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コバドンガ頂上ゴールのブエルタ・ア・エスパーニャ2018 第15ステージはフランスのピノーが区間初優勝

レース
(©Bettiniphoto)
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スペインで開催中の第73回ブエルタ・ア・エスパーニャ(UCIワールドツアー)は、9月9日にリベラ・デ・アリバをスタートして標高1110メートルでカテゴリー超級のラゴス・デ・コバドンガ頂上にゴールする178.2kmの第15ステージを競い、フランスのティボ・ピノー(グルパマ・FDJ)が独走で区間初優勝した。

ビノーはツール・ド・フランスとジロ・デ・イタリアでも区間優勝しているため、これで3大ツールすべてで区間優勝した選手の仲間入りを果たした。

総合リーダーのマイヨ・ロホは英国のサイモン・イエーツ(ミッチェルトン・スコット)が守った。



第15ステージは166選手が出走。ベルギーのビヨルフ・ランブレヒト(ロット・スーダル)がスタートしなかった。スタートからアタックが続いたが、逃げはなかなか決まらなかった。20km地点の最初のカテゴリー3の峠は、トマス・デヘント(ロット・スーダル)が先頭で通過。下りで22人が逃げ出したが、すぐ集団に捕まった。

その後も逃げと吸収が続き、厳しいレース展開についていけない選手たちが次々と脱落。50人ほどのグルペットが形成され、世界チャンピオンのペテル・サガン(ボーラ・ハンスグローエ)やイタリアチャンピオンのエリア・ヴィヴィアーニ(クイックステップフロアーズ)が入っていた。

メイン集団では、やっと12人の選手が抜け出すことに成功し、39km地点で1分半のタイム差を付けることに成功した。12人で総合成績が最も上位だったのはジョージ・ベネット(チームロットNL・ユンボ)で、10分03秒遅れの総合22位だった。ゴールまで残り100kmで、逃げは5分差を付けた。

レース中盤の1回目のミラドール・デル・フィト峠(カテゴリー1)はバウケ・モレマ(トレック・セガフレード)が先頭で通過。メイン集団ではミゲルアンヘル・ロペス(アスタナプロチーム)が機材故障に見舞われたが、無事復帰できた。

2回目のミラドール・デル・フィト峠(カテゴリー1)はベンジャミン・キング(チームディメンションデータ)が先頭で通過し、モレマが2位だった。山岳賞総合争いは、トップがルイスアンヘル・マテ(コフィディス)、ドヘントが7ポイント差、キングが8ポイント差、モレマが14ポイント差になった。

メイン集団はアスタナプロチームが引き続け、ゴールまで残り36kmで逃げとのタイム差は3分を切った。メイン集団ではミハウ・クフィアトコフスキー(チームスカイ)とアレクサンドル・ジェニエズ(AG2R・ラモンディアル)が落車するアクシデントがあったが、2人ともレースを続けることができた。

ゴールまで残り20kmで、先頭の逃げグループからイバン・ガルシア(バーレーン・メリダ)がアタックし、独走を開始した。11.7km続くカテゴリー超級のコバドンガの上りがスタートした時、ガルシアは追走グループに1分差、集団に2分半の差を付けていた。

メイン集団はアスタナプロチームが引き続け、トニー・ガロパン(AG2R・ラモンディアル)やウィルコ・ケルデルマン(チームサンウェブ)は早々に脱落した。メイン集団は逃げていた選手を次々と追い抜き、残り8kmで先頭のガルシアを追い越した時には、15人ほどになっていた。

逃げを吸収し終えたメイン集団から最初にアタックしたのは、コンビネーション賞の白いジャージを着たロペスだった。彼はしばらく独走したが、残り6.4kmで吸収された。続いてピノーがアタックし、すぐに5秒ほどのタイム差を付けた。ピノーは総合トップ10圏外の選手だった。

メイングループはマイヨ・ロホのイエーツ、ロペス、マイヨ・ベルデのアレハンドロ・バルベルデとナイロ・キンタナ(モビスターチーム)の総合争いの戦いが続いていた。

霧が深く立ち込める中、ゴールまで残り2.2kmでロペスがアタック。マイヨ・ロホのイエーツにわずかなタイム差を付けることに成功したが、ピノーは19秒先行していた。残り1kmのフラム・ルージュでも、ピノーはロペスに20秒差を付けていて、そのまま独走でブエルタ区間初優勝を手中に収めた。

ロペスは区間2位に入り、6秒のボーナスタイムを獲得。しかし、イエーツは2秒後にゴールし、ボーナスタイムを4秒獲得したため、ロペスはコバドンガでイエーツに大きなタイム差を付けることはできなかった。

ブエルタは第2週を終え、総合争いはマイヨ・ロホのイエーツに対して総合2位バルベルデは26秒差、3位のキンタナは33秒差、4位ロペスは43秒差という僅差のままだ。休養日を挟んだ最終週の初日は32kmの個人タイムトライアルで、総合順位に影響を与えるステージになりそうだ。


■ブエルタで区間初優勝したピノーのコメント
「計画したとおりだった。優勝候補たちがお互いをマークし合う瞬間を楽しんだよ。ボクは総合成績で1分45秒遅れていたから、自分が直近の驚異にはならないとわかっていた。そしてボクが15秒差を持てば、今の自分のコンディションならやり遂げられるとわかっていた。

この勝利には多くの意味がある。この勝利のために行った。いい気分だ。ボクは3大ツアーの全てで勝つことに取りつかれていた。そしてそれをやり遂げた。この勝利はボクの競技キャリアで重要なものになるだろう。まだ厳しい1週間が残っている。明日は休養日だから、今夜は楽しむよ」



 
(©Bettiniphoto)
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■第15ステージ結果[9月9日/リベラ・デ・アリバ~ラゴス・デ・コバドンガ/178.2km]

1. THIBAUT PINOT (GROUPAMA - FDJ / FRA) 05H 01' 49''
2. MIGUEL ANGEL LOPEZ (ASTANA PRO TEAM / COL) + 28''
3. SIMON YATES (MITCHELTON - SCOTT / GBR) + 30''
4. ALEJANDRO VALVERDE (MOVISTAR TEAM / ESP) + 32''
5. STEVEN KRUIJSWIJK (TEAM LOTTO NL - JUMBO / NED) + 32''
6. ENRIC MAS (QUICK - STEP FLOORS / BEL) + 34''
7. NAIRO QUINTANA (MOVISTAR TEAM / COL) + 34''
8. RIGOBERTO URAN (TEAM EF EDUCATION FIRST - DRAPAC P/B CANNONDALE / COL) + 01' 25''
9. EMANUEL BUCHMANN (BORA - HANSGROHE / GER) + 01' 33''
10.JON IZAGUIRRE (BAHRAIN - MERIDA / ESP) + 01' 49''

■第15ステージまでの総合成績
1. SIMON YATES (MITCHELTON - SCOTT / GBR) 64H 13' 33''
2. ALEJANDRO VALVERDE (MOVISTAR TEAM / ESP) + 26’’
3. NAIRO QUINTANA (MOVISTAR TEAM / COL) + 33’’
4. MIGUEL ANGEL LOPEZ (ASTANA PRO TEAM / COL) + 43’’
5. STEVEN KRUIJSWIJK (TEAM LOTTO NL - JUMBO / NED) + 01’ 29’’
6. ENRIC MAS  (QUICK - STEP FLOORS / ESP)  + 01’ 55’’
7. THIBAUT PINOT (GROUPAMA - FDJ / FRA)  + 02’ 10’’
8. RIGOBERTO URAN (TEAM EF EDUCATION FIRST - DRAPAC P/B CANNONDALE / COL) + 02’ 27’’
9. JON IZAGUIRRE (BAHRAIN - MERIDA / ESP) + 03’ 03’’
10. EMANUEL BUCHMANN (BORA - HANSGROHE / GER) + 03’ 15s’’

[各賞]
■ポイント賞:ALEJANDRO VALVERDE (MOVISTAR TEAM / ESP) 
■山岳賞:LUIS ANGEL MATE (COFIDIS, SOLUTIONS CREDITS / ESP) 
■コンビネーション賞:ALEJANDRO VALVERDE (MOVISTAR TEAM / ESP) 
※第16ステージは MIGUEL ANGEL LOPEZ (ASTANA PRO TEAM / COL) が着用
■チーム成績:BAHRAIN - MERIDA (BAH)
■敢闘賞: BAUKE MOLLEMA (TREK - SEGAFREDO / NED)
 

休養日明けの第16ステージは32kmの個人TT

MAP : Unipublic
MAP : Unipublic
9月10日は2度目の休養日となり、翌日からはいよいよ最終週がスタート。9月11日には、サンティリャナ・デル・マルからトレラベガまでの32kmで平坦コースの個人タイムトライアルが行われる。
 
 
レース公式サイト

 

第15ステージのハイライト映像