式サイト:https://www.vanmoof.com/en_us/
泊まってみたい! ザーンダムの仰天ホテル
アムステルダム郊外のザーンダムは、駅前に驚くほど奇抜な外観の『インテル・ホテルズ・アムステルダム・ザーンダム』がそびえ立っている。ザーン地方特有の木造の家を、まるで積み木のように積み上げてしまったユニークなデザインだ。
西ヨーロッパで最初の工業地帯として繁栄したザーン地方の中心地であるザーンダムの鉄道駅周辺は、近年の再開発でレトロとモダンが融合した斬新なデザインに生まれ変わった。インテル・ホテルズだけでなく、駅舎も市庁舎もショッピング・モールも、カラフルでオモチャのような外観なのだ。
4つ星のインテル・ホテルズは、室内も洗練されたデザインだ。工業都市として繁栄したザーン地方の、古き良き時代に触れることができるテーマが部屋ごとにあり、1つの壁に写真が大きく飾られている。
ザーンダムはアムステルダム中央駅から電車で約13分、スキポール空港からは約17分なので、観光の拠点としても便利な街だ。風車村のザーンセ・スカンスにも行きやすい。
Inntel Hotels Amsterdam Zaandam
住所:Provincialeweg 102, Zaandam
ホテルの公式サイト:http://www.inntelhotelsamsterdamzaandam.nl/
アムステルダム観光の拠点にしたいモダンなホテル
アムステルダム旧市街エリアの南東のはずれにある『ホテル・カサ400』は、国鉄と地下鉄が利用できるアムステルダム・アムステル駅のすぐ近くにあり、旧市街の中心地までは徒歩でも30分で行けるので観光の拠点にはピッタリのホテルだ。
広々とした客室はシンプルだがモダンなデザインで、ポップな小物がアクセントになっている。ホテル内にレストラン、バー、屋上テラスがあるのもうれしい。
貸し自転車はコースターブレーキ付きのダッチバイクなので、乗りこなす自信があれば、それを借りて旧市街をサイクリングで観光することもできる。
Hotel Casa 400
住所:Eerste Ringdijkstraat 4, Amsterdam
ホテルの公式サイト:http://www.hotelcasa400.nl/en/index.html
18世紀の農家を改造した気取らないレストラン@アムステルダム
アムステルダムの中心部にある『フェルグルデン・エーンホールン』は、1702年に建てられた農家を改造した、都会の隠れ家レストラン。仲間とワイワイお喋りしながら食事が楽しめる、気取らない店だ。店名はオランダ語で「金メッキのユニコーン」という意味。
Vergulden Eenhoorn
住所:Ringdijk 58, Amsterdam
お店の公式サイト(オランダ語のみ):http://www.verguldeneenhoorn.nl
お店のFacebook:https://www.facebook.com/VerguldenEenhoorn/
Vergulden Eenhoorn
住所:Ringdijk 58, Amsterdam
お店の公式サイト(オランダ語のみ):http://www.verguldeneenhoorn.nl
お店のFacebook:https://www.facebook.com/VerguldenEenhoorn/
都会のオアシスにあるオシャレなレストラン@アムステルダム
アムステルダム中心部の東側にあるプランタージュ地区は、植物園や動物園がある都会のオアシス。その動物園の隣りにある『デ・プランタージュ』は、19世紀に建てられた温室を利用したカフェレストランだ。
一見するとオシャレな高級レストランだが、子供連れのファミリー客も多く、気軽に入ることができる。
De Plantage
住所:Plantage Kerklaan 36, Amsterdam
お店の公式サイト:http://caferestaurantdeplantage.nl/en/#home
お店のFacebook:https://www.facebook.com/caferestaurantdeplantage/
一見するとオシャレな高級レストランだが、子供連れのファミリー客も多く、気軽に入ることができる。
De Plantage
住所:Plantage Kerklaan 36, Amsterdam
お店の公式サイト:http://caferestaurantdeplantage.nl/en/#home
お店のFacebook:https://www.facebook.com/caferestaurantdeplantage/
風車村が見えるレストラン@ザーンダム
風車村ザーンセ・スカンスのすぐ近くにあるレストラン『シュワルテ・ワルフェス』は、ザーン川のほとりにあり、風車が見えるテラス席は絶景だ。オーナーは歴史的な3つの建物を買い取り、1965年にレストランを開業した。シュワルテ・ワルフェスはオランダ語で黒いクジラの意味で、この地域がかつて捕鯨産業で栄えていたことを思い起こさせる。
料理はフレンチ中心だが、郷土料理も取り入れていて、地元で採れた新鮮な食材を使っているのが自慢だ。
Restaurant De Hoop Op d’Swarte Walvis
住所:Kalverringdijk 15, Zaandam
お店の公式サイト(オランダ語のみ):http://www.dewalvis.eu
お店のFacebook:https://www.facebook.com/Restaurantdeswartewalvis
料理はフレンチ中心だが、郷土料理も取り入れていて、地元で採れた新鮮な食材を使っているのが自慢だ。
Restaurant De Hoop Op d’Swarte Walvis
住所:Kalverringdijk 15, Zaandam
お店の公式サイト(オランダ語のみ):http://www.dewalvis.eu
お店のFacebook:https://www.facebook.com/Restaurantdeswartewalvis
ゴッホゆかりのサイクリング・コース in ニューネン
オランダには後期印象派を代表する画家、フィンセント・ファンゴッホ(1853-1890)にゆかりの場所を巡るサイクリング・コースが5つある。彼が30代に2年間暮らし、『ジャガイモを食べる人々』といった初期の作品を数多く描いたオランダ南部のニューネンを巡るコースはその1つだ。
ニューネン村は牧師だった父親の赴任先で、ゴッホは各地を転々とした後、父親の下に身を寄せ、小さなアトリエで農民の生活や田園風景を描き続けた。ゴッホと言えば南フランスでの生活が有名だが、彼が残した2000点の作品のうち、500点がニューネンで描かれているのだ。
ニューネンのサイクリング・コースでは、ゴッホが暮らした家や、絵に描いた教会や水車小屋を見て回ることができる。ゴッホゆかりの観光ポイントにはオランダ語と英語で書かれた案内板があってわかりやすい。ニューネンには17カ所の観光ポイントがある。19世紀にゴッホが歩いたかもしれないのどかな田舎道を走るのも気持ちがいい。
ゴッホが暮らした町として有名なニューネンだが、実は今年のジロ・デ・イタリアで活躍したスティーブン・クルイスウエイク(チームロトNL・ユンボ)の生まれ故郷でもある。サイクリングで立ち寄った町中のカフェには、彼がよくやって来ると聞かされて驚いた。
ニューネンでゴッホゆかりのサイクリングをしていたら、トレーニング中のクルイスウエイクに遭遇?! なんてことも、あるかもしれない。
サイクリングのスタート地点になっているのは、オランダ時代のゴッホの歴史やニューネンでの暮らしを紹介している『フィンセンター(ゴッホのファーストネームとセンターを合体させた名称)』だ。残念ながらここにはゴッホの作品は収蔵されていないが、彼の子孫たちが描いた絵が展示されている。
フィンセンターはニューネンのツーリスト・インフォメーションも兼ねているので、レンタサイクル店の紹介やルート情報など、サイクリングの相談にものってくれる。
◆Vincentre(フィンセンター)
住所:Berg 29, Nuenen
公式サイト:http://www.vangoghvillagenuenen.nl/english.aspx
夕闇に輝くゴッホのサイクリングロード
ニューネンから近いアイントホーフェンの郊外には、ゴッホの代表作である『星月夜』をテーマにした幻想的なサイクリングロードがある。オランダ人デザイナーのダーン・ロースハルデが手がけたもので、蓄光塗料を塗った小石が敷き詰められていて、暗くなると天の川のように輝くのだ。
600メートルのサイクリングロードは草原の間を走っていて、アナグマが生息する自然豊かなエリアだ。アイントホーフェン駅でレンタサイクルが借りられ、15分ほどで行くことができる。
世界最大のゴッホ・コレクションが鑑賞できる美術館
入館料は大人17ユーロ(約2000円)、日本語のオーディオガイドもある。
ゴッホ美術館(Van Gogh Museum)
住所:Museumplein 6, Amsterdam
公式サイト:https://www.vangoghmuseum.nl/
無料の貸し自転車で自然を満喫! デ・ホーヘ・フェルウェ国立公園
今年ジロ・デ・イタリアの開幕地となったアーペルドールン近郊のオッテルローには、5500ヘクタールという広大な敷地を誇る『デ・ホーヘ・フェルウェ国立公園』がある。ちなみに大きさの比較によく用いられる東京ドームは約4.7ヘクタール。
この国立公園は、元々は20世紀初頭に実業家のアントン・クレラーが趣味のハンティングと乗馬を楽しむため、人工的に作った狩猟場だった。広大な公園内には森、ヒースの荒れ地、沼地、草原、砂地が同居する、何とも不思議な空間になっている。
そこには元々ハンティングのために放された鹿や猪、オオツノヒツジなどが生息し、めずらしい植物も自生していて、散策やサイクリングで大自然を身近に感じることができる。
国立公園内には1700台の貸し自転車が常設され、来園者は無料で利用することができる。ただし、この貸し自転車はダッチバイクと呼ばれるコースターブレーキを装備したものなので要注意だ。
この白い貸し自転車は『ホワイト・バイク』と呼ばれ、来園者は誰でも利用することができるが、鍵をかけて独占することは禁じられている。『ホワイト・バイク』は誰でもいつでも使えるルールなのだ。
『ホワイト・バイク』は国立公園の3ヶ所の入口と、ビジターセンター、クレラー・ミュラー美術館の自転車置場に常設されている。
もし、国立公園滞在中に同じ自転車をずっと使いたければ、ビジターセンターの隣りにあるバイシクル・ワークショップで鍵付きの『ブルー・バイク』を有料で借りることができる。バイシクル・ワークショップでは、タンデム自転車やGPSも借りられる。もちろん、国立公園内に個人所有の自転車や、公園の外で借りた自転車を持ち込むことは可能だ。
クレラー夫妻がこの狩猟場に滞在する時に使っていた狩猟の館、シント・ヒューベルトゥス・ヨットハウスは、サイクリングで是非観に行きたい場所だ。
この美しい館は、オランダを代表する建築家、ヘンドリックペトゥルス・ベーラーフが設計した。19世紀後半から20世紀前半にかけて活躍したベーラーフは、アムステルダム証券取引所の設計が特に有名だが、クレラー夫妻の館は建物の設計だけでなく、内装やインテリア、建物の周囲も全てデザインしている。
現在は博物館になっていて、有料のガイドツアーで内部を見学することができる。館の名称になっている聖ヒューベルトゥスは、狩人の守護聖人なのだそうだ。
国立公園内にあるゴッホ・コレクションで有名な美術館
敷地内には、アントン・クレラーの妻であるヘレナ・クレラー・ミュラーが集めた膨大なゴッホ・コレクションが収蔵されたクレラー・ミュラー美術館もある。絵画90点、デッサン180点で、アムステルダムのゴッホ美術館についで世界で2番目の規模のゴッホ・コレクションだ。
クレラー・ミュラー美術館では、ゴッホがニューネンで描いた『ジャガイモを食べる人々(習作バージョン)』や、『夜のカフェテラス』、『糸杉と星の見える道』などを鑑賞することができる。年間約40万人が訪れるこの美術館の人気もあってか、デ・ホーヘ・フェルウェ国立公園の来園者の3割は外国人だという。
『ランドスケープの博物館』と呼ばれるデ・ホーヘ・フェルウェ国立公園は、人間が何も手を加えなければ、すべて森に飲み込まれてしまうのだという。広大な敷地を管理するには国の予算だけでは足りないため、国立公園では入場料を取って維持費をまかなっている。
国立公園の入場料(1日券)は大人9.15ユーロ(約1060円)。園内にあるクレラー・ミュラー美術館は別料金で、入館料込だと18.30ユーロ(約2120円)になる。
◆デ・ホーヘ・フェルウェ国立公園 公式サイト : https://www.hogeveluwe.nl/en
◆クレラー・ミュラー美術館 公式サイト : http://krollermuller.nl/jp
デザインの都、アイントホーフェンのアートなホテル
19世紀後半に創業した電機・家電メーカーのフィリップス社とともに成長したオランダ南部の大都市アイントホーフェン。1997年にフィリップス社がアムステルダムへ移転した後は、デザインの都に転身した。
街の中心部にある『インテルホテルズ・アート・アイントホーフェン』は、19世紀初頭に建てられたフィリップス社の電球工場を改装したユニークなデザイン・ホテルだ。広々とした客室はすべて内装が異なり、デザインの都に滞在していることを再認識させてくれる。
ホテルは鉄道駅からたった5分で、有名なサッカースタジアム『フィリップス・スタディオン』にも歩いて行ける。ダッチバイクではないスタンダードなブレーキを装備した貸し自転車もあり、郊外にあるゴッホのサイクリングロードへ行く拠点には最適だ。東側の郊外には『ホーフェンリング(Hovenring)』というユニークな2輪専用道路もあるので、是非見に行ってほしい。
デザインの都、アイントホーフェンでは、街中の地下駐輪場もユニークだ。出入り口はまるで宇宙船の一部のような流線型で、見る者の目を奪う。そこには傾斜の付いた動く歩道が設置されていて、簡単に自転車を地下駐輪場まで運べる。アイントホーフェンも街の駐輪場は無料で利用できる。
Inntel Hotels Art Eindhoven
住所:Mathildelaan 1, Eindhoven
ホテルの公式サイト:http://www.inntelhotelsarteindhoven.nl/
人気デザイナーが手がけるユニークなレストラン
廃材に命を吹き込み、ユニークな家具や雑貨を生みだすオランダの人気デザイナー、ピートヘイン・エーク氏が、アイントホーフェン郊外にあったフィリップス社の旧TV工場を買い取り、オフィス兼ショールームを作った時、敷地内に作ったレストランが『ピートヘイン・エーク・レストラン』だ。
殺風景な工場の壁や天井をわざと残した店内には、エーク氏のユニークな家具が不思議とマッチしている。メニューも流行のスーパーフードを取り入れたヘルシーで洗練されたものばかりだ。
「モノを作るだけでなく、デザイン・コミュニティをシェアしていきたくて、このレストランを作った」と言うエーク氏。運が良ければ仕事帰りにスタッフとレストランでくつろぐ彼に出会えるかもしれない。
Piet Hein Eek Restaurant
住所:Halvemaanstraat 28, Eindhoven
公式サイト:http://pietheineek.nl/en/
最新情報は『オランダ&フランダース』でチェック!
『オランダ&フランダース』は、オランダ政府観光局とベルギー・フランダース政府観光局が国境を越え、共同で制作・運営するサイト。海外旅行ではセットで訪れることが多い2つのエリアの最新情報が満載だ。
見どころが観光テーマごとに分類されていて、情報を探しやすいのもうれしい。オランダとベルギーのフランダース地方へ旅行するときは是非チェックしてほしい。旅行の予定がなくても、見ているだけで楽しめるサイトだ。
◆『オランダ&フランダース』→ https://www.hollandflanders.jp
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◆『オランダ&フランダース』→ https://www.hollandflanders.jp
◆取材協力:
オランダ政府観光局/
ベルギー・フランダース政府観光局
https://www.hollandflanders.jp
KLMオランダ航空
https://www.klm.com/home/jp/ja