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タイム最強のクライミングバイク「アルプデュエズ」詳報

独自のカーボン哲学で世界中のサイクリストを魅了するタイムの新作「アルプデュエズ」。 幾多の名勝負を演出した伝説の峠の名を冠した、タイム最強のクライミングバイクの性能に迫ろう。
 
text:吉本 司 photo:岩崎竜太/ポディウム/吉本 司

タイム史上最高となる重量比剛性

1991年にフレームの製造を開始して以来、独自のカーボンフレーム技術を貫き、孤高のライディングフィールで世界中のロードバイカーを魅了し続けるタイムだが、ここ数年は変革の時といえよう。

一昨年には、タイムのフレーム作りの礎を築いた技術者ジャンマルク・グッグヌーがその職を引退。さらにフランスの大手スポーツ用品ブランド、ロシニョールのバックアップも受けることで研究開発を充実させ、プレミアムブランドとしての歩みをさらに強めている。  

2018年1月に発表された 「アルプデュエズ」 シリーズは、グッグヌーの意志を引き継いだザビエル・ルシャ・ブシャールが指揮を執って生まれた、タイムの新たな時代の幕開けとなる存在でもある。

ツール・ド・フランスで数々の名勝負を演出した峠の名を冠したこのモデルは、同社がアルティチュードカテゴリーとしてラインナップし、上り性能に秀でた軽量オールラウンダー「アイゾン」の後継機となる。 

そして本シリーズは、最高峰となる「アルプデュエズ 01」 と、廉価グレードの「アルプデュエズ21」が展開される。
 

アルプデュエズ01のフレーム単体重量は840g(Sサイズ)。アイゾン(920g)から80g(8.6%)の軽量化を達成したという。しかしこの数値は、600g台の超軽量フレームが世にあることを考えると特筆されるものではない。 

「軽量化だけなら、もっと軽くできました。しかし我々の理想は、最適な剛性と反応性(ダイナミック)、 快適性、デザイン、タイムらしい走りを備えたうえでの軽量化なのです」と、ブシャール氏は、本作のコンセプトをこう語る。  

これらをかなえるべく、まずアルプデュエズ01ではHMカーボンに一部新しいタイプを投入。さらにHMカーボンの使用率は、アイゾンが45%であるのに対して、60%にまで引き上げられた。  

もちろんフレームの製造法は、数あるバイクメーカーの中でもタイム固有のカーボンブレード・テクノロジーと、RTM(レジン・トランスファー・モールディング)工法を維持する。フランスにある自社工場でカーボン繊維はソックス状に編まれ、それを心材にかぶせた後、金型にはめてレジンを流し込みながら圧力をかけ成型するという、手間のかかるやり方だ。  

本作は、このソックス状のカーボンブレードの枚数を削減。さらに心材の使い方に改良を加え、エポキシ樹脂を高圧で固める工法も新たに採用して軽量化を目指した。また、最外層のコスメ用カーボンの省略も重量減につながっている。  

 
欧州・北米・台湾において、2018年1月後半の同日に開催されたアルプデュエズのプレスローンチ。本誌をはじめアジアのメディアは、移動距離が少なく温暖な台湾へ足を運んだ
欧州・北米・台湾において、2018年1月後半の同日に開催されたアルプデュエズのプレスローンチ。本誌をはじめアジアのメディアは、移動距離が少なく温暖な台湾へ足を運んだ

こうして見直された素材と製造方法に、アルプデュエズ01は新設計のフレーム形状を組み合わせて軽さと剛性をバランスしている。直線的で洗練されたデザインを手にしたフレームは、BB386規格を取り入れ、断面積を大きくしたチュービングを積極的に用いた。これによりチューブ肉厚を抑え、カーボン素材の使用量を削減しながら、ひいてはアイゾンよりも高い剛性を得るに至った。  

その平均剛性値はアイゾンが118Nmなのに対して、アルプデュエズ01は135Nmを記録。重量比剛性ではアイゾンの25%増となり、この値はエアロモデルのサイロンをしのぎ、タイム史上最高の重量比剛性を獲得している。  

さらにタイムは重量比剛性の向上のみならず、上りの走りで最も彼らが重視する反応性を高次元で獲得するために、それに必要となるBBエリアの最適な剛性レベルとそのフィーリングにこだわった。これらによってアルプデュエズ01は、タイム史上最高のクライミングパフォーマンスを備えるという。  

かねてからタイムが考える理想のバイクとは、優れた軽量性や動力性能だけに止まらず、快適性も有してライダーのパフォーマンスを、いかに維持させるかにある。  

この点においてアルプデュエズ01では、これまでどおりカーボンに高弾性率と優れた振動減衰特性を持つ化学繊維、ベクトランを織り込む手法を継続。さらにフォークブレード前端にチューンドマスダンパーを内蔵して、ライダーが不快と感じる路面からの振動を30%軽減するという、独自のアクティブフォークも引き続き搭載する(よりソリッドな乗り味のクラシックフォークの選択も可)。  

そして本作では、これに加えて27.2mmに相当するポスト径を持つ専用シートポストが用意され、このしなりにより垂直方向の衝撃吸収性が向上。これら3つのパッケージによりレーシングモデルとしては高い快適性を獲得している。  

独自のカーボン技術と快適設計を駆使して、軽さや重量比剛性の数値だけに固執せず、総合的な走行性能と走行感を求めたその姿は、比類なきカーボンバイクと称されるタイムならではだ。実利に富んだ軽量モデル、それがアルプデュエズ01であり、タイムの新たな歴史を作るにふさわしい一台である。  

なお、ディスクブレーキバージョンについては、市場動向を見ながら2019年モデルでの販売を予定しているという。グランフォンド派は、こちらも注目だ。
 
今回アルプデュエズの車名を冠するにあたり、タイムでは峠のある村から公式の使用許可を得ており、同社のこのモデルに懸ける意気込みは相当のものだ。
この峠に21のコーナーがあるのは有名な話だが、最高峰の「アルプデュエズ01」には山頂近くの最後のコーナー1、廉価版の「アルプデュエズ21」には麓近くの最初のコーナー21を冠した。


タイム・アルプデュエズ 01LTD アクティブフォーク
フレームセット税抜価格/ 75万円(限定50本)
フレーム素材:HMカーボン=60%、HR/HSカーボン=37% 、ベクトラン=3%   
フレーム単体重量 / 840g( Sサイズ) 
フォーク重量/ 525g(アクティブフォーク) 
フレームサイズ/ XXS、XS、S、M、L、XL 
カラ ー/アルティウム 
コンポ/シマノ・デュラエースDi 2 
ホイール/ライトウェイト・ギップフェルシュトルム
 

似ているところは何もない。全てを一新したフレームワーク

アルプデュエズ
アルプデュエズ
アイゾン
アイゾン
フレームワーク
アルプデュエズ01はアイゾンよりもトップチューブの傾斜角が強くなり、コンパクトなフレーム設計となった。上り性能を考えたダンシングにおけるバイクの振りの軽さ、加速性能を高めるための仕様だという。

アイゾン
アクティブフォーク
価格/ 52万円 (フレームセット・税抜) 



 
アルプデュエズ
アルプデュエズ
アイゾン
アイゾン
フロントフォーク
アクティブフォークは、アイゾンではフルイディティと共用となるベンドブレード型を装備したが、アルプデュエズ01はサイロンと同じ物を用いる。振動 がフロントフォークからフレームへ伝わるモードは、サイロンと同じという理由からだ。



 
アルプデュエズ
アルプデュエズ
アイゾン
アイゾン
ヘッドチューブ
上下異径ヘッドは従来どおり。アルプデュエズ01はスクエアな造形で、全体的にボリュームアップしている。トップチューブに対してヘッドチューブ上側 の端面が落ち込んだデザインにより、アイゾンよりも9mmハンドル位置を下げられる。



 
アルプデュエズ
アルプデュエズ
アイゾン
アイゾン
ダウンチューブ
アルプデュエズ01はダウンチューブの断面形状も角形に近くなり、その面積もかなり増した。大径化によりカーボンの使用量を減らして、この部分だけで100g/m²の軽量化を実現した。実際に手でチューブを弾くと、アイゾンよりも肉薄なことが分かる。



 
アルプデュエズ
アルプデュエズ
アイゾン
アイゾン
BBエリア
アイゾンがBB30だったのに対して、アルプデュエズ01ではBB386となった。横幅、直径ともに増したハンガーシェルを生かして、断面積を広げたダウンチューブを接続して、BBまわりの造形は大幅にボリュームアップ。もちろん剛性も大幅に向上した。



 
アルプデュエズ
アルプデュエズ
アイゾン
アイゾン
シートステー
後方から見ると、リヤエンドに対して直線的に伸びるアイゾンのシートステー。対するアルプデュエズ01は、リヤエンド側でステーが一気に広がる形だ。細身になったシートステーで、エンドまわりのねじり剛性を確保するための設計だろう。



 
アルプデュエズ
アルプデュエズ
アイゾン
アイゾン
シートまわり
いかにもモノステー的な作りのアイゾンに対して、アルプデュエズ01は、トップチューブからシートチューブにかけて一体感に富んだフォルムとなった。 シートポストの固定は、後方からクランプキャップと2本のボルトで行う方式を採用。



 
アルプデュエズ
アルプデュエズ
アイゾン
アイゾン
トップチューブ
トップチューブの上面を大きくして、ねじれ剛性を高める考え方は両車ともに変わらない。アルプデュエズ01は、横幅を広げた台形の断面形状を採用。面積も大きくなり、チューブ肉厚を減らして軽量化をしながら、必要なねじれ剛性が確保されている。



 
アルプデュエズ
アルプデュエズ
アイゾン
アイゾン
チェーンステー
タイムがVXRS以来、採用してきた左右異径断面チェーンステーも継続される。アイゾンはステーの中ほどに三角形に近い断面を用いたが、アルプデュエズ01は角形とし、さらにその面積も大型化。BBまわりの剛性アップに貢献している。



 
アルプデュエズ
アルプデュエズ
アルプデュエズ
アルプデュエズ
アルプデュエズ
アルプデュエズ
(写真左・上)タイム独自のクイックセットの調整部は、ヘッドチューブ上側に埋め込まれる仕様となりクリーンなヘッドまわりを実現。上側のベアリング径の規格は1-1/8インチのままだが、小型化により44gの軽量化も果たした。

(写真左・中)アイゾンのリヤエンドはアルミ製だったが、アルプデュエズ01ではCMT(カーボン・マトリクス・テクノロジー)によって、コンパクト、軽量、高剛性となったカーボン製のものを使用する。

(写真左・下)アルプデュエズ01は、分割型のオリジナルシートポスト仕様のみとなる。D字断面に近い27.2mm相当のポスト部が最適な柔軟性を発揮する。やぐら部はスカイロンで採用されたダイレクトリンクの設計を受け継ぎ、ゼロオフセットのタイプ。ペダリングの際、この部分で発生する不要な動きを抑えてパワーロスを防ぐ。
 

アルプデュエズ01 LINE UP

レッドブラック
レッドブラック
ホワイトブラック
ホワイトブラック
カスタムヒーロー
カスタムヒーロー
レーシングエディション
レーシングエディション
フランスエディション
フランスエディション

●アルプデュエズ01LTD アクティブフォーク(専用色) 税抜価格/75万円
●アルプデュエズ 01 アクティブフォーク カスタムカラー 税抜価格/ 70万円、81万円(ステム&ハンドル付)
●アルプデュエズ 01 アクティブフォーク(標準色) 税抜価格/ 65万円
●アルプデュエズ 01 クラシックフォーク カスタムカラー 税抜価格/ 64万円、75万円(ハンドル&ステム付)
●アルプデュエズ 01 クラシックフォーク(標準色) 税抜価格/ 59万円

※価格はフレームセット(ハンドル&ステム付き除く)
※カラーはアクティブ、クラシックフォークともに、オーダーのカスタムカラーと標準5色。標準色は、ホワイトブラック、レッドブラック、レーシングエディション、フランスエディション、カスタムヒーローの5色。 
 

インタビュー「上りでは剛性だけでなく、ねじれの戻りの速さが大切」

タイム社 R&Dマネージャー
ザビエル・ルシャ・ブシャール

タイムの名声を築いた技術者ジャンマルク・グッグヌーの後継者。自転車をはじめとするスポーツ用品の設計を好み、98年よりタイムに関わり現在は開発を取り仕切る。アクティブフォークに関連の特許を取得した人物でもある。



CS:840gの数値は、他社の軽量フレームと比べて秀でた軽さではありませんが、これはRTMの工法的な限界もあるのでしょうか。

ザビエル:軽さだけなら100%HMカーボンで積層を減らせば可能なので、工法に問題はありません。しかしそれは、最適なバイクの挙動や快適性を考慮すると意味がありません。単に重量だけではなく剛性と反応性、デザインと快適性を確保したうえでの軽量化が必要なのです。我々の製品は重量・剛性・反応性においてベストバランスを達成しているので、さらに100gの軽量化なら、慣性が重要なホイールで稼ぐほうが効果は大きいでしょう。

CS:上りで高性能を得るのに、重量以外で最も大切にしたことは何ですか。

ザビエル:例えばエアロバイクでは、ライダーはサドルに座った状態でペダリングして、脚と背中からのパワーを伝えます。高剛性こそがワットを無駄にしないパワー伝達を可能にします。しかし上りでは違うことが起こります。パワー自体は小さくなり、高いケイデンスで同じワットを発揮しようとします。そのためには剛性はそれほど必要なく、逆に剛性が高すぎるとケイデンスを保ちづらくなります。つまり上り性能に優れるフレームは、剛性そのものの高さよりも、それがねじれて素早く戻ることが大切です。我々はそれを反応性(ダイナミック)と表現していますが、フレームをどう変形させて、どの速度で戻すかが、上りで進むフレームには大切なのです。 

CS:具体的にはどの部分が大切ですか。

ザビエル:やはり、その性能やペダリング性能に関わるのはBBまわりです。反応性のコントロールは繊維のグレード、編み方で変わりますが、レジンの存在は変形してから戻る速度の調節に大きく関わります。もちろんチューブ形状も関係しますし、さまざまなことを考え試行錯誤します。タイムは研究部門の扉の向こうに製造施設があるので、テストで満足できなければ繊維や編み方、レジンを変えたものを、社内で2〜3時間で作れるのです。

 


CS:タイムがカーボンブレード・テクノロジーとRTM工法にこだわる理由とは。

ザビエル:カーボンブレードは、繊維をチューブの端から端までずっとつなげて作ることができます。プリプレグはフレームの形状にした場合、必ず重なる部分がありますが、RTMはそれがありません。チューブ径と編み方によって繊維の角度を完全に調整できるのが利点で、コントロールしやすく個体差のきわめて少ないフレームを作ることができます。複雑な形状のチューブであっても、どんな径のところでもポイントでも狙った角度に出せるのはRTMだけなのです。同じ性能、同じ挙動のフレームを造り出せるのです。
 
CS:カーボン繊維のメーカーによるとRTM工法はプリプレグよりも力学特性が低いとか、高弾性糸を使いにくいと聞きます。

ザビエル:カーボンにレジンを使う理由は、ある力を繊維が受けたときに隣へと力を伝える役割があります。しかし(構造物に)気泡があってはそれが台なしです。プリプレグの製品は気泡が多く、それは使用すると次第に亀裂を生み、最初はあまり感じないのですが、10年もたつと大きな違いを生みます。プリプレグの劣化はかなり激しいのです。繊維の役割を100%発揮させるには、RTM工法が最適なのです。高弾性糸は使いにくい面もありますが、現在はロシニョールとその研究をしているところで、今後はこのハンディを減らして、さらに軽量化もできると思います。 

CS:プリプレグ工法でも内圧成型の芯材にEPSフォームなどを使って、気泡の削減を目指していますね。 

ザビエル:確かにその弱点を改善してきています。EPSテクノロジーによってフレーム内側はきれいになっていますが、肝心の内部の気泡が少なくなったわけではないのです。 

CS:タイムのフレームは、どのモデルに乗ってもタイムらしい走りを感じます。これはカーボンブレード・テクノロジーとRTM工法がなければ、なし得ないのでしょうか。 

ザビエル:そうです。やはり乗車感覚が違うと思います。今後アクセサリーやコンポーネントなどは別の製法を使うかもしれませんが、フレームの三角形についてはRTM工法とブレードテクノロジーを使い続けるでしょう。 

CS:タイムらしい走りとは?

ザビエル:難しい質問です。今その作業を、数値などを用いて明確にできないかと考えています。ロシニョールはスキーでそれを行っています。タイムには長い歴史もありますし、(らしさの)大元を築いたのがジャンマルクです。彼なしで作った最初のバイクがアルプデュエズです。ですので5年後は違うものになっているかもしれません。 

CS:とはいえアルプデュエズは、やはりタイムらしさがありますね。 

ザビエル:急には変われないでしょうし、ジャンマルクの影響は色濃く残っていますよ。 

CS:ロシニョールの協力を得ることで、タイムのテクノロジーは相当に進化しそうですか。 

ザビエル:ロシニョールはスキーで何年も培った製品開発の技術があります。今後3年間でどういう製品を作るかというロードマップは完成している。技術開発プランもあり、どのような製品を開発していくかも決まっている。時間を要するので3〜5年後を見据えています。ロシニョールとの技術開発で、さらに製品は向上するのは間違いありません。
 

試乗インプレッション「タイム味と軽さの絶妙なバランス」

吉本 司
サイクルスポーツ編集長。ハードウエアの試乗・ 紹介記事を得意とするが、市場動向や歴史など幅広い知識も持つことで知られる。



今回の試乗は、台湾の発表会から帰国後、同サイズのアイゾンを取り扱い代理店からお借りして、アルプデュエズ01と乗り比べた。確かにアイゾンの走りは軽く、上りは一線級のレベルにある。しかしアルプデュエズ01は、やや軽量車的な動きが味付けされ、上りでさらに攻撃的な走りを手にしている。

走り出すとすぐに分かるペダリングの軽さと俊敏なバイクの動き。上りに入ればダンシングは舞うように軽く、シッティングは滑るように進む。動きはシャープだがそこに浮わついた印象はなく、しっかりと路面を捉えながら進む。走りの軽さに心が高揚しているにもかかわらず、どこか冷静にペダルを踏み続け られる、不思議な安定感と安心感がある。そして、軽い出足は勾配の変化にも対応しやすい。

チューブがある程度肉薄なことは分かるが、パリパリとした感覚は薄く、しっかり身の詰まった印象だ。そして剛性に一体感はあるけれど、踏みしろはちゃんと残されていて、上りにおける高負荷のダンシング、ケイデンス重視のシッティングとも、滑らかでトルクフルなペダリングをできるのはタイムらしい。

とはいえアイゾンやサイロンのような、これまでのタイムが持つ独特の分厚いペダリングフィールはやや抑え気味になったようだ。恐らくそれは、より大径・肉薄になったチュービング故だろう。しかしアルプデュエズ01の軽量オールラウンダーとしての性能は、間違いなく最前線に位置している。 試乗車にはアクティブフォークが装備されていたが、下りにおけるバイクの安定感は圧倒的だった。ただ気になるのは、フォークブレードの先端側に150g程のマスダンパー構造を内蔵するため、ダンシングの挙動が一般的なフォークとは少々違うことだ。

クラシックフォークをセットしたアルプデュエズ01は試乗していないが、今回アイゾンで両方のフォークを乗り比べた印象からすると、個人的にはクラシックフォークのほうが好きだ。アクティブフォークの挙動は慣れの範囲でもあるが、重量の軽さも考慮するとクラシックフォークを選択したくなる。フロン トフォークの仕様が2つあるのはタイムの良心的なところで、走りのフィールドや好みに応じて選択すればいいだろう。

タイムの特徴とするライディングフィールをうまく残しつつ、軽量化と上り性能を最大化させたアルプデュエズ01は、数々の名勝負を演出した峠の名に恥じない、孤高のクライミングバイクといえるだろう。 

※試乗はアルプデュエズ 1、アイゾンともにヴィジョン・メトロン40で行いました。 
 

おおよそ30万円で手に入るアルプデュエズのディフュージョンモデル

カスタムヒーロー
カスタムヒーロー

タイム・アルプデュエズ 21
フレームセット税抜価格/ 29万8000円(標準カラー)、 35万円(カスタムカラー)

SPEC.
●フレーム素材/ HMカーボン=8%、 HR/HSカーボン=85%、バサルト=7%
●フレーム単体重量/ 930g(Sサイズ)
●フレームサイズ/ XXS、XS、S、M、L、XL
●カラー/ホワイト、レッド、カスタムヒーロー  


廉価版の「アルプデュエズ21」は、上位モデルと同じフレーム製造法だが素材に違いがある。カーボン繊維はHR/RSが主となり、振動吸収素材は新たにバサルト繊維を用いる。シート部の作りは、汎用性のある27.2mm径のシートポストをクランプバンドで固定する形状。ヘッド部はクイックセットのトップキャップが露出するオーソドックスな作りだ。フレーム単体重量は930g(Sサイズ)。 
 

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