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ブエルタ・ア・エスパーニャ2018 第12ステージは逃げが決まり、ジェニエズが区間優勝してエラダが総合首位
レース
2018.09.07
スペインで開催中の第73回ブエルタ・ア・エスパーニャ(UCIワールドツアー)は、9月6日に北部ガリシア地方のモンドニェドからマニョンのエスタカ・デ・バレス灯台までの181.1kmで、中級山岳区間の第12ステージを競い、スタートして9kmの最初のカテゴリー3の峠でアタックした18人の集団が逃げ切った。
最後はその中の6人がゴールスプリントを競い、フランスのアレクサンドル・ジェニエズ(アージェードゥゼール ラモンディアル)が、ブエルタで3度目の区間優勝を勝ち取った。
メイン集団は11分39秒遅れでゴール。逃げ切った18人の中で、総合成績が最も上位だったヘスス・エラダ(コフィディス)が、英国のサイモン・イエーツ(ミッチェルトン・スコット)に3分22秒差で総合首位に立ち、開催国スペインにマイヨ・ロホをもたらした。
スペインの選手がブエルタで総合首位に立ち、マイヨ・ロホを着たのは2016年のダビ・デラクルス以来だ。フランスのUCIプロコンチネンタルチームであるコフィディスがブエルタでリーダージャージを獲得したのは、2001年のデヴィッド・ミラー、2008年のシルヴァン・シャヴァネルに続いて3度目だった。
北部ガリシア地方が舞台の第12ステージは170選手が出走。スタートからアタックが続き、最初のカテゴリー3の峠で18人の大きな逃げが決まった。そこにはイタリアのヴィンチェンツォ・ニバリ(バーレーン・メリダ)が加わっていたが、彼はすでに総合成績でマイヨ・ロホのイエーツより41分遅れていた。
18人の逃げ集団は、40km地点でメイン集団に5分差を付けた。北部海岸沿いを走るコースが始まり、選手たちは強い風と戦わなければならなかった。逃げで総合成績が最も上位だったのがエラダで、5分45秒遅れの総合22位だった。46kmでタイム差はそれを上回り、エラダがバーチャル・リーダーになった。
ゴールまで残り90kmでタイム差が10分になり、メイン集団はミッチェルトン・スコットが引き始めたが、タイム差はさらに広がった。この日2つ目のカテゴリー3のサン・ペドロ峠の登坂が始まると、先頭集団ではダヴィデ・フォルモロ(ボーラ・ハンスグローエ)が加速。頂上を越えた後もフォルモロは攻撃を続け、先頭集団はバラバラになった。集団はサン・ペドロ峠のふもとに到着した時、11分遅れていた。
ゴールまで残り22kmで、先頭集団からヴィクトール・カンペナールツ(ロット・スーダル)、ジャンルーカ・ブランビッラ(トレック・セガフレード)、フォルモロ、マルク・パドゥン(バーレーン・メリダ)がアタックして先行し、そこにジェニエズ、ディラン・トゥーンス(BMCレーシングチーム)、ドリース・デヴェニンス(クイックステップフロアーズ)、ディラン・ファンバールレ(チームスカイ)が追いついて8人になった。先頭グループは残り7kmでバーチャルリーダーのエラダがいるグループに1分半、メイン集団に11分半のタイム差を付けた。
終盤、先頭ではライバルを蹴落とそうと攻撃が続き、残り1kmのフラム・ルージュでは5人になっていた。最後は早めにスプリントを開始したジェニエズが、ファンバールレの追い上げを交わし、先頭でフィニッシュラインを通過した。
■ブエルタで区間3勝目を上げたジェニエズのコメント
「ブエルタはシーズンの終わりにあって、特別なレースだ。逃げが勝利をかけて戦えるチャンスを2回しか持てなかったジロとは異なる。ここではもっとチャンスがあって、ここでの(3度の)成功はボクがシーズンの終わりに良く回復しているという事実から来ていると思うんだ。
前に入る計画はなかった。ボーラがサガンのためにステージをコントロールするだろうと思っていた。その後、フォルモロのアタックを見て、前に15人くらい行ったから、ボクも行かなければと思った。ボクたちはよく協力して働いて、すぐにタイム差を開くことができた。ニバリが先頭集団の主役で、皆が彼に注目していた。
その後、アタックが始まった時には注意深くしていなければならなかった。ボクはスプリントに待ちこみたかった。それがボクにとって最高のチャンスだったからだ」
■母国スペインに2年ぶりのマイヨ・ロホをもたらしたエラダのコメント
「今日の目標の1つは、努力して数分のタイム差を得ることだった。このことは数日前から念頭にあった。ボクは主に区間優勝のことを考えていたが、それはできなかったけれど、マイヨ・ロホは2つ目の目標だったからとても満足している。とても強力な逃げ集団だったから、区間優勝のためには戦えなかった。
ボクたちはこのジャージを可能な限り長くキープする努力をするつもりだ。マドリードはまだずっと遠く、1日ずつこなさなければならない。3週目はとてもハードだ。
クエンカ出身でこのジャージを着た2人目の選手(1人目はルイス・オカーニャ)になれたのは光栄だよ」
■第12ステージ結果[9月6日/モンドニェド~エスタカ・デ・バレス灯台(マニョン)/181.1km]
1. ALEXANDRE GENIEZ (AG2R LA MONDIALE / FRA) 04H 22' 59''
2. DYLAN VAN BAARLE (TEAM SKY / NED)
3. MARK PADUN (BAHRAIN - MERIDA / UKR)
4. DYLAN TEUNS (BMC RACING TEAM / BEL)
5. VICTOR CAMPENAERTS (LOTTO SOUDAL / BEL) + 02''
6. DAVIDE FORMOLO (BORA - HANSGROHE / ITA) + 05''
7. GIANLUCA BRAMBILLA (TREK - SEGAFREDO / ITA) + 24''
8. DRIES DEVENYNS (QUICK - STEP FLOORS / BEL) + 48''
9. THOMAS DE GENDT (LOTTO SOUDAL / BEL) + 02' 27''
10. VALERIO CONTI (UAE TEAM EMIRATES / ITA) + 02' 29''
16. JESUS HERRADA (COFIDIS, SOLUTIONS CREDITS / ESP) + 02' 32''
17. VINCENZO NIBALI (BAHRAIN - MERIDA / ITA) + 02' 54''
22. SIMON YATES (MITCHELTON - SCOTT / GBR) + 11' 39''
■第12ステージまでの総合成績
1. JESUS HERRADA (COFIDIS, SOLUTIONS CREDITS / ESP) 50H 28' 56''
2. SIMON YATES (MITCHELTON - SCOTT / GBR) + 03' 22''
3. ALEJANDRO VALVERDE (MOVISTAR TEAM / ESP) + 03' 23''
4. NAIRO QUINTANA (MOVISTAR TEAM / COL) + 03' 36''
5. JON IZAGUIRRE (BAHRAIN - MERIDA / ESP) + 03' 39''
6. TONY GALLOPIN (AG2R LA MONDIALE / FRA) + 03' 46''
7. EMANUEL BUCHMANN (BORA - HANSGROHE / GER) + 03' 46''
8. MIGUEL ANGEL LOPEZ (ASTANA PRO TEAM / COL) + 03' 49''
9. RIGOBERTO URAN (TEAM EF EDUCATION FIRST - DRAPAC P/B CANNONDALE / COL) + 03' 54''
10. STEVEN KRUIJSWIJK (TEAM LOTTO NL - JUMBO / NED) + 04' 05''
[各賞]
■ポイント賞:ALEJANDRO VALVERDE (MOVISTAR TEAM / ESP)
■山岳賞:LUIS ANGEL MATE (COFIDIS, SOLUTIONS CREDITS / ESP)
■コンビネーション賞:ALEJANDRO VALVERDE (MOVISTAR TEAM / ESP)
※第12ステージは BENJAMIN KING (TEAM DIMENSION DATA / USA) が着用
■チーム成績:BAHRAIN - MERIDA (BAH)
■敢闘賞:THOMAS DE GENDT (LOTTO SOUDAL / BEL)
第13ステージはカンタブリア山脈のカンペローナ頂上ゴール
ゴールのカンペローナ山は標高1600メートルでカテゴリー1。全長8.3kmで、平均勾配は7.5%だが、ゴールまで残り2kmから15%の急坂が始まり、19.5%という難所がある。
現在総合3位で、ポイント賞のマイヨ・ベルデを着ているスペインのアレハンドロ・バルベルデ(モビスターチーム)は「明日エラダがカンペローナでたくさんのタイムを失うとは思わない。ボクはマイヨ・ロホを取れるとは思わないよ」と、語っている。