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ブエルタ・ア・エスパーニャ2018 第5ステージはクラークが逃げ切り区間優勝し、フランスのモラールが総合首位

レース
(©Bettiniphoto)
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スペインで開催中の第73回ブエルタ・ア・エスパーニャ(UCIワールドツアー)は、8月29日にグラナダからロケタス・デ・マルまでの188.7kmで中級山岳区間の第5ステージを競い、オーストラリアのサイモン・クラーク(チームEFエデュケーションファースト・ドラパック・P/Bキャノンデール)が逃げ切った3選手でのゴールスプリントを制して区間優勝した。

32歳のクラークは2012年のブエルタでも区間優勝していて、これが2度目の勝利だった。

マイヨ・ロホを着たポーランドのミハウ・クフィアトコフスキー(チームスカイ)がいたメイン集団は4分55秒遅れでゴール。この日の逃げの一員だったフランスのリュディ・モラール(グルパマ・FDJ)が総合首位に立ち、グランツールで初めてリーダージャージに袖を通した。

フランス人選手がスペインのブエルタで総合のリーダージャージを着たのは、2011年のシルヴァン・シャヴァネル以来で、フランスチームの選手としては、2005年にフランセーズデジュに所属していたオーストラリアのブラッドリ・マクギー以来だった。



第5ステージは176選手が出走。スタートしてすぐにアタックが続いたが、逃げはなかなか決まらず、1時間が経過。平均時速は47.8km/hという高速ステージになった。55km地点にあったこの日最初のカテゴリー3の峠の頂上をステファヌ・ロセット(コフィディス)が先頭で通過し、アレッサンドロ・デマルキ(BMCレーシングチーム)が続いたが、集団はたった14秒後方にいた。厳しいレース展開のせいで、最初の峠を越えた時点でメイン集団は70人ほどに減っていた。

その集団から下りで25名の選手が先行。そこにモラールも加わっていた。メイン集団はこの逃げを容認し、70km地点でタイム差は1分50秒になった。先頭集団では更にアタックがかかり、ロセットとデマルキが先行した。残り77kmで、2人は後続に1分差、集団に5分半のタイム差を付けた。

追走グループからはヴァレリオ・コンティ(UAEチーム・エミレーツ)が単独で飛び出し、先頭の2人を追いかけた。残り65kmでロゼットが遅れ、先頭はデマルキ1人になった。デマルキは後方から追い上げてきたクラークとモレマに一度追い抜かれてたが、ゴールまで残り48kmで追いつき、先頭は3人になった。

ゴールまで残り37kmで最後のカテゴリー2の峠越えが始まった時、先頭の3人は9人の追走グループに1分45秒差、メイン集団には6分差を付けていた。峠越えで追走グループからダヴィデ・ヴィッレッラ(アスタナプロチーム)、モラール、フロリス・デティール(チームロットNL・ユンボ)がアタックし、先頭の3人を追った。

先頭ではモレマが機材故障で遅れたが、頂上まで残り2kmで追いつき、カテゴリー2の頂上を先頭で通過。追走する3人は1分遅れ、集団は6分後方だった。逃げている選手の中で総合成績が最も上位だったのは追走グループにいたモラールで、総合首位のクフィアトコフスキーに3分46秒遅れで、バーチャルリーダーになった。

先頭の3人はそのまま後続とのタイムを守って峠を下り終え、ゴールスプリントを制したのはオーストラリアのクラークだった。モラールは8秒遅れでゴールしたが、クフィアトコフスキーがいたメイン集団は4分55秒遅れでゴールしたため、モラールが総合首位に立ち、マイヨ・ロホを獲得した。


■区間優勝したクラークのコメント
「ただ素晴らしい。ここで最後に区間優勝してい以来、ボクはとても熱心に働いていたが、それを繰り返すことはできなかった。ここに戻ってくるのには、長い時間がかかったよ。ボクの星が揃ったのさ。今日は足の調子がいいのがわかっていたが、多くの選手がいる逃げでは協力体制があまりよくなかった。

知っての通り、勝利の動きは下りであった。それは難しい選択だった。ボクは15歳の時からトラック競技で育ち、最後の数kmはトラックレースのようだった。ボクはデマルキが速いのを知っていたが、こういう長いステージでは、スプリントをするのはとても難しいものだ」


■グランツールで初めて総合リーダージャージを着た28歳のモラールのコメント
「ボクの目標は、実際にはステージで勝つことだったが、マイヨ・ロホを取れてうれしいよ。先頭グループがタイム差を得た時、ボクは別の目標とリーダーシップに集中した。でも、フィニッシュラインを越えるまでは信じられなかった。期待していなかった。

ボクたちはピノーとサローのために働く目的でここにいる。グランツールのリーダージャージはとても意味がある。これは多くの選手が1日は楽しんでみたい、ユニークでとても特別なものだ。ボクはこれを日曜日まで守りたい。スプリントゴールのより簡単な3日間があるからね」

 
 
(©Bettiniphoto)
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■第5ステージ結果[8月29日/グラナダ〜ロケタス・デ・マル/188.7km]
1. SIMON CLARKE (TEAM EF EDUCATION FIRST - DRAPAC P/B CANNONDALE / AUS)    04H 36' 07''
2. BAUKE MOLLEMA (TREK - SEGAFREDO  / NED)
3. ALESSANDRO DE MARCHI (BMC RACING TEAM / ITA)    
4. DAVIDE VILLELLA (ASTANA PRO TEAM / ITA) + 08''
5. FLORIS DE TIER (TEAM LOTTO NL - JUMBO / BEL) + 08''
6. RUDY MOLARD (GROUPAMA - FDJ / FRA)  + 08''
7. MAXIME MONFORT (LOTTO SOUDAL / BEL) + 01' 58''
8. JONATHAN LASTRA  (CAJA RURAL - SEGUROS RGA / ESP) + 02' 00''
9. FRANCO PELLIZOTTI (BAHRAIN - MERIDA / ITA) + 02' 00''
10. MERHAWI KUDUS (TEAM DIMENSION DATA / ERI) + 02' 00''
23. MICHAL KWIATKOWSKI (TEAM SKY / POL) + 04' 55''

■第5ステージまでの総合成績
1. RUDY MOLARD (GROUPAMA - FDJ / FRA) 18H 27' 40''
2. MICHAL KWIATKOWSKI (TEAM SKY / POL) + 41’’
3. EMANUEL BUCHMANN (BORA - HANSGROHE / GER) + 48’’
4. SIMON YATES (MITCHELTON - SCOTT / GBR) + 51’’
5. ALEJANDRO VALVERDE (MOVISTAR TEAM / ESP) + 53’’
6. WILCO KELDERMAN (TEAM SUNWEB / NED) + 1' 06''
7. JON IZAGUIRRE (BAHRAIN - MERIDA / ESP) + 1' 11''
8. TONY GALLOPIN (AG2R LA MONDIALE / FRA) + 1' 14''
9. NAIRO QUINTANA (MOVISTAR TEAM / COL) + 1' 14''
10. STEVEN KRUIJSWIJK (TEAM LOTTO NL - JUMBO / NED) + 1' 18''

[各賞]
■ポイント賞:MICHAL KWIATKOWSKI (TEAM SKY / POL) 
■山岳賞:LUIS ANGEL MATE (COFIDIS, SOLUTIONS CREDITS / ESP) 
■コンビネーション賞:ALEJANDRO VALVERDE (MOVISTAR TEAM / ESP)
■チーム成績:ASTANA PRO TEAM (KAZ)
■敢闘賞:BAUKE MOLLEMA (TREK - SEGAFREDO  / NED) 
 

第6ステージはスプリンター向きの平坦区間

MAP : Unipublic
MAP : Unipublic
8月30日は、ウエルカル・オベラからサン・ハビエル・マル・メノル  までの155.7kmで平坦区間の第6ステージが行われる。平坦区間とは言え、途中カテゴリー3の峠は2カ所越えなければならない。最後は集団ゴールスプリントになることが予想されている。
 
 
レース公式サイト

 

第5ステージのハイライト映像