トピックス
ベテラン勢が圧勝! Raphaスーパークロス野辺山2017
2017.11.27
シクロクロスが盛んなチェコのベテラン選手が野辺山初参戦!
長野県南佐久郡野辺山高原の滝沢牧場で、今年も11月25日、26日に人気のシクロクロス・イベント『Raphaスーパークロス野辺山2017』が開催された。昨年は直前の降雪で極寒バトルになったが、初日は好天に恵まれ、気温は最高4度Cで風は冷たかったが、日差しが暖かく心地よい一日だった。
前日の会場設営時には一時雪が降り、当日は午後になっても日陰は地面が凍っていたが、野辺山名物の泥セクションは意外と乾いていて、プログラムが進むうちにコースが踏み固められてラインが出来上がっていた。
イベントのハイライトとなる男子エリートのUCIレースには、今年は38歳で現オーストラリアチャンピオンのクリストファー・ヨンゲワールド(フランダース・Jブラッド)と、チェコのエミル・ヘケレ(スティーブンスバイクス・エミリオスポーツ)が初参戦した。
シクロクロスがとても盛んで、元シクロクロス世界チャンピオンのズデネク・シュティバルも輩出したチェコの選手が野辺山に参加するのは初めてだ。ヘケレは3月で40歳になった大ベテランだが、11月5日にチェコのターボルで開催されたUECシクロクロス欧州選手権にチェコ代表として出場し、36位で完走していた。
110人もの選手が出走した初日の男子エリートは、スタート時間までに全ての選手が招集スタッフに呼ばれないアクシデントが発生した。ロードレースとは異なり、スタートラインでのポジションがレースの勝敗を左右するシクロクロスでは、ゼッケンナンバーの順に並んでスタートする。
しかし、あまりの大人数にスタッフが慣れていなかったせいもあったのだろうか、スタート時間までに全員のコールが終わっていなかったのだ。通常であればスタート時刻を遅らせる措置が取られるが、スタートライン前方のチーフコミッセールに状況が伝わっておらず、競技は定刻にスタート。後方ではコールを受けてスタートエリアに入ったばかりの選手や、まだコールを受けていない選手たちが慌てて防寒着を脱ぎ捨て、集団から遅れてスタートしなければならなかった。
オーストラリアチャンピオンがスタートからアタック!
定刻通りにスタートの合図が出された集団の最前列から最初に飛び出したのは、オーストラリアチャンピオンのクリストファー・ヨンゲワールド(フランダース・Jブラッド)だった。彼は第1コーナーの落車に巻き込まれることもなく、後続に10数秒差を付けて先頭を走り続けた。
それを後続グループから追撃に出たのは、ライトグリーンのジャージが映えるチェコのベテラン、エミル・ヘケレ(スティーブンスバイクス・エミリオスポーツ)だった。彼はヨンゲワールドをじわじわと追い詰め、残り6周で追いついた。
38歳のヨンゲワールドと40歳のヘケレが圧倒的な強さで先頭を疾走する後方では、米国のアンソニー・クラーク(スクイッドバイクス)、竹之内悠(東洋フレーム)、日本チャンピオンの沢田時(ブリヂストンアンカー)、オーストラリアのギャリー・ミルバーン(スピードバーゲン☓マープ)が3位争いの走りを余儀なくされていた。
先頭では残り3周でヘケレが独走を開始し、2位のヨンゲワールドに30秒差を付けて初優勝を飾った。フィニッシュラインでは、ライバルに大差を付けた勝者にだけ許される観客とのハンドタットをする余裕すらあった。「テクニカルなコースだったが、良いレースができたよ」と、ヘケレは日本での勝利を喜んでいた。
3位争いのグループからは、終盤に竹之内とクラークが抜け出していたが、最終コーナーに先頭で現われたのは竹之内だった。彼は観客の大歓声を浴びて3位に入り、表彰台の最後の1枠を勝ち取った。
初日は2位に終わったオーストラリアチャンピオンのヨンゲワールドが2日目のレースを独走で制し、今年の野辺山CX男子エリートはベテラン2人が勝利を分け合った。
ラファ・スーパークロス・野辺山 男子エリート結果[UCIレース・クラス2/長野県野辺山高原・滝沢牧場特設コース]
【DAY1/11月25日】
1 エミル・ヘケレ(スティーブンスバイクス・エミリオスポーツ/チェコ)1時間02分43秒
2 クリストファー・ヨンゲワールド(フランダース・Jブラッド/オーストラリア)
3 竹之内悠(東洋フレーム/日本)
4 アンソニー・クラーク(スクイッドバイクス/米国)
5 小坂光(宇都宮ブリッツェン シクロクロスチーム/日本)
6 沢田時(ブリヂストンアンカー サイクリングチーム/日本)
7 ギャリー・ミルバーン(スピードバーゲン☓マープ/オーストラリア)
8 ケビン・ブラッドフォード(SET・コーチングドットコム/米国)
9 前田公平(弱虫ペダルサイクリングチーム/日本)
10 ポール・レーデンバッハ(フランダース・Jブラッド/オーストラリア)
15 キャメロン・ベアード(キャノンデール p/b シクロクロスワールドドットコム/米国)
【DAY2/11月26日】
1 クリストファー・ヨンゲワールド(フランダース・Jブラッド/オーストラリア)57分27秒
2 エミル・ヘケレ(スティーブンスバイクス・エミリオスポーツ/チェコ)
3 ギャリー・ミルバーン(スピードバーゲン☓マープ/オーストラリア)
4 アンソニー・クラーク(スクイッドバイクス/米国)
5 前田公平(弱虫ペダルサイクリングチーム/日本)
6 ケビン・ブラッドフォード(SET・コーチングドットコム/米国)
7 竹之内悠(東洋フレーム/日本)
8 小坂光(宇都宮ブリッツェン シクロクロスチーム/日本)
9 横山航太(シマノレーシングチーム/日本)
10 キャメロン・ベアード(キャノンデール p/b シクロクロスワールドドットコム/米国)
(http://www.uci.ch/cyclo-cross/results/)
1 エミル・ヘケレ(スティーブンスバイクス・エミリオスポーツ/チェコ)1時間02分43秒
2 クリストファー・ヨンゲワールド(フランダース・Jブラッド/オーストラリア)
3 竹之内悠(東洋フレーム/日本)
4 アンソニー・クラーク(スクイッドバイクス/米国)
5 小坂光(宇都宮ブリッツェン シクロクロスチーム/日本)
6 沢田時(ブリヂストンアンカー サイクリングチーム/日本)
7 ギャリー・ミルバーン(スピードバーゲン☓マープ/オーストラリア)
8 ケビン・ブラッドフォード(SET・コーチングドットコム/米国)
9 前田公平(弱虫ペダルサイクリングチーム/日本)
10 ポール・レーデンバッハ(フランダース・Jブラッド/オーストラリア)
15 キャメロン・ベアード(キャノンデール p/b シクロクロスワールドドットコム/米国)
【DAY2/11月26日】
1 クリストファー・ヨンゲワールド(フランダース・Jブラッド/オーストラリア)57分27秒
2 エミル・ヘケレ(スティーブンスバイクス・エミリオスポーツ/チェコ)
3 ギャリー・ミルバーン(スピードバーゲン☓マープ/オーストラリア)
4 アンソニー・クラーク(スクイッドバイクス/米国)
5 前田公平(弱虫ペダルサイクリングチーム/日本)
6 ケビン・ブラッドフォード(SET・コーチングドットコム/米国)
7 竹之内悠(東洋フレーム/日本)
8 小坂光(宇都宮ブリッツェン シクロクロスチーム/日本)
9 横山航太(シマノレーシングチーム/日本)
10 キャメロン・ベアード(キャノンデール p/b シクロクロスワールドドットコム/米国)
(http://www.uci.ch/cyclo-cross/results/)
女子エリート1日目は米国のラネルズが初優勝、シングルスピードは最速店長が圧勝!
過去の野辺山シクロクロス レポート
2012年→ http://www.cyclesports.jp/articles/detail/28720
2013年→ http://www.cyclesports.jp/articles/detail/28745
2014年→ http://www.cyclesports.jp/articles/detail/29213
2015年→ http://www.cyclesports.jp/articles/detail/56177
2016年→ http://www.cyclesports.jp/articles/detail/72422
Raphaスーパークロス野辺山2017