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野口佳子が新クラスでもアルカンシエル獲得! 2018パラサイクリングロード世界選手権

レース
イタリア・マニアーゴで2018年8月2~5日に開催されたUCI2018パラサイクリングロード世界選手権で野口佳子が、障害クラス女子C2(以下WC2)のTT(タイムトライアル)で銀、WC2のRR(ロードレース)で金と、2つのメダルを獲得した。

【text&photo:佐藤有子】

 
アタックが決まらず何度もダメだと思ったが最後のゴールスプリントにかけた、という野口のフィニッシュ。(WC1~WC3が同時刻スタートで混走。黒いヘルメットがWC2)
アタックが決まらず何度もダメだと思ったが最後のゴールスプリントにかけた、という野口のフィニッシュ。(WC1~WC3が同時刻スタートで混走。黒いヘルメットがWC2)


野口は昨年のパラサイクリングロード世界選手権ではWC3のTTで優勝したが、今年3月のパラサイクリングトラック世界選手権の大会中、障害がより重いWC2へのクラス変更判定が行われた。そのため、今回は新クラスにて再びのアルカンシエル獲得となった。

7月15日に落車し肋骨にひび、肩から腕の打身という負傷をした野口。治療に専念しながらローラーなどで脚力を落とさないようトレーニングしてきたという。

 
ロードレース(WC2)表彰。WC1~WC3のロードレースは同時刻スタートだが、この大会の着順は各クラスに分かれてつけられる
ロードレース(WC2)表彰。WC1~WC3のロードレースは同時刻スタートだが、この大会の着順は各クラスに分かれてつけられる
現地はこの夏の東京以上の蒸し暑さと高温で、レースは酷暑との戦いに。「走った後はいつもこうなので大丈夫」というが、足の痙攣と痛みを訴え座り込む野口
現地はこの夏の東京以上の蒸し暑さと高温で、レースは酷暑との戦いに。「走った後はいつもこうなので大丈夫」というが、足の痙攣と痛みを訴え座り込む野口


日本チームは、野口のほかにも川本翔大がTT(MC2)10位/27名出走・RR(MC2)で4位/26名、藤井美穂がTT(WC2)で6位/8名・RR(WC2)で7位/9名とそれぞれ10位以内に入り、東京パラリンピック自転車競技の国別出場枠配分の基準となるUCIポイントを積み上げた。

木村和平・パイロット倉林巧和ペアは、TT(MB)で19位/27組・RR(MB)で15位/26組に。層の厚いMBでの、パラサイクリングロード世界選手権初出場ペアの成績としては悪くない順位での完走を果たした。

なお、出場を予定していた、2015年のRR(MC3)チャンピオンの藤田征樹は、現地で大会前の練習中に落車し、左前腕骨折のため大会に参加せず帰国。王座奪還への挑戦は次回への持ち越しとなった。

 
ロードレースで川本はMC2の4位に。年々力を伸ばし、世界選手権でもメダルに手が届きそうな位置まで上がってきた
ロードレースで川本はMC2の4位に。年々力を伸ばし、世界選手権でもメダルに手が届きそうな位置まで上がってきた
健常者ナショナルチーム経験者に必要な待機期間を終えてパラサイクリングのパイロットの資格を得た倉林を迎え、本格始動した木村ペア(MBのロードレース)
健常者ナショナルチーム経験者に必要な待機期間を終えてパラサイクリングのパイロットの資格を得た倉林を迎え、本格始動した木村ペア(MBのロードレース)
WC2のタイムトライアルを走る藤井美穂。リオ大会で日本の女子枠は2あったが、藤井は競技レベルが不十分として選抜されなかった。雪辱を果たす伸びしろは十分な23歳
WC2のタイムトライアルを走る藤井美穂。リオ大会で日本の女子枠は2あったが、藤井は競技レベルが不十分として選抜されなかった。雪辱を果たす伸びしろは十分な23歳
今大会の日本チームの選手・スタッフ(MBは出場時間帯が違ったため別に撮影)。選手は右から川本翔大(しょうた)、野口佳子(けいこ)、藤井美穂
今大会の日本チームの選手・スタッフ(MBは出場時間帯が違ったため別に撮影)。選手は右から川本翔大(しょうた)、野口佳子(けいこ)、藤井美穂
日本チームのスタッフと、パラサイクリングロード世界選手権には初出場のタンデムペア。選手は左が木村和平(かずへい)、右がパイロットの倉林巧和(たくと)
日本チームのスタッフと、パラサイクリングロード世界選手権には初出場のタンデムペア。選手は左が木村和平(かずへい)、右がパイロットの倉林巧和(たくと)