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【入門ロードバイク2017】トレック・エモンダALR 5

米最大の自転車ブランドであるトレックの、軽量なオールラウンドロードバイクがエモンダ。なかでもアルミフレームモデルは「エモンダALR」とネーミングされる。  
 
text:難波ケンジ photo:小見哲彦

軽量オールラウンドアルミバイクの決定版

例えば自動車ならフォルクスワーゲン・ゴルフ、パソコンならばアップルのマックブックなどどこの業界にも、これを買っておけば間違いないうえに高品質かつデザインも性能も洗練されているという製品があるが、それのロードバイク版なら「エモンダALR」だと筆者は思う。  

150人超のエンジニアを抱えるトレックの主力バイクとあって、シンプルな造形の中に非常に手間のかかった設計がなされる。チューブはハイドロフォーム加工により複雑に形状と厚みを変えており、フレームサイズごとに最適な剛性を実現している。近くで見ると、例えばヘッドチューブまわりの仕上げが写真以上に繊細に処理されていたり溶接跡を残さない溶接技術を採用していたりするなど細部の品質が抜群。 

人気のシマノ・105に傘下のパーツブランドであるボントレガーのサドルやホイールを組み合わせたパーツアッセンブル。走りの軽さと気持ち良さを重視した装備は、日帰りのツーリングやサーキットレース、もしくは2000m級の峠に上ってみたりと、眺めると使用シーンが浮かび上がってくる。このバイクに乗り始めてしばらくたつと、フレーム設計の良さとはこういうことかと身に染みてくるはずだ。

 

トレック・エモンダALR 5
シマノ・105完成車価格/17万5000円(税抜) 

レーム●ウルトラライト300シリーズアルファアルミニウム 
フォーク●エモンダフルカーボン 
メインコンポ●シマノ・105 
ホイール●ボントレガー・チューブレスレディリム 
タイヤ●ボントレガー・R1ハードケースライト 700×25C 
ハンドルバー●ボントレガー・レースVR-C 
ステム●ボントレガー・エリート 
シートポスト●ボントレガー・アロイ 
サドル●ボントレガー・モントローズコンプ 
サイズ●47、50、52、54、56、58、60 
カラー●トレックブラック、マットグリーンライト、バイパーレッド 
試乗車実測重量●8.40kg(54サイズ、ペダルなし)


 
リヤ11速ドライブトレーンで人気のシマノ・105をクランクにまで採用し、コンポーネント全体で変速性能を追求
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トレック・セガフレードの使用するバイクと同じ名前のエモンダ。ALR5ならチームロゴ入りのチームレプリカカラーも選択できる
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トップチューブのスローピング量がプロ用のH1より大きいH2ジオメトリーを採用し、背中まわりに余裕のある自然なポジションが取れる
トップチューブのスローピング量がプロ用のH1より大きいH2ジオメトリーを採用し、背中まわりに余裕のある自然なポジションが取れる
スピードセンサーとケイデンスセンサーをチェーンステー内に内蔵してクリーンな見た目を実現するデュオトラップセンサーが装着可能
スピードセンサーとケイデンスセンサーをチェーンステー内に内蔵してクリーンな見た目を実現するデュオトラップセンサーが装着可能
フレーム接合部であるBBの幅を広く取れるBB90規格。フレーム剛性を高めながらもシマノクランクが使用できるなどメリットは大きい
フレーム接合部であるBBの幅を広く取れるBB90規格。フレーム剛性を高めながらもシマノクランクが使用できるなどメリットは大きい

難波ケンジの試乗インプレッション

他ブランドのカーボンバイクよりも良く走るとトレックがうたうエモンダALRの走りは、確かに最初の一踏みから軽く、そして踏み込んでいっても抜群の推進力。膨大な実験設備を持つトレックの開発センターを知っているだけに、乗れば乗るほどしっかりエンジニアリングされていることを実感できる。  

フレーム形状やブレーキ装着位置そしてジオメトリーなど、現代基準で見るとオーソドックスそのものな規格を採用しているが、そもそもその基準を作ってきたのがトレック。 思いのままに軽やかに曲がるハンドリングや、コツコツとした微振動は伝えてくれど、大きな衝撃は巧みに逃がす乗りごこちの仕上げを見ても、上級者であればあるほどうなってしまう。

指名買いで買いに来るユーザーも多いと聞くが、この走りなら売る側も太鼓判を押して売れることだろう。これからロードバイクを始めるなら自分のなかのメートル原器として、買う買わないに関係なく一度試乗してほしいバイクだ。
 

問い合わせ先

トレック・ジャパン
0798・74・9060
https://www.trekbikes.com/jp/ja_JP/