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試乗レポート カンパニョーロディスクブレーキコンポ「H11」&「新ケンタウル」
2017.06.12
ロードコンポーネントメーカー「カンパニョーロ」が、ロード用ディスクブレーキコンポーネント「H11」を発表した。これで、現在ワールドツアーレースを走るコンポーネントメーカーすべてが、ディスクブレーキを用意したことになる。スペイン・カナリア諸島で行われた試乗会で、H11の機械式変速モデルを約50㎞、晴天のなかで試乗することができた。また、同時に発表された新型ケンタウルについてもコースは違うが、同距離試乗したので、それぞれレポートする。
シマノとは違う、カンパニョーロの考える ディスクブレーキのフィーリング
リムブレーキコンポーネントの場合。カンパニョーロ、シマノ、スラム。各社のコンポーネントを使い比べてみると、各社が各パーツに対して何を正義として設計しているのかそれぞれ個性があり、どこが自分の好みに合っているのかを見極めてパーツを選ぶことが大切だ。レバーのサイズ、操作方法、変速タッチ。そしてディスクブレーキが台頭してきた今、その個性を各社がどう具現化しているのかに注目したいと思っている。今回の発表会では、H11の機械式変速モデルを約50㎞、晴天のなかで試乗することができた。
まずはエルゴパワー。ブラケット先端が8mm伸びているが、それ以外の部分は特別サイズの違和感はなかった。分解図で見ると、油圧ブレーキに必要なユニットはレバー先端部に集約されているので、メインで握る部分に大きな変更はない。普段はレコードEPSを使っている自分だが、すんなり慣れることができた。下のリムブレーキモデルとディスクブレーキモデルのエルゴパワー形状を比較した図を見ると、サイズはほぼイコールだが、角度がやや変わっていることがわかる。ブレーキレバーのタッチはシマノよりもやや重め。握力次第だが、制動力が高いディスクブレーキの場合、リムブレーキよりもレバーの動きに制動力が敏感に反応するので、レバーの動作が軽いと制動力のコントロール性に逆に影響を及ぼす可能性があると感じた。なので、悪くない印象である。
そしてレバーを握り込んでいってパッドがローターにあたり、さらにそこからブレーキを強くかけていくときの、制動力の立ち上がり方について。これもシマノとは異なるフィーリングを実現していた。リムブレーキのそれと同じで、コントロール性を重視している。それはブレーキキャリパーの動きもそうなのだが、操作しやすいレバー形状もまた大きく寄与している。ブラケット部からでも、下ハンからでもそうだ。また、ディスクブレーキ特有の「シュー」というブレーキングノイズや、パッドのビビリが非常に少ない。これはカンパニョーロも特長の一つとしてあげていること。音鳴りにシビアなロード乗りにとっては朗報だろう。
また、シフトレバーの根元に突起や、必要以上に大きな穴がないのも魅力だ。シマノのディスクブレーキ用デュアルコントロールレバーと比べるとスムーズな形状である。
ただ、残念だったのはシフト操作の渋さだ。ディレーラー自体の動きが悪いわけではなく、シフトレバーの操作に力が必要だった。自分自身が、普段はEPSしか使っておらず、久しぶりのカンパニョーロ機械式変速操作だったとはいえ、もう少しスムーズであって欲しいと思った。
まずはエルゴパワー。ブラケット先端が8mm伸びているが、それ以外の部分は特別サイズの違和感はなかった。分解図で見ると、油圧ブレーキに必要なユニットはレバー先端部に集約されているので、メインで握る部分に大きな変更はない。普段はレコードEPSを使っている自分だが、すんなり慣れることができた。下のリムブレーキモデルとディスクブレーキモデルのエルゴパワー形状を比較した図を見ると、サイズはほぼイコールだが、角度がやや変わっていることがわかる。ブレーキレバーのタッチはシマノよりもやや重め。握力次第だが、制動力が高いディスクブレーキの場合、リムブレーキよりもレバーの動きに制動力が敏感に反応するので、レバーの動作が軽いと制動力のコントロール性に逆に影響を及ぼす可能性があると感じた。なので、悪くない印象である。
そしてレバーを握り込んでいってパッドがローターにあたり、さらにそこからブレーキを強くかけていくときの、制動力の立ち上がり方について。これもシマノとは異なるフィーリングを実現していた。リムブレーキのそれと同じで、コントロール性を重視している。それはブレーキキャリパーの動きもそうなのだが、操作しやすいレバー形状もまた大きく寄与している。ブラケット部からでも、下ハンからでもそうだ。また、ディスクブレーキ特有の「シュー」というブレーキングノイズや、パッドのビビリが非常に少ない。これはカンパニョーロも特長の一つとしてあげていること。音鳴りにシビアなロード乗りにとっては朗報だろう。
また、シフトレバーの根元に突起や、必要以上に大きな穴がないのも魅力だ。シマノのディスクブレーキ用デュアルコントロールレバーと比べるとスムーズな形状である。
ただ、残念だったのはシフト操作の渋さだ。ディレーラー自体の動きが悪いわけではなく、シフトレバーの操作に力が必要だった。自分自身が、普段はEPSしか使っておらず、久しぶりのカンパニョーロ機械式変速操作だったとはいえ、もう少しスムーズであって欲しいと思った。
あわせて使用したホイールは、ボーラワン35DBチューブラーだ。こちらはさすがボーラと思わせる軽快感のある走り。加速方向において、ディスクブレーキロードはどうしてもその重量増が気になってしまうし、いまディスクブレーキロードのオーナーにとってもそこは解決したいポイントだと思う。このホイールは試してみる価値がある。リムブレーキ時代のボーラの乗り味を想像していると、それとは異なっていることは書き加えておきたい。スポーク本数は増え、スルーアクスルになったことで剛性はがっちり。あの「少しためがあって進む感じ」よりは、イマドキのスパルタンなキャラクターに寄ってきた。
ディスクブレーキコンポーネントを開発するにあたり、重視したことを「他の2社はMTBの技術をロードに応用する形でコンポーネントを設計しているが、カンパニョーロはロード用コンポーネントに特化したメーカーとして、細部をロードに最適な設計とは何かを追求した設計にしている。」と同社は語る。ディスクブレーキになっても、ロードはやっぱりカンパニョーロで組みたい。そう考える人は少なくないはず。
入門機として11速化されたケンタウル復活
H11と同時に発表された新ケンタウル。H11とは別の日に試乗スケジュールが組まれた。ミドルグレードということで、正直、あまり期待していなかったのだが、意外にも操作が軽い。同行したジャーナリストのポテンツァユーザーいわく「ケンタウルの方が快適」とか。シフト操作はダウンは最多3段一気に変速できる、アップは1段だ。レバーの剛性は、ブレーキは不足を感じないが、シフトレバーはテクノポリマーとはいえ、上位と比べるとちょっと柔いと感じる。特に大レバー側は長さがあることもあり、より顕著だ。シフトに関しては、上位グレードほど上質な操作感とはいかないが、ブレーキ操作はクラスを超えた感覚。
シフトアップレバーは、EPSと同じデザインになっているのは非常に好感が持てる。ブラケットポジションからはもちろん、下ハンからのアクセスもいい。1段ずつしか操作できないのを不満に思う人もいるかもしれないが、グレードを考えれば大きな問題ではない。エルゴレバーの形状は、カンパニョーロのコンポーネントにおいて大きなアドバンテージ。その使いやすさを体験する入門機として、とても魅力的だ。色がブラックのほか、シルバーも用意されているので、フレームとのマッチングも考えやすい。
シフトアップレバーは、EPSと同じデザインになっているのは非常に好感が持てる。ブラケットポジションからはもちろん、下ハンからのアクセスもいい。1段ずつしか操作できないのを不満に思う人もいるかもしれないが、グレードを考えれば大きな問題ではない。エルゴレバーの形状は、カンパニョーロのコンポーネントにおいて大きなアドバンテージ。その使いやすさを体験する入門機として、とても魅力的だ。色がブラックのほか、シルバーも用意されているので、フレームとのマッチングも考えやすい。