「アルプデュエズ」。バイクのコンセプトを明確に表し、このモデルに懸けるタイムの並々ならぬ意気込みが伝わる車名である。21のコーナーを持つツールで最も名のある峠に例えて、アルプデュエズは2つのグレードを用意した。最高標高となる最終コーナーの番号を冠した最高峰の「アルプデュエズ01」と、入口となる最初のコーナーの番号を冠した廉価グレードの「アルプデュエズ21」である。
世界中のロードバイカーが熱い視線を送るであろうアルプデュエズ1は、タイム史上最軽量を記録し、最強のクライミング性能を有する軽量ラウンダーに仕上げられた。840gのフレーム単体重量は、数値こそアイゾンから60g(8.6%)の軽量化に過ぎないが、重量比剛性は25%向上に成功したという。
フレームワークは前作の面影を全くと言っていい程に留めていない。傾斜を増したスローピングフレーム、角形を積極的に取り入れて断面積を大型化した各チューブ、内蔵仕様となったケーブル類など、アイゾンと比べると垢抜けたモダンな立ち姿を手にしている。
もちろんそのフレームの製造方法は、タイムのライディングフィールの根幹をなす、カーボン繊維を自社でソックス状に編む「カーボンブレイデッド」、CFRP成型技術の「RTM」(Resin Transfer Molding)が用いられるのは言うまでもない。