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ブエルタ・ア・エスパーニャ第18ステージはベルギーのワライスがドラマティックに逃げ切り区間初優勝!

レース
(©Bettiniphoto)
(©Bettiniphoto)

スペインで開催中の第73回ブエルタ・ア・エスパーニャ(UCIワールドツアー)は、9月13日にエヘア・デ・ロス・カバジェロスからリェイダまでの186.1kmで平坦区間の第18ステージを競い、スタートしてすぐにアタックしたベルギーのイェーレ・ワライス(ロット・スーダル)とノルウエーのスヴェンエーリク・ビストラム(UAEチーム・エミレーツ)が、間一髪で逃げ切った。

最後は必死で追い詰めようとする集団を尻目に、ワライスがゴール勝負でビストラムを打ち負かし、グランツール区間初優勝の大金星を獲得した。僅差で逃げを捕まえられなかった集団は、世界チャンピオンのペテル・サガン(ボーラ・ハンスグローエ)が先頭でゴールし、区間3位になった。

総合上位に変動はなく、マイヨ・ロホは英国のサイモン・イエーツ(ミッチェルトン・スコット)が守った。



第18ステージは160選手が出走。スタートしてすぐにワライス、ビストラム、イェッツェ・ボル(ブルゴス・BH)の3人が集団から逃げ出し、3km地点で11秒差を付けた。ピレネー区間を翌日に控えた集団はこの逃げを許し、6km地点でタイム差は1分になった。

しかし、集団ゴールスプリントに持ち込みたいベルギーのクイックステップフロアーズが、すぐに集団のコントロールを開始し、3人のタイム差が3分を越えることはなかった。そのためこの日は3時間経過後の平均時速が45.2km/hという高速ステージになった。

ゴールまで残り30kmを切ると集団はペースを上げ、残り20kmでタイム差は1分半になった。そして残り10kmで1分を切った。先頭の逃げから残り6.5kmでボルが脱落した時、タイム差は39秒しかなく、メイン集団は残りの2人も間もなく吸収して最後は集団ゴールスプリントになるだろうと思われた。

ところがワライスとビストラムの2人は抵抗を続け、残り1kmのフラム・ルージュを通過した時、タイム差はまだ14秒あった。最後は先頭のビストラムが後方のワライスのスパートを警戒しながらゴールを目指したが、それでも集団は彼らを捕らえることができなかった。2人はすぐ後方に迫っていた集団に飲み込まれることなく、残り200mでスパートしたワライスがビストラムを難なく下し、グランツール区間初優勝を勝ち取った。
 

■間一髪逃げ切ってグランツール区間初優勝を勝ち取ったワライスのコメント
「みんなが集団ゴールスプリントを期待していた。ボクは最初の休息日の後に落車して、その後、このステージを念頭に置いていた。調子がよければ、自分はたくさんの選手を驚かせることができるとわかっていた。そして今日、それをやってのけたのさ。

ビストロムがスプリントで強いのは知っていた。ゴールはちょっと上り坂だった。残り2kmでタイム差は25秒だったから、ボクは付き位置に留まった。ボクは待って、待って、負けることを恐れはしなかった。最後の1kmまでショーができてもう満足だったからね。誰もが集団ゴールスプリントを期待していたから、逃げがまだ前にいるのを観るのはエキサイティングな展開だ。

ボクはただフィニッシュラインに集中し、残り200mでスパートした。初めて逃げ勝ったのはパリ〜ツール(2014年)で、あの日はヴォクレールから多くのことを学んだ。ボクはツールのメンバーに選ばれるために一生懸命働いた。ツールには行けなかったが、ブエルタで区間優勝するために努力し、それを勝ち取った。素晴らしいよ」
 
 
 
■第18ステージ結果[9月13日/エヘア・デ・ロス・カバジェロス〜リェイダ/186.1km]

1. JELLE WALLAYS (LOTTO SOUDAL / BEL) 03H 57' 03''
2. SVEN ERIK BYSTRØM (UAE TEAM EMIRATES / NOR)    
3. PETER SAGAN (BORA - HANSGROHE / SVK)    
4. ELIA VIVIANI (QUICK - STEP FLOORS / ITA)
5. IVAN GARCIA CORTINA (BAHRAIN - MERIDA / ESP)    
6. DANNY VAN POPPEL (TEAM LOTTO NL - JUMBO / NED)
7. JON ABERASTURI (EUSKADI BASQUE COUNTRY - MURIAS /ESP)
8. TOM VAN ASBROECK (TEAM EF EDUCATION FIRST - DRAPAC P/B CANNONDALE / BEL)
9. GIACOMO NIZZOLO (TREK - SEGAFREDO / ITA)
10. RYAN GIBBONS (TEAM DIMENSION DATA / RSA)

■第18ステージまでの総合成績
1. SIMON YATES (MITCHELTON - SCOTT / GBR) 73H 02' 37''
2. ALEJANDRO VALVERDE (MOVISTAR TEAM / ESP) + 25’’
3. ENRIC MAS (QUICK - STEP FLOORS / ESP)  + 01’ 22’’
4. MIGUEL ANGEL LOPEZ (ASTANA PRO TEAM / COL)  + 01’ 36’’
5. STEVEN KRUIJSWIJK (TEAM LOTTO NL - JUMBO / NED) + 01’ 48’’
6. NAIRO QUINTANA (MOVISTAR TEAM / COL) + 2’11’’
7. JON IZAGUIRRE (BAHRAIN - MERIDA / ESP) + 04’ 09’’
8. RIGOBERTO URAN (TEAM EF EDUCATION FIRST - DRAPAC P/B CANNONDALE / COL) + 04’ 36’’
9. THIBAUT PINOT (GROUPAMA - FDJ / FRA)  + 05’ 31’’
10. TONY GALLOPIN (AG2R LA MONDIALE / FRA) + 06’ 05’’

[各賞]
■ポイント賞:ALEJANDRO VALVERDE (MOVISTAR TEAM / ESP) 
■山岳賞:THOMAS DE GENDT (LOTTO SOUDAL / BEL)
■コンビネーション賞:ALEJANDRO VALVERDE (MOVISTAR TEAM / ESP) 
※第18ステージは MIGUEL ANGEL LOPEZ (ASTANA PRO TEAM / COL) が着用
■チーム成績:MOVISTAR TEAM (ESP)
■敢闘賞:JETSE BOL (BURGOS BH / NED)
 
 

第19ステージはカテゴリー1の頂上ゴール

MAP : Unipublic
MAP : Unipublic
9月14日はリェイダをスタートし、アンドラに越境して標高2025mでカテゴリー1のラバサ山山頂にあるピレネーのアドベンチャーパーク、ナトゥルランディアにゴールする154.4kmの第19ステージが行われる。2000m超えの頂上ゴールにもかかわらず、平坦区間に分類されているのはブエルタならではだ。

ゴールのラバサ山は全長17kmの登坂で、平均勾配は6.6km。上り始めてすぐに13%超えの難所がある。
 
 
レース公式サイト

 

第18ステージのハイライト映像