トピックス

ユーロバイク2017速報1

ヨーロッパ最大級のスポーツバイク関連エキスポである「ユーロバイク」。今年もドイツ・フリードリッヒスハーフェンで開催中。会場で気になった製品たちを速報で。
 

シマノはアルテグラ、eバイクコンポーネントが目玉

新型アルテグラ8000系の機械式デュアルコントロールレバー。左がリムブレーキ用、右が油圧ディスクブレーキ用
新型アルテグラ8000系の機械式デュアルコントロールレバー。左がリムブレーキ用、右が油圧ディスクブレーキ用
ディスクブレーキローターは140mm径、160mm径が用意される。ローター内側の放熱フィンは、表面処理がデュラエースと異なる
ディスクブレーキローターは140mm径、160mm径が用意される。ローター内側の放熱フィンは、表面処理がデュラエースと異なる

シマノは新型アルテグラR8000シリーズを、フルラインナップ展示していた。機械式変速、Di2、リムブレーキ、油圧ディスクブレーキのすべてだ。基本的にはデュラエースを踏襲したデザインになっている。

ブレーキローターは、デュラエースではローター内側の放熱フィンが黒色なのに対して、アルテグラはアルミ地そのままのシルバーだ。デュラエースもアルテグラも、ローターの構造はほぼ同じだが、デュラエースの放熱フィンには、より冷却性能を高めるための塗料が塗られている。そのため黒色なのだ。

ディスクブレーキキャリパーのサイズも、一回りアルテグラの方が大きい。

デュアルコントロールレバーは、機械式変速タイプの場合、リザーバータンクがレバー先端部分に収まるので、レバー前半が大きくなっている。根元側はリムブレーキ用と同寸になっており、ライダーが違和感少なく使い続けられるように工夫されている。

Di2の場合は、リザーバータンクはレバー根元側に位置しているので、サイズの差はほぼないと言える。

R8000シリーズになって、レバーの形状が若干変更された。前から見るとより「ハの字」になるよう、外側にレバーが開いた。レバー自体の形状も少しエッジがあるデザインになっている。これは操作時に指がしっかりとかかる感覚を実現し、操作感を向上させるためだという。


電動アシストコンポーネントである、「ステップス」も大きなエリアを使って展示されていた。欧州の電動バイクマーケットは、大きく分けて「コミューター」、「トレッキング」、「MTB」の三種類。ロードバイク+電動アシストというモデルも散見されるが、数としては少ない。
日本の電動アシストのイメージは、パワーのない人がアシストしてもらうためのもの。高齢になった人が楽に移動できるためのもの。というイメージが強いかもしれないが、欧州は、日本と同じニーズに加えて、電動アシストを搭載することで、よりアグレッシブに遊ぶことを目的としたバイクも多い。
 
シマノの電動アシストユニット「ステップス」を搭載したフルサスMTB
シマノの電動アシストユニット「ステップス」を搭載したフルサスMTB
ユニット単体。バイクのセンターに配置できるほか、リヤホイールベースが短くできる設計
ユニット単体。バイクのセンターに配置できるほか、リヤホイールベースが短くできる設計

ビアンキがフェラーリとのコラボレーションモデル「SF-01」を発表


ビアンキがフェラーリとコラボレーションモデルを発表。「最高のイタリアンブランド同士が、コラボレーションしたことにまず大きな意味がある。」とビアンキの広報は語る。

これから数年かけていろいろなプロジェクトを一緒に進めていく予定。フェラーリのノウハウ、ビアンキのノウハウをそれぞれ交換し合ってさまざまなバイクをリリースしていく。ビアンキブランドのオーナーである、サルバトーレ・グリマルディ氏、長年の夢でもあった。

まず発表されたモデルは、ビアンキのトップレンジ「スペシャリッシマ」のスペシャルエディション「SF-01」だ。プロジェクトスタートを告げる、スペシャルアッセンブル完成車である。

フレームは、フェラーリのボディー塗装に実際に使用される塗料を使用。シートチューブのビアンキロゴや、ラインもデカールではなくて、すべてペイントで仕上げている。もちろんイタリア国内で。

バーテープはベルベット調で高級感とフィット感を両立。ホイールはフルクラム40Tにピレリのタイヤとイタリアンブランドでそろえた。ピレリはF1のタイヤサプライヤーでもあるので、フェラーリとのコラボレーションでは必須アイテムだった。

サドルはアスチュートのスペシャルフルカーボンモデル。このサドルは、フェラーリのカーボン製シートを作っているところと同じところで製造された。

コンポーネントは、シマノ・デュラエースとカンパニョーロ・スーパーレコードの2バージョンが揃う。

今後はTTバイク、シティーバイクなど、各ジャンルでコラボレーションモデルを登場させていく予定。ブース中央に展示されていたのは、ビアンキとフェラーリの協力をイメージさせるコンセプトフレーム。TTのベースバーは前から見るとF1のフロントウイングをほうふつとさせるデザインになっている。
 
ビアンキ×フェラーリのコンセプトモデル
ビアンキ×フェラーリのコンセプトモデル

リドレー・ノアSLディスクエアロ+

リドレーのエアロロード最上級モデル「ノアSL」がディスクブレーキ仕様に
リドレーのエアロロード最上級モデル「ノアSL」がディスクブレーキ仕様に
ステム一体型ハンドルにより、ワイヤ類がほとんど露出しないハンドル回りを実現。(右写真フォークはFスプリットフォークを継続採用しているが、ディスクブレーキキャリパーをマウントするために左右で設計が異なる
ステム一体型ハンドルにより、ワイヤ類がほとんど露出しないハンドル回りを実現。(右写真フォークはFスプリットフォークを継続採用しているが、ディスクブレーキキャリパーをマウントするために左右で設計が異なる
リドレーのエアロロード、最上級であるノアSLにディスクブレーキを搭載したのがこの「ノアSLディスクエアロ+」。

フォークは「F-スプリットフォーク」と呼ばれる、スリットを持ったブレードを採用。ディスクブレーキのストッピングパワーに耐えるため、左側のブレードは下側のスリットがふさがれている。ダウンチューブには、「インモールドF-サーファス+」という溝があり、意図的にフレーム表面の気流に微細な乱れを発生させ、より大きな空気抵抗が発生しないようにデザインされている。

シートポストにも「インモールドF-サーファス+」が採用されている。インテグレーテッドタイプではないので、サドル高の微調整も容易だ。これら、ノアSLで培われた機能を踏襲しつつ、ディスクブレーキ化している。

ディスクブレーキモデルの新たな仕様として、ハンドル回りは、ステム一体ハンドルを採用。電動コンポーネントのみに対応し、ケーブル類はハンドル中央で一度外に出て、再びステム内部へ。そのままフレーム内へとケーブルはフル内蔵される。空気抵抗において、影響の大きなハンドル回りをすっきりさせる設計だ。

風洞実験は、リドレーの本社敷地内にある「バイクバレー」で行われた。


 

リドレー・フェニックスSLXディスク

ミドルグレードだったフェニックスだが、進化するごとにどんどんグレードアップ。出世モデルだ
ミドルグレードだったフェニックスだが、進化するごとにどんどんグレードアップ。出世モデルだ
基本的なジオメトリーは、リムブレーキモデルのフェニックスSLと同じ。シートステーの取り付け位置がやや低いのが違い
基本的なジオメトリーは、リムブレーキモデルのフェニックスSLと同じ。シートステーの取り付け位置がやや低いのが違い
上下異径のヘッドチューブ。ワイヤ類はフレームに内蔵される
上下異径のヘッドチューブ。ワイヤ類はフレームに内蔵される
すでにラインナップにある同社のディスクブレーキロード「フェニックスSLディスク」。これをさらに軽量化したのが「フェニックスSLXディスク」だ。基本的な形状は”SL”を踏襲しているが、フレームに使用するカーボンのグレードを変更し、より軽量に仕上げている。

ディスクブレーキロードのネガとしてたびたび話題に上がる重量について、シンプルな答えだ。
 

ルック・795RS よりエアロに、使いやすく

全体のフォルムは前作とそれほど変わらない。だが、細部は最新スペックにブラッシュアップされた
全体のフォルムは前作とそれほど変わらない。だが、細部は最新スペックにブラッシュアップされた
ADHハンドルバーは、今までケーブルルートの途中にあったケーブルアジャスターがハンドルに内蔵された。ブレーキ調整、ホイールの着脱が楽になる
ADHハンドルバーは、今までケーブルルートの途中にあったケーブルアジャスターがハンドルに内蔵された。ブレーキ調整、ホイールの着脱が楽になる
トップチューブにあったジャンクションA格納ボックスもリデザインされ、新型ジャンクションAに対応
トップチューブにあったジャンクションA格納ボックスもリデザインされ、新型ジャンクションAに対応
新ハンドルはDHバーの取り付けスペースも確保されているので、トライアスロン用としても
新ハンドルはDHバーの取り付けスペースも確保されているので、トライアスロン用としても
ルックのエアロロード「795」シリーズが、2014年に行わたプレゼンテーションから3年。リニューアルを果たした。ルックらしい独自性にあふれた各部の設計に、最新のコンポーネントに対応させるべく改良を加えたモデルが「795エアロライトRS」と「795ライトRS」だ。

煩雑だったハンドル~トップチューブのワイヤルートを刷新。ワイヤ途中にあったアジャスターはハンドルに内蔵され、ダイヤルでシンプルに操作できる。トップチューブのワイヤ入り口は左右方向に回転角をもたせたパーツに変更され、機械式変速コンポーネントで組んだ時でも、ハンドルを切ったときのワイヤのカーブがきつくなりすぎないようになった。また、ステムの中を通っていたフロントブレーキワイヤも、トップチューブ上部からフレームに内蔵されるルートに変更になっている。
これらワイヤルートの変更にともない、ヘッドパーツのベアリングサイズは上下とも1.5インチ径を採用。ヘッド回りの剛性アップにもつながっている。

BB周辺のワイヤルートも、前作ではBBシェル内を通過していたが、フレーム外側に新たにケーブルルート用の溝を設け、外側を通ることになる。BBシェル自体もフルカーボン化された。

カンパニョーロの電動コンポーネント「EPS」シリーズにも対応。EPSのケーブルジャンクションを通すためチェーンステーも大径化された。

「最近のエアロロードはハンドル回りなど、ポジション出しの細かさがスポイルされているものが多いが、ルックはポジションの出しやすさは維持できるようにこだわった。」と開発担当者が語る通り、専用ステムはそれ自体の角度を変更できるほか、ハンドルは一体型ではないので、その角度アレンジもかなり自由度が高い。
 

ケオブレードがリニューアル

多くのチャンピオンの走りを支えてきたルックのペダル。レース向けモデルのブレードに新作登場。踏み面のコンタクト面積を700平方ミリメートルまで拡大。踏み面の幅は62mmから64mmへと拡大された。クランク側に1つのボールベアリング。ペダルボディーセンターにニードルベアリングを備え、スピンドルも設計を新たにした。また、防水シールも改良されている。

ブレードシリーズは、金属製スプリングの代わりにカーボン製スプリングを採用している。軽量化と、一体感あるデザイン、空気抵抗低減のためだ。スプリングテンションは12Nm、16Nm、20Nmの3種類あり、ペダルボディーのボルトを抜くことで簡単に交換できる。

重量は110g(スチールスピンドル)、95g(チタンスピンドル)に仕上がっており、本体の「重量剛性比」が高いことも特徴だ。ペダリングパワーをより効率的にクランクに伝えてくれる。