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頂上ゴールのブエルタ・ア・エスパーニャ第14ステージはS・イエーツが制し、総合首位に返り咲き

レース
(©Bettiniphoto)
(©Bettiniphoto)
 
スペインで開催中の第73回ブエルタ・ア・エスパーニャ(UCIワールドツアー)は、9月8日にシスティエルナからカテゴリー1のレス・プラエレス(ナバ)頂上までの171kmで第14ステージを競い、残り1kmを切ってメイン集団からアタックした英国のサイモン・イエーツ(ミッチェルトン・スコット)が、独走で区間優勝した。

マイヨ・ロホを着た地元スペインのヘスス・エラダ(コフィディス)は9分以上遅れてゴールし、イエーツが総合首位に返り咲いた。



頂上ゴール3連戦の第14ステージは168選手が出走。第12ステージのゴール直後に、レースオフィシャルとぶつかって転倒して負傷したオランダのディラン・ファンバールレ(チームスカイ)がスタートしなかった。

6km地点でポーランドのミハウ・クフィアトコフスキー(チームスカイ)が集団からアタックし、ニコラ・ロッシュとブレント・ブックウォルター(BMCレーシングチーム)、トマス・デヘント(ロット・スーダル)、マイケル・ウッズ(チームEFエデュケーションファースト・ドラパック・P/Bキャノンデール)、イバン・ガルシア(バーレーン・メリダ)が合流し、6人の逃げグループになった。

逃げ集団で最も成績が上位だったのはクフィアトコフスキーで、5分2秒遅れの総合19位だった。6人は19km地点で集団に2分以上のタイム差を付けた。集団の後方では、パヴェル・シヴァコフ(チームスカイ)がレースを途中リタイアした。前半に越えたカテゴリー2とカテゴリー1の峠は、デヘントが先頭で通過し、山岳ポイントを確実に稼いでいた。ゴールまで残り60kmで、逃げとメイン集団のタイム差は3分だった。

ゴールまで残り44kmのカテゴリー1の峠もドヘントが先頭で通過。山岳賞総合首位を守り続けている地元スペインのルイスアンヘル・マテ(コフィディス)に10ポイント差まで迫った。ところがデヘントは山頂通過後に機材故障で遅れてしまい、先頭グループには戻れなかった。

ゴールまで残り39kmの下りでウッズが落車し、先頭はクフィアトコフスキー、ブックウォルター、ロッシュの3人になった。メイン集団はバーレーン・メリダが先頭を引き続け、1分42秒後方にまで迫っていた。下りでメイン集団は分断し、エラダは有力選手のグループから遅れてしまった。

残り23kmでカテゴリー3の峠が始まった時、逃げる3人とメイン集団のタイム差は16秒にまで縮まっていた。上りが始まるとブックウォーターが仕事を終え、先頭はクフィアトコフスキーとローチの2人になった。しかしすぐにローチも遅れ始め、クフィアトコフスキーが独走を開始すると、メイン集団とのタイム差は再び広がっていった。ゴールまで残り21kmの山頂をクフィアトコフスキーが単独で通過した時、タイム差は1分近くになっていた。この時、マイヨ・ロホのエラダはすでに3分近く遅れていた。

メイン集団は下りでクフィアトコフスキーを追い詰め、最後のレス・プラエレスの登坂が始まる1.4km手前で吸収した。残り4kmでレス・プラエレスが始まった時、先頭のメイン集団はまだ30人近く選手が残っていた。

細い山道が始まり、傾斜が15%になったところでオランダのスティーフェン・クラウスウェイク(チームロットNL・ユンボ)がアタックし、10数秒を付けて先行した。しかし、残り2.3kmでアレハンドロ・バルベルデ(モビスターチーム)とエンリック・マス(クイックステップフロアーズ)が追いつき、さらにイエーツ、ナイロ・キンタナ(モビスター)、ミゲルアンヘル・ロペス(アスタナプロチーム)も合流した。

そこからキンタナがアタックし、ロペスが付いていったが、そのまま抜け出すことはできず、残り1kmのフラムルージュで追走グループに追いつかれてしまった。沿道に観客が溢れかえる中、先頭グループからすぐにイエーツがアタック。ロペスとバルベルデが追走したが、ゴールまで追いつくことはできなかった。

イエーツは2016年にもブエルタで区間優勝していて、これが2度目の勝利だった。彼は第12ステージで手放したマイヨ・ロホを再び獲得した。頂上ゴール3連戦を締めくくるコバドンガ頂上ゴールの第14ステージを前に、総合首位のイエーツはバルベルデに20秒差、キンタナに25秒差、ロペスに47秒差になった。


■区間優勝してマイヨ・ロホに返り咲いたイエーツのコメント
「ボクはジロにいた時と同じ選手で、同じ名前だが、唯一の違いは準備だ。開始からトップにいるよりも、レースが進むに連れて上がっていくのが理想だ。

最後の上りのことは知らなかった。ビデオを見て、今朝数枚の写真を見ただけだった。それがどれくらい急峻で狭い道なのかわからなかったから、最初は控えめに走った。ボクは落ち着いて、行くのに適切な瞬間を待った。自分が優位だとは言えない。最後が長い上りだったのは第9ステージの1回だけで、タイム差はまだわずかだ。明日(コバドンガ)は別の類の大変な仕事だ。今日のような努力ではいつも限界があるから、ボクはより長い上りを好む。明日も同じ脚が持てていたらうれしいよ」
 
 
■第14ステージ結果[9月8日/システィエルナ~レス・プラエレス(ナバ)/171km]

1. SIMON YATES (MITCHELTON - SCOTT / GBR) 04H 19' 27''
2. MIGUEL ANGEL LOPEZ (ASTANA PRO TEAM / COL) + 02''
3. ALEJANDRO VALVERDE (MOVISTAR TEAM / ESP) + 02''
4. THIBAUT PINOT (GROUPAMA - FDJ / FRA) + 05''
5. NAIRO QUINTANA (MOVISTAR TEAM / COL) + 07''
6. STEVEN KRUIJSWIJK (TEAM LOTTO NL - JUMBO / NED) + 11''
7. ENRIC MAS (QUICK - STEP FLOORS / BEL) + 19''
8. RIGOBERTO URAN (TEAM EF EDUCATION FIRST - DRAPAC P/B CANNONDALE / COL) + 27''
9. JON IZAGUIRRE (BAHRAIN - MERIDA / ESP) + 37''
10. FABIO ARU (UAE TEAM EMIRATES / ITA) + 39''

11. TONY GALLOPIN (AG2R LA MONDIALE / FRA)  + 47''
12. EMANUEL BUCHMANN (BORA - HANSGROHE / GER) + 53''
45. JESUS HERRADA (COFIDIS, SOLUTIONS CREDITS / ESP) + 09' 16''

■第14ステージまでの総合成績
1. SIMON YATES (MITCHELTON - SCOTT / GBR) 59H 11' 18''
2. ALEJANDRO VALVERDE (MOVISTAR TEAM / ESP) + 20’’
3. NAIRO QUINTANA (MOVISTAR TEAM / COL) + 25’’
4. MIGUEL ANGEL LOPEZ (ASTANA PRO TEAM / COL) + 47’’
5. STEVEN KRUIJSWIJK (TEAM LOTTO NL - JUMBO / NED) + 01’ 23’’
6. RIGOBERTO URAN (TEAM EF EDUCATION FIRST - DRAPAC P/B CANNONDALE / COL) + 01’ 28’’
7. JON IZAGUIRRE (BAHRAIN - MERIDA / ESP) + 01’ 40’’
8. ENRIC MAS  (QUICK - STEP FLOORS / ESP)  + 01’ 47’’
8. TONY GALLOPIN (AG2R LA MONDIALE / FRA)  + 01’ 55’’
10. EMANUEL BUCHMANN (BORA - HANSGROHE / GER) + 02’ 08’’

[各賞]
■ポイント賞:ALEJANDRO VALVERDE (MOVISTAR TEAM / ESP) 
■山岳賞:LUIS ANGEL MATE (COFIDIS, SOLUTIONS CREDITS / ESP) 
■コンビネーション賞:ALEJANDRO VALVERDE (MOVISTAR TEAM / ESP) 
※第15ステージは MIGUEL ANGEL LOPEZ (ASTANA PRO TEAM / COL) が着用
■チーム成績:BAHRAIN - MERIDA (BAH)
■敢闘賞: MICHAL KWIATKOWSKI (TEAM SKY / POL)
 

ブエルタ2週目の最後はコバドンガ頂上ゴール!

MAP : Unipublic
MAP : Unipublic
頂上ゴール3連戦最終日の9月9日は、リベラ・デ・アリバをスタートし、標高1110メートルでカテゴリー超級のラゴス・デ・コバドンガ頂上にゴールする178.2kmの第15ステージが行われる。2度目の休養日を控えた2週目の最後にふさわしい大舞台だ。

コバドンガの上り坂は全長11.7kmで平均勾配は7.2%。終盤に20%の難所がある。2016年には総合優勝したキンタナがコバドンガ区間を制して総合首位に立った。
 
 
 
レース公式サイト

 

第14ステージのハイライト映像